こんにちは、WELLMETHODライターの廣江です。

みなさんは、「毎日のお通じに困っている」ことはありませんか?

筆者は便秘になりやすく、水を飲んだりヨーグルトを食べたりしていましたが、なかなか良い変化を実感できませんでした。

お腹の調子が良くない状態が続くと、肌荒れに繋がってしまうことも。

「もっと本気で腸活をしたい!」と思った筆者は、腸活に関するさまざまな情報を読んで勉強しました。

そして、腸活はヨーグルトを食べるだけではなく、腸内の「短鎖脂肪酸」を増やすことが大切だと学びました。

腸を良い状態で維持するためには、短鎖脂肪酸の働きが必要不可欠。短鎖脂肪酸は、腸内環境の改善だけではなく、健康維持に役立つさまざまな働きを持っているのです。

この記事では、短鎖脂肪酸の特徴や働き、短鎖脂肪酸を増やすための方法について解説していきます。

1.短鎖脂肪酸とは?

腸内環境を良い状態に保つためには、短鎖脂肪酸を増やすための食事を意識して続けることが大切です。
まず、短鎖脂肪酸とはどのような成分なのか紹介します。

1-1.短鎖脂肪酸は脂肪酸の一種

短鎖脂肪酸は、油脂を構成している成分である脂肪酸の一種です。

脂肪酸は、複数の炭素が鎖のように繋がっている構造になっています。脂肪酸のうち、炭素の数が6個以下のものは「短鎖脂肪酸」と呼ばれています。

短鎖脂肪酸は、腸内細菌が分泌する酸・有機酸の一種です。
短鎖脂肪酸には、酪酸、プロピオン酸、酢酸などさまざまな種類があります。
乳酸菌の分泌する乳酸は、広義には短鎖脂肪酸には分類されませんが、腸内細菌が分泌する有機酸の仲間です。

1-2.短鎖脂肪酸は腸内細菌によって作られる

腸内環境を整える

短鎖脂肪酸を生み出しているのは、腸内に存在している腸内細菌です。

人の腸内には、腸内細菌がなんと約100兆個以上も生息しています。その種類は数百種以上です。

腸内細菌のうち、体にとって良い働きをする菌を「有用菌(善玉菌)」、体にとって良くない働きをする菌を「悪玉菌」、どちらにも属さない菌を「日和見菌」と呼びます。

腸内で悪玉菌に比較して、有用菌が多く優勢な状態だと、健康的な腸内環境を維持できます。反対に悪玉菌が増え過ぎると体にとってあまり良い働きをしません。

以前は、「善玉菌」「悪玉菌」のように腸内細菌を完全な善悪で考えていましたが、最近は、善玉菌であっても増え過ぎると異常であり、悪玉菌でも腸内環境全体のバランスが取れていれば悪さをしないだけでなく、腸内にとって必要な働きをしていることもわかってきました。

つまり、悪玉菌と呼ばれる細菌であっても、適正なバランスの中にいれば、必要な働きを担っているのです。腸内は、多様な個性を持った菌がそれぞれに助け合っている「多様性=ダイバーシティ」が保たれていることが最も健康的といわれています。

一方、ビフィズス菌・乳酸菌・酪酸菌などの有用菌は、エサ(水溶性食物繊維やオリゴ糖、レジスタントスターチなど)を与えられると、短鎖脂肪酸といった有機酸を分泌し、腸内細菌のバランスに良い影響を与えます。

短鎖脂肪酸は、人の体や脳にとって嬉しい働きをもたらすのです。

2.短鎖脂肪酸の働き

腸内で分泌された短鎖脂肪酸は、大腸をはじめ体内のあらゆる場所で、さまざまな役割を果たします。ここでは短鎖脂肪酸の働きについて詳しく紹介します。

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2-1.腸内環境を整える

短鎖脂肪酸の持つ働きの中で、特に腸活に役立つ働きは腸内環境を整えることです。

腸内環境を良い状態にするには、腸内を弱酸性にすることが大切です。有用菌によって短鎖脂肪酸が作られると、腸内が弱酸性になります。

有用菌が上手に酸を分泌できないと、腸内がアルカリ性に傾いて悪玉菌の増加に繋がります。

有用菌が短鎖脂肪酸をしっかり分泌して、腸内を弱酸性に維持できれば、有用菌が暮らしやすい腸内環境に整えることができます。有用菌が暮らしやすい腸内環境になれば、腸内全体のバランスが整うのです。

短鎖脂肪酸は、いずれも、悪玉菌を減らしたり増殖を抑えたりする働きがあるといわれています。

2-2.便秘の改善

便秘に悩む女性

短鎖脂肪酸には、便秘の改善に役立つ働きもあります。

2-2-1.蠕動(ぜんどう)運動をサポートする

蠕動運動とは、便を押し出すための腸の働きのことです。有用菌のビフィズス菌や酪酸菌などが短鎖脂肪酸を多く作ると、腸内が酸性になります。

すると、大腸の粘膜が刺激されて蠕動運動が活発になり、スムーズに排便できるようになります。

短鎖脂肪酸を増やすことで、蠕動運動を促して便秘になりにくい状態を維持できるのです。

2-2-2.便の水分量を増やす

大腸に便が長い時間留まってしまうと、便の水分が腸に吸収されます。すると、便がさらに固くなってしまい排出しにくくなるという悪循環が起こります。

ビフィズス菌や酪酸菌などが短鎖脂肪酸を分泌すると、腸管の中に水分が放出され、便の水分量がアップします。便の水分量が増えると、腸の中を移動しやすくなるので便通の改善に繋がります。

2-3.バリア機能をアップする

ビフィズス菌や酪酸菌などによって作られた短鎖脂肪酸は、大腸粘膜組織から吸収されると、腸の上皮細胞の増殖を促します。

腸の上皮細胞は体を外敵から守るために重要な役割を果たします。そのため、短鎖脂肪酸によって上皮細胞が強化されると、腸のバリア機能が上がるのです。

また、免疫細胞の約7割は、腸管の周りに集まっています。酪酸菌が分泌する酪酸には、免疫細胞の一種である抑制性T細胞(Tレグ)の成長を促す働きがあります。酪酸が分泌されることで、正常な免疫機能を保つことができるのです。

腸の粘膜は病原体の侵入を防ぐバリア機能を担っています。酪酸やプロピオン酸の分泌により正常な腸粘膜が維持されることで、腸のバリア機能がアップします。

さらに、短鎖脂肪酸には、発がんの原因物質といわれる二次胆汁酸の産生を抑制する働きもあります。このように、短鎖脂肪酸は健康維持に嬉しい働きをもたらしてくれるのです。

2-4.肥満や糖代謝の改善

ダイエットをする女性

作り出された短鎖脂肪酸は、腸管で吸収された後に全身のエネルギー源になります。

エネルギー代謝を高めるだけではなく、脂肪細胞の肥大化を防いで脂肪の蓄積を抑えて、痩せやすい体質に近づけてくれます。

短鎖脂肪酸は、脳にも作用して満腹感をもたらし、食べ過ぎを抑えるのでダイエットにも役立ちます。

他にも、糖の代謝に関わるインスリンと消化管ホルモンに関与することで、糖尿病の予防をサポートします。

2-5.脳や神経を活性化させる

短鎖脂肪酸は、大腸などだけではなく脳にも作用します。

自律神経の一種である交感神経といった神経細胞と結合して、脳や神経を活性化させます。

このように、短鎖脂肪酸は全身で活躍する頼もしい有機酸です。

2-6.腸内環境を弱酸性に保つ

腸内環境は、弱酸性であることが健康を保つ秘訣です。

詳しくはこちら。

▼医師が解説する腸内環境は「弱酸性」であることが健康の秘訣

https://wellmethod.jp/intestinal_environment/

【医師が解説】肌だけじゃない! 腸内環境も発酵食品も「弱酸性」が健康の秘訣

短鎖脂肪酸は、名前の通り「酸」ですから、これが適切に分泌されている状態だと、腸内環境が弱酸性になり、有用菌が暮らしやすい環境を保ってくれる働きがあります。

一方で、悪玉菌と言われる種類は、アルカリ性の環境を好みます。有用菌に短鎖脂肪酸を分泌してもらうことで、腸内を弱酸性に保つことが大切です。

3.短鎖脂肪酸を増やすためには

健康的な体を叶えて維持するためには、短鎖脂肪酸の働きが必要不可欠です。

ここからは、短鎖脂肪酸を増やすための方法を解説します。

3-1.食物繊維を摂取する

短鎖脂肪酸を増やすためには、有用菌のエサとなる食物繊維を積極的に摂取することが大切です。

短鎖脂肪酸は酢などの食品に含まれていますが、口から摂取すると胃や十二指腸で消化されるため、健康に役立てるほどの量を摂取することは難しいです。

食物繊維を含む食品を食事に取り入れることで、大腸の中の有用菌の働きにより、効率よく短鎖脂肪酸を増やすことができます。

3-1-1.水溶性食物繊維を含む食品

プルーン

食物繊維には、水溶性食物繊維と非水溶性食物繊維の2種類があります。水溶性食物繊維は水に溶けますが、非水溶性食物繊維は水に溶けません。

2種類の食物繊維うち、有用菌のエサになるのは水溶性食物繊維です。

水溶性食物繊維を摂取すると、消化や吸収されることなく大腸に届きます。そして、腸内細菌である善玉菌のエサとなるのです。

水溶性食物繊維を食べた有用菌は、酪酸や酢酸、プロピオン酸などの短鎖脂肪酸、乳酸などの有機酸を分泌します。

水溶性食物繊維を含む食品は以下の通りです。

こんにゃく

・果物(リンゴ、プルーン、柑橘類など)
・海藻類(ワカメ、昆布など)
・野菜類(大根、キャベツ、こんにゃく)
・穀類(麦類)
・豆類
・イモ類

豆類や野菜、海藻類や穀類などをバランス良く食べることで、水溶性食物繊維だけではなく非水溶性食物繊維も同時に摂取できます。

非水溶性食物繊維は、腸内細菌を育むために重要な役割を果たしています。また、腸内の運動を促すため便秘の解消に役立つのです。

短鎖脂肪酸を増やすために、普段の食事に上記の食材を取り入れて、まずは食物繊維を毎日摂取することを心がけましょう。

3-1-2.ジュースで摂るならスムージーがおすすめ

スムージー

「忙しくて食事で食物繊維を十分に摂取することが難しい」という人は、食物繊維をジュースで摂取しましょう。

食物繊維を含む果物をジュースにして飲むなら、スムージーにすることをおすすめします。

コールドプレスジュースの場合、低温圧搾機で搾るときに食物繊維をこしてしまうため、食物繊維を十分に摂ることは難しいです。

果物を丸ごと使ったスムージーなら、食物繊維も一緒に美味しく摂取できます。

忙しいときはスムージーを飲み、時間があるときは栄養バランスの良い食事から食物繊維を摂取するようにしましょう。

3-2.シンバイオティクスを意識する

短鎖脂肪酸を増やして腸内環境を整えるためには、普段の食事で「プロバイオティクス」と「プレバイオティクス」の両方を積極的に取り入れることが望ましいです。

3-2-1.プロバイオティクスとは

納豆ご飯

プロバイオティクスとは、有用菌そのものを摂取できる発酵食品などを食べることを指します。発酵食品は、ヨーグルト、納豆、味噌、醤油、漬物などです。

短鎖脂肪酸を増やすためにヨーグルトを食べるなら、ビフィズス菌が含まれているものをおすすめします。

ビフィズス菌などの有用菌が不足すると、短鎖脂肪酸が産生されないからです。

3-2-2.プレバイオティクスとは

プレバイオティクスとは、有用菌のエサとなり培養することができる食品のことで、食物繊維やオリゴ糖などがあります。

食物繊維の摂取目安量は、女性の場合1日18g以上、男性では20g以上です。食物繊維の摂取量が少ないと、どんなにヨーグルトを食べても短鎖脂肪酸を増やすことはできません。

食物繊維を普段の食事で効率よく摂取するには、納豆ご飯や海藻が入った味噌汁などの和食がおすすめです。食生活を見直して、食物繊維を含む食材をバランス良く取り入れましょう。

特に、水溶性食物繊維を摂取することが重要で、詳しい食品については前段落の3-1-1をご参照ください。

3-2-3.シンバイオティクスとは

野菜を摂る

シンバイオティクスとは、プロバイオティクスとプレバイオティクスを両方取り入れることをいいます。

日本人の大腸の中には、もともとビフィズス菌が多く存在しているといわれています。しかし、加齢や食生活の乱れなどの影響によって減少してしまうのです。

どんなに食物繊維を摂取しても、それをエサとして食べる善玉菌が少ないと短鎖脂肪酸は増えません。

また腸内ではビフィズス菌だけが働いているのではなく、さまざまな有用菌が協力し合うことで良好な腸内環境が維持されます。

有用菌や短鎖脂肪酸が不足していると、腸内環境が悪化して悪玉菌が増え、健康に悪影響を及ぼす可能性もあります。

短鎖脂肪酸を増やすためには、善玉菌を含む食品を食べる「プロバイオティクス」と、有用菌のエサとなる「プレバイオティクス」を同時に取り入れることが大切なのです。

3-3.生活習慣を見直す

睡眠をとる

短鎖脂肪酸を作り出す有用菌を減らさないためには、普段の生活習慣を見直す必要があります。

食事は、さまざまな栄養をバランス良く摂取することを心がけましょう。

炭水化物には、糖質と食物繊維が含まれています。ダイエットのために炭水化物を極端に減らしてしまうと、食物繊維の摂取量も減少し、腸内環境の悪化に繋がる可能性があるのです。

またタンパク質や動物性の高脂肪食は、悪玉菌のエサにもなるため過剰摂取しないように注意しましょう。

食生活の乱れだけではなく、ストレスや睡眠不足も腸内環境の悪化の原因になります。毎日睡眠を十分にとることと、ストレスをためないことを心がけることが大切です。

4.短鎖脂肪酸を増やして健康的な体を維持しよう

腸内環境を整えて、健康的な体やキレイな肌を叶えるためには、短鎖脂肪酸の働きが必要不可欠です。

筆者は短鎖脂肪酸のことを知るまで「腸内環境を整えるためには、ヨーグルトさえ食べていれば大丈夫」と勘違いしていました。

短鎖脂肪酸について学んでからは、毎日ヨーグルトだけではなく、水溶性食物繊維を含んだ和食を意識して食べるようになりました。

有用菌を減らさないように生活習慣を見直し、シンバイオティクスを取り入れることで、短鎖脂肪酸の増加に繋がります。

毎日忙しい人にとって、規則正しい生活習慣と、栄養バランスの良い食事を続けることは簡単なことではありません。

「今日の夕飯に納豆を追加する」など、ご自分のペースでできることから、シンバイオティクスの食事法を続けてみてくださいね。

監修:内科医 桐村里紗

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廣江 好子

【ライター】

美容・健康ライター。
ダイエッター歴○十年から脱却した、美を愛するアラフォー健康オタク。
趣味は料理と筋トレ。

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医師

桐村 里紗

【総合監修医】
tenrai株式会社代表取締役医師
愛媛大学医学部医学科卒。
臨床現場において、生活習慣病から在宅医療、分子栄養療法やバイオロジカル医療を用いた予防医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。「ヘルスケアは、カルチャーへ」というコンセプトを掲げ、ヘルスケアの「意味」を再定義し、様々なメディアでの発信やプロダクト監修を行っている。
ニオイ評論家としてフジテレビ「ホンマでっか!?TV」「とくダネ!」などメディア出演多数。著書に『日本人はなぜ臭いと言われるのか~口臭と体臭の化学』(光文社新書)ほか多数。

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