こんにちは、WELLMETHODライターの和重 景です。

新型コロナウイルスの感染拡大によっておうち時間が増えた方も多い今、外出自粛を余儀なくされる中、運動不足やストレス解消のためにおうちでできるストレッチやヨガが人気となっています。

筆者も運動不足やストレス解消のためにストレッチを始めたのですが、20代の頃には想像もできなかったほど体が硬くなっていて、とてもショックを受けました。

とくに硬くなっているなと感じたのが股関節です。
若いころは180度までは開かないものの、ある程度は開いていたんです。

みなさまはいかがでしょうか?
若いときと同じくらい股関節の柔軟性を保つことができていますでしょうか?

股関節が硬くても生活に支障がないならこのままでもいいかなと思っていたのですが、実は股関節が硬いことで将来ロコモティブシンドロームを引き起こしてしまうリスクが高くなるのです。

ロコモティブシンドロームなんてまだまだ先の話と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、将来健康的な生活を送るためには40代以降からロコモティブシンドロームの予防に取り組むことが大切です。

今回は、股関節が硬くなる原因と体に及ぼす影響、おうちでできる股関節を柔らかくするストレッチ4選をご紹介します。

1.股関節の役割とは?

股関節

股関節とは大腿骨(だいたいこつ)と骨盤を連結する球関節のことをいいます。

骨盤の受け皿部分(寛骨臼・かんこつきゅう)に大腿骨の大腿骨頭がはまり込んでおり、脚を前後・左右に動かした入り、内側・外側に回すことができるなど、足を自由に動かす役割があります。

また股関節は周辺の筋肉と連携して、私たちが日常的に行っている「立つ」「座る」「歩く」といった動作を起こしたり、上半身と下半身をつなぎ上半身を支える役割も担っています。

下半身を使う動作の大半は股関節の動きを利用しており、また上半身を常に支えていることから股関節にかかる負荷は大きいといえます。

2.股関節が硬くなるのはなぜ?

日常的に行う動作の中でよく動かしているイメージがある股関節ですが、なぜ硬くなるのでしょうか?

多くの方は加齢によるものと思われるかもしれませんが、それだけではありません。

毎日何気なく行っている習慣にこそ、股関節が硬くなる原因があると考えられます。

2-1.座っている時間が長い

座って仕事をする女性

とくに最近コロナ禍で在宅ワークが多くなったり家にいることが多くなったりしたことで、座って生活する時間が長くなった方も多いのではないでしょうか。

実は股関節が硬くなる原因として最近注目されているのが「長時間座る」ことです。

股関節の前側深部には、歩く・立ち上がる・太ももを持ち上げる等の働きをする腸腰筋という筋肉群があります。

座って過ごす時間が長くなればなるほどこれらの筋肉はギュッと縮まった状態が長く続き、股関節の前側(椅子に座ったときに90度に曲げられている部分)の血流が滞ってしまいます。

そうなることで、筋肉が凝り固まり股関節の可動域が狭くなってしまうのです。

さらに、後ろの臀部の筋肉も硬くなり、骨盤が後傾し、ますます股関節に負担をかけてしまうことになります。
姿勢は猫背になるのが特徴です。立ち姿も美しくありません。

2-2.姿勢が悪い

股関節は周辺の筋肉と連動して動いています。

歩いている時、立っているときに膝が曲がっている人がいますが、このような人は殿部の筋肉が弱りがちです。
すると、股関節に負担がかかり、硬くなってしまいます。

また、足を組むなど左右アンバランスな体の使い方をしていると、左右どちらかの股関節に負担をかけることになります。

3.股関節が硬くなると、体にどんな影響があるの?

股関節が硬くなると、体にさまざまな不調が起こります。

股関節を押さえる女性

3-1.体の冷えを引き起こす

股関節の前側に多く存在するリンパ節には、体内で不要になった老廃物などを回収し排出する働きがあります。

しかし股関節が硬くなり、周辺の筋肉などの組織が凝り固まると、リンパの流れが悪くなり、老廃物がうまく流れなくなることで、下半身の冷えを引き起こしてしまいます。

3-2.動きが制限される

股関節の可動域が狭くなることで日常生活における動きに制限が生じ、ときには痛みを引き起こしてしまうこともあります。

股関節に痛みによってさらに日常生活に支障をきたす可能性が高くなります。

・長時間の歩行
・階段の昇り降り
・重いものを持つ
・足の爪を切る・靴下を履く

これらの動作が困難になることも少なくないので、注意が必要です。

4.股関節が柔らかいことがロコモティブシンドロームの予防になる理由

股関節を柔らかくしている女性たち

WELLMETHODではこれまでロコモティブシンドロームについてご紹介してきました。

いつもWELLMETHODの記事をご覧いただいているみなさまの中には、ロコモティブシンドロームがどのような症状であるかご存じの方も多いのではないかと思います。

ロコモティブシンドロームについての記事はこちら

▼未来の私に向けて“40代の今”からはじめるロコモティブシンドローム予防法

https://wellmethod.jp/locomotive-syndrome/

ロコモティブシンドロームとは、骨・関節・筋肉・神経などの運動器の機能低下によって日常的に行っている移動機能が低下している状態のことをいいます。

3章で、股関節が硬くなることで体に起こる影響についてご紹介しましたが、実は、股関節の硬さはロコモティブシンドロームを引き起こす原因と深い関わりがあるのです。

下半身の動きが制限された状態が長く続くと動くこと自体が困難になるため運動不足を招き、その結果、股関節周辺の筋力だけにとどまらず下肢全体の筋力、体幹の筋肉なども衰えていきます。

また40代以降になると加齢に伴って下半身を中心とした大きな筋力が低下していくため、さまざまな要因が重なり合いロコモティブシンドロームのリスクを高めてしまうのです。

このような悪循環を引き起こす前に、股関節を柔らかくすることがロコモティブシンドロームの予防に繋がります。

5.股関節を柔らかくするおすすめの方法はストレッチ

股関節のストレッチをする女性

股関節を柔らかくするためにはストレッチがおすすめです。

股関節を柔らかくするというと、180度開くことをイメージする方も多いと思いますが、そこまで柔らかくする必要はありません。

力任せに無理に股関節を開こうとすると返って、股関節やその周辺の筋肉を痛めてしまうことになってしまいます。

股関節を柔らかくするには、正しいストレッチを無理のない範囲で行うことが大切です。

5-1.股関節を柔らかくするストレッチの7つのポイント

股関節が硬い方にこそ、これからご紹介する7つのポイントを意識して行いましょう。

1. できるだけ毎日行う
2. いきなり広げ過ぎない
3. 1回につき3分以上伸ばし続けない
4. 痛みを感じたらすぐに止める
5. 関節を支えるために余裕があれば筋トレも行う
6. 太もも・ふくらはぎ・お尻のストレッチも行う
7. 90度以上無理に開こうとしない

6.股関節を柔らかくする自宅できるストレッチ

おうち時間を有効活用しながら、自宅でできるストレッチをご紹介します。

6-1.あぐらストレッチ

股関節を柔らかくするストレッチ

1. 床に座ってあぐらをかくように両方の足裏を合わせます。このときつま先を持てる場合は、両手で包み込むように持ちましょう。持てない場合は膝の上に腕をおきましょう。

2. 自然に呼吸をしながら膝を軽く上下に揺らします。振れ幅は10cm程度で痛みを感じない程度に30秒間揺らしましょう。

3. 腰をまっすぐ立たせるように背筋を伸ばします。その状態をキープしながら上半身を前に倒します。無理のない範囲で自分の倒せるところまで倒したら、そのまま約10秒間キープします。このとき呼吸を止めないようにしましょう。

4. 息をゆっくり吐きながら脱力します。

5. 背中を丸めてお腹を覗き込むような姿勢から徐々に最初に姿勢に戻ります。

3セット繰り返し行いましょう。

6-2.腸腰筋ストレッチ

股関節を柔らかくするストレッチ

1. 椅子に対して右向きに座り、右足を90度位に立てお尻の右側に重心をかけます。左足は後方に伸ばし、膝が床の方を向くようにして左の股関節の前側を伸ばします。

2. 背もたれがある椅子の場合は、背もたれを右手で持ち体を支えましょう。左手は椅子のひじ掛けか椅子の座面を持つようにして椅子から落ちないように体を安定させます。

3. おへそを覗き込むように骨盤をうしろに傾けるようにすると、より腸腰筋が伸びているのを感じることができます。

4. 体の向きを変えて、反対側も同じように行います。

キャスター付きの椅子は転倒のリスクがあるため、椅子の脚が安定したものを使用しましょう。

7.寝ながらできる股関節ストレッチ

寝る前のちょっとした時間を使って寝ながらできるストレッチもおすすめです。

7-1.大殿筋ストレッチ

股関節を柔らかくするストレッチ

お尻の筋肉をしっかりほぐすことで、股関節の可動域を広げることができます。

1. 仰向けに寝て左足首を右の太ももにのせませす。

2. その状態のまま、右の太ももを両手で抱えるように持ちます。

3. ゆっくりと息を吐きながら、右の太ももをお腹の方へ引き寄せます。

4. 引き寄せた状態のまま約20秒間キープします。このときも呼吸を止めないように注意しましょう。

5. 反対も同じように繰り返します。

左右交互に行います。5セットを目標にしましょう。お尻に激しい痛みを感じる方は無理せず、回数を減らしましょう。

7-2.重力を利用したストレッチ

股関節を柔らかくするストレッチ

自分で力をかけるのではなく、重力を利用したストレッチです。無理のない範囲で行いましょう。

1. 壁に向かって寝転がり、両足を真っすぐ壁に沿って上の方にあげます。このときお尻も壁にしっかりつけるようにします。

2. 下腹部に力をいれながら、ゆっくりと足を開きます。つま先を立てるようにすると、足の裏側の筋肉も伸びます。

3. 痛いと感じる手前で足を止めて5秒間キープします。内ももがしっかり伸びていることを意識しましょう。

4. ゆっくりと両足を閉じて1の状態に戻ります。

この動きを数回繰り返します。慣れてきたら3の時間を少し長めにしてみましょう。

8.将来の自分のために、しなやかな体を手に入れましょう!

股関節のストレッチをする女性

コロナ禍で我慢の毎日が続いています。

しかしこうした状況を嘆く1日も、前向きにいま自分にできることを行う1日も、私たちの人生の中では同じ1日という時間です。

それならばおうち時間を有効活用して将来の自分の健康のために、体のメンテナンスを行う方が充実した1日になるのではないでしょうか。

硬くなった股関節を1日や2日で柔らかくすることは難しいことです。

なかなか柔らかくならいとストレッチを続けるのが嫌になるかもしれません。しかし私たちの体は継続することで、しっかり応えてくれます。

慌てず急がず自分のペースで、いまの自分と将来の自分のためにしなやかな体を手に入れましょう。

この記事の監修は 医師 桐村里紗先生

【医師/総合監修医】桐村 里紗
医師

桐村 里紗

総合監修医

内科医・認定産業医
tenrai株式会社代表取締役医師
日本内科学会・日本糖尿病学会・日本抗加齢医学会所属

愛媛大学医学部医学科卒。
皮膚科、糖尿病代謝内分泌科を経て、生活習慣病から在宅医療、分子整合栄養療法やバイオロジカル医療、常在細菌学などを用いた予防医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。
監修した企業での健康プロジェクトは、第1回健康科学ビジネスベストセレクションズ受賞(健康科学ビジネス推進機構)。
現在は、執筆、メディア、講演活動などでヘルスケア情報発信やプロダクト監修を行っている。
フジテレビ「ホンマでっか!?TV」には腸内環境評論家として出演。その他「とくダネ!」などメディア出演多数。

続きを見る

著作・監修一覧

  • ・『日本人はなぜ臭いと言われるのか~体臭と口臭の科学』(光文社新書)
  • ・「美女のステージ」 (光文社・美人時間ブック)
  • ・「30代からのシンプル・ダイエット」(マガジンハウス)
  • ・「解抗免力」(講談社)
  • ・「冷え性ガールのあたため毎日」(泰文堂)

ほか

和重 景

【ライター】

主に、自身の出産・育児やパートナーシップといった、女性向けのジャンルにて活動中のフリーライター。
夫と大学生の息子と猫1匹の4人暮らし。
座右の銘は、「為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」。

和重 景の記事一覧