こんにちは、WELLMETHOD編集長の栗本です。

シリーズ3回でお送りしている女子プロゴルファー・堀 琴音選手(ダイセル所属)とWELLMETHOD総合監修医・桐村里紗先生とのスペシャル対談。
2回目のテーマは「疲れにくいカラダづくり」です。

1回目はこちら▼

2021ツアー初優勝の女子プロゴルフ・堀 琴音選手×医師・桐村里紗対談Vol.1|美容編

数年前に比べ、疲労が残りやすいと感じ始めた堀選手。25歳という若さでありながら、ご自身の身体に起こるちょっとした変化を見過ごさずに、ご自身で考えて解決方法を探っていらっしゃいました。

女性ならではのカラダの変化も含め、堀選手の食と栄養、身体づくりについてお話をきいてみましょう。

1.堀 琴音選手のヘルスケア~疲れにくいカラダづくり編~

ゴルフをする女性

1-1.疲労と向きあう

桐村先生:シーズン中は、1週間ごとのスケジュールですよね。移動して、練習して、試合しての繰り返しですか? 一般人からすると、なんて過酷すぎるスケジュールなの? と思うのですが・・・。移動ってとても疲れるものですし、そのあたりいかがですか? 肉体的なストレスってやはり大きいでしょうか?

堀選手:大きいですね。移動はやはり疲労に繋がります。車で移動できる範囲ならまだ良いのですが、どうしても飛行機や新幹線でとなると移動だけで疲労感が出てくることもあります。ちょうど今年くらいから、疲れをためないようするにはどうしたらいいのか? を意識するようになりました。

桐村先生:そうなんですね。私自身、今年は東京と鳥取県米子市の二拠点生活をはじめたのですが、それに伴って発生する移動が、こんなにも身体を疲れさせるのかと身をもって感じています。堀選手は、きちんとご自身の身体に起こった小さな変化を見逃さないで対処方法を探っていらっしゃるんですね。さすがプロスポーツ選手ですね、すばらしい!

堀選手:疲れをためないためにはどうするのか。練習を減らすのか、トレーニングを減らすのか、移動の時間を減らすのかなどなど。そういう観点で考えるようになってきたところです。

1-2.初優勝の興奮で朝まで眠れず・・・

トロフィー

堀選手:今シーズンは優勝もできました。優勝したことはすごく嬉しかったんですけど、実は、優勝した後が一番疲れていました。
プレーオフを3ホールもして身体の疲労はマックスなのに、その日は朝の4時まで眠れないなんていう興奮状態が続いて。翌週もまた試合があるので、疲れが残ったまま次の試合を迎えました。嬉しい反面、体力の消耗が激しかったことに後から気付きました。

桐村先生:優勝に向けての集中とか、メンタルの面で、良い意味かもしれないですけどそういうストレスがあったかもしれないですね。

堀選手:初優勝だったので余計そう感じたんだと思います。喜びの大きさと同じくらい体力の消耗を感じました。これから2勝目、3勝目と重ねていけたらそういう事もなくなってくるのではないかと思います。

桐村先生:今はシーズンオフですけど疲労の状態はどうですか?

堀選手:なんだかんだ仕事もあるのであまり休めてないですけど、なるべくルーティンは崩さないようにしています。疲れが残るとすぐに肌に出てきてしまうのでそうならないようにしています。

桐村先生:ルーティンを崩さないのは大事ですね。心身の状態はすぐに肌に現れてしまいますものね。

堀選手:去年くらいから肌に出やすくなったんです。ホルモンバランスとかも関係しているのかなと思ったりしています。

2.フェムケア×隠れ貧血

ナッツ

桐村先生:女性には月経があります。毎月のバイオリズムに応じていろいろな心身の変化が起こりますよね。女性ならではのホルモンの揺らぎとか、女性ならではの心身の悩みをケアすることを「フェムケア」といいます。聞いたことがありますか?

堀選手:フェムケアですか?

桐村先生:女性だとだれでも月経前後に不調になることがありますよね。堀選手の場合、シーズン中は、この女性の毎月のバイオリズムを受け入れつつ、毎週繰り返してやってくる試合を繰り返すという状況です。毎月のバイオリズムに応じて、今週は月経の週だから試合に出ないなんてことは出来ないですよね。
こういう女性ならではのホルモンの揺らぎに応じたヘルスケアというのがフェムケアなんですが、とくにフェムケアにおいて大事なことが、鉄分の不足なんです。

多くの月経のある女性に共通しているのが鉄分の不足で、貧血というレベルの数字まで表れていなくても、「隠れ貧血」という状態になっていると、疲労やストレスの原因になるんですね。
堀選手は、これまで貧血について指摘されたことはありますか?

堀選手:以前、数字だけだと完全な貧血ではないけど、ギリギリだと言われたことがあるんです。

桐村先生:月経があって、25歳ですと、成熟期まっさかりの典型的な年齢ですし、ギリギリと言われたとしたら、おそらく体内の鉄の蓄えは不足していると思われます。
鉄は、全身のあらゆるところで必要とされているんです。解毒の酵素や活性酸素除去の抗酸化の酵素など、全身の機能をまわすのに鉄分が必要なので、不足するとすごく疲れやすくなったり、精神面だと神経伝達物質と呼ばれる、やる気とか集中力とかに関係するホルモン、精神を安定させたり睡眠のためのホルモンをつくるためにもに鉄が必要なんです。

ですから女性の場合、鉄を補給するだけで、パフォーマンスが格段に変わります。「わたしって、こんなに体力あったの?持久力あったの?」という状態が作れることが多いのです。

堀選手:それ、めちゃめちゃいいですね! ぎりぎり足りているくらいだって話だったので、本当は鉄不足なのかも。

桐村選手:血中の赤血球やヘモグロビンという貧血を示す数字が基準の範囲内だとしても、「隠れ貧血」という場合があるんですね。
それは、貯蔵鉄と言われている身体の中の貯金のような状態の鉄分が足りていることが重要なのですが、それは、フェリチンという値でチェックできるんです。通常の血液検査では「貧血」という判断には至らないものの、この貯金の部分の鉄分を示すフェリチンが不足している「隠れ貧血」である方が、若い女性には非常に多いです。定期的に月経がある女性はほとんどの方が「隠れ貧血」であると言っても過言ではありません。

堀選手:お話を聞いていると、私はミネラルの摂取が圧倒的に出来ていなさそうですよね。ちょっと意識してみたいと思います。

桐村先生:そうですね。堀選手は、ビタミン類はすでに補給されているとのことだったので、ヘム鉄のようなミネラルもプラスすると、肌の状態だけでなく、ゴルフのパフォーマンス方も良い影響があると思います!

堀選手:一度フェリチンの値を調べてみても良いかもしれないですね。

2-1.月経にまつわるトラブルは?

体重計

桐村先生:月経前後で疲れやすいとかそういう感覚はありますか?

堀選手:他の選手と比べると私は元気な方だと思います。周囲には月経による体のだるさや痛みなどの治療目的でピルを飲んでいる人もいますが、私はなるべく自然な形でコントロールしたいというのもあって、どうしても試合の時に痛みがある場合のみ、痛み止めを飲む程度でしょうか。でも、基本的に薬は飲みたくないなーと思ってます。

桐村先生:自然な形で、というのが良いですね。痛みがあるときはどの程度ですか?

堀選手:痛みに関しては毎回薬を飲むほどでもなくて、頑張れば我慢もできるかな、という程度です。ただ、私の場合月経周期が体重変動にすごく影響しやすいんです。

桐村先生:痛みがないならそれは良いことだと思います。体重はどのくらい変動しますか?

堀選手:以前今より、もう少し体重があった時は、月経の前後で2kgくらいの変動があり、その変動がゴルフのパフォーマンスにも影響しました。
月経前にすごく食べてしまって、始まった瞬間に食欲がなくなるというのを繰り返しがちなんですが、その食事量の差が激しかったんですね。でも、体重変動がプレーにとても大きな影響がありそうなので、トレーナーからもなるべく体重変動が無いようにすることを指導されています。

3.食べたいものを、ストレスないように

堀琴音選手スペシャルインタビュー

桐村先生:食事面はなにか管理されていますか?

堀選手:ゴルフのパフォーマンスのためにはストレスを感じるのが一番良くないと考えているので、基本的には食べたいものを食べています。朝、昼、夜のどれかを抜く、というようなことはほとんどしないですね。

桐村先生:食事制限はされていないということですね。

堀選手:ごはんの時くらいはストレスを感じたくないなーというのがあって(笑)

桐村先生:試合の最中はどんな食事をされるんでしょうか?

堀選手:試合の時は食べる時間があまりとれません。バナナや、旬の果物。あとはおにぎりが多いですね。おにぎりが無い時にはプロテインバーを食べることもあります。
あとは、ラスト3ホールくらいのときにチョコレートを食べることもあります。森永のサポートをうけているので、ウィダーインゼリーを飲みますね。

桐村先生:栄養指導ではどのようなことを注意されていますか?

堀選手:ゴルフはラウンドが始まれば5時間動きっぱなしで、とにかく消耗するスポーツなのでなるべくしっかり食べるように言われています。パフォーマンスの安定のために体重の変動があまり無いように、ということを重要視しているので、果物だけではダメで、おにぎりを食べなさい、おにぎりが無ければウィダーインゼリーを飲みなさいというようなことは注意されています。

桐村先生:ゴルファーに過度のダイエットは不要ですよね。

堀選手:そうですね。私の場合はこのくらいの体重が丁度良いというのがわかってきたので、それをなるべく維持するように心がけています。最近は大きな変動が無い状態が維持できていたのですが、今シーズン終盤、気付いたらベストな体重よりも1~2kg減っていて、その時は少し成績も落ちました。なんか調子悪いなーと思ったら体重が落ちていて、体重を戻したら調子も戻ってきて、やはり連動しているなーと感じました。

桐村先生:トレーニングはどうですか?

堀選手:シーズン中は週に1回トレーナーの指導で続けています。トレーニング量に合わせてトレーニング後にプロテインを飲んだり、タンパク量の多い食事を心がけたりはしています。

桐村先生:筋肉量も気にされていますか?

堀選手:一般の女性に比べたらカラダも大きいと思いますし、その分は筋肉もあるかもしれませんがトレーナーからは、筋肉だけでなく、脂肪も両方ある程度維持しなくていけないと指導されています。私の感じるところでは、特にシーズン中にダイエットしてる人は成績が良くないという感じですね。

桐村先生:ご自身のパフォーマンスに最適な体重を認識できていることは重要ですね。その上で、食事を楽しみながら適切な栄養素も補給できたらさらにパフォーマンスが上がりそうですね。

4.堀選手の“お酒”事情

ビール

桐村先生:お酒はどうですか? 飲まれますか?

堀選手:まぁ、たしなむ程度です(笑)

(ここで、横で聞いていたマネージャーさんに、「ですよね?」とお尋ねされ、マネージャーさんが笑って、「そうかな?」とお答えしておりました(笑))

堀選手:去年はコロナ自粛で全く無かったんですが、毎年シーズンオフにある会食が今年は全て開催されていますので、最近はお酒を飲む機会が多いですね。でも進んでどんどん飲むというよりは、周りの人に合わせて飲むタイプだと思います。

桐村先生:たしなむ程度は良いですよね。私ごとですが、実はお酒に強すぎて、調子に乗ってかなり飲んでたら許容量を超えたらしく肝臓の代謝が悪くなってしまったので最近はたしなむ程度です(苦笑)。お酒は肝臓で代謝されますが、肝臓の疲労をためないという意味でも、アルコールの摂取量は気を付けたいですよね。肝臓疲労は肉体疲労にもつながるので。

堀選手:どんなお酒を選ぶのが良いですか? 最近はビールも飲めるようになってきたのですが。

桐村先生:ビールや日本酒は糖質とアルコールを一緒に摂るものですので、どうしても内臓脂肪の蓄積に繋がりますよね。アルコール自体のカロリーは1グラムあたり約7キロカロリーです。エンプティカロリーと言ってカロリーはあるけど栄養価は無いという典型的なものなのですが、糖質が含まれるものだと、余計に、飲み過ぎるのは良くないですね。どんな種類であってもアルコールの全体量として1日平均20グラムくらいを目途にされるのが良いと思います。ビールだと中瓶1本程度にあたりますね。

堀選手:糖質を含まないものですか。ビールは避けた方が良いかな?

桐村先生:アルコールの全体量を気を付けられるのが良いと思うので、ビールも多少は良いと思いますが、焼酎とかウイスキーなどの蒸留酒の方が糖質を含まない分ヘルシーですかね。ただし、アルコール量が多くなってしまうとヘルシーとは言えませんが。

堀選手:会食の席だと、「何がお好きですか?」って聞かれて、先方にご注文いただくことがあるので、そういう時これからは「薄めのハイボールでお願いします」って答えるようにします(笑)

桐村先生:先ほどお話ししたように、アルコールの代謝は肝臓が関係します。アルコールが代謝されるというところにも、何度も登場しているミネラルが使われてしまうんですね。そういう意味でも、疲労をためない身体づくりを意識するなら、やはりお酒の量というところは注意していかれるのが良いと思います。

第2回はここまでです。
次回は、堀選手がどのようにご自身をモチベートしているのか、といったメンタル面のお話をメインに、女性同士で盛り上がった、ヘルスケア以外のこぼれ話までをお伝えしたいと思います。 次回もお楽しみに!

3回目はこちら▼

女子プロゴルフ堀 琴音選手×桐村 里紗医師スペシャル対談Vol.3 「泥臭く、がむしゃらに」

https://wellmethod.jp/special-talk-hori-kotone-vol3/

1回目はこちら▼

2021ツアー初優勝の女子プロゴルフ・堀 琴音選手×医師・桐村里紗対談Vol.1|美容編

https://wellmethod.jp/special-talk-hori-kotone-vol1/

この記事の執筆は 栗本 雅子

【メノポーズカウンセラー/WELLMETHOD/エディター/ライター】栗本 雅子
メノポーズカウンセラー

栗本 雅子

【WELLMETHOD/エディター/ライター】

1978年生まれのB型。
ヘルスケア業界に15年従事したのち、2018年11月より現職(株式会社ダイセル)の新規事業であるヘルスケア部門に配属、WELLMETHODを立ち上げる。
役に立つことしか伝えないをモットーに、言葉にこだわったマーケティング活動を展開中。家族は猫7匹(ほぼ保護猫)と夫1人。

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