こんにちは。
医師で予防医療スペシャリストの桐村里紗です。

年柄年中カレーを食べ続けているスパイス好きの私ですが、夏はカレーのホットシーズン!
食欲のなくなった弱った胃腸に、うなぎも良いですが、やはり魅惑的なのはカレーです。

と言っても、市販のルーを使ったカレーは不健康。
ルーの半分は、酸化・劣化した油脂だと思ってください。
酸化しやすいオメガ6系脂肪酸、悪魔の油と呼ばれるトランス脂肪酸、動物性脂肪である飽和脂肪酸がたっぷり。
それにご飯とくれば、メタボな食べ物です。

スパイスから作る本格カレーは、むしろ「薬膳」です。
と言っても、全く難しくありません。

ただ、炒めて煮込むだけで、家族から「家でこんなに本格的なスパイスカレーが食べられるなんて!」と尊敬を集めるでしょう。

1.本格スパイスカレーのレシピと効果

食欲のない夏もこれでバッチリ乗り切る、本格スパイスカレーのレシピと共に、スパイスの効果効能もお伝えしましょう。
元々、インド伝統医学アーユルヴェーダで使われているスパイスは、カレーパウダーに含まれています。

1-1.カレー粉のスパイスの種類と効果

カレーに使われる主なスパイスの種類と効果についてご紹介しましょう。

1.ターメリック

ターメリック

カレーの黄色はターメリックの色です。
胆汁分泌を促し、肝機能を改善します。
夏の弱った消化機能の改善にぴったりです。
その他、抗炎症作用、鎮痛作用、殺菌作用があります。

2.唐辛子

ご存知の通り辛みの素です。
カプサイシンには、代謝を上げる働きのほか高い抗酸化作用があります。
消化液を分泌し、食欲促進、老化を予防するなどの働きもあります。
刺激が強いので、胃腸の粘膜が弱っているときには控えめに。

カレー粉(ミックスパウダー)は、辛さが選べるものもありますし、辛さのレベルがないメーカーのものはそもそもがそこまで辛くありません。
辛味を増したい場合には、唐辛子パウダーを追加することをお勧めします。

3.生姜

生姜

高い抗酸化作用に加えて、加熱すると温め効果抜群です。
健胃作用、発汗作用などもあり、風邪の予防にも。

4.ペッパー

ブラックペッパーの方が風味が強く、完熟したレッドペッパーは辛味が弱い。
健胃作用、ガスの排泄など胃腸機能を改善。さらに発汗を促進し、熱をとる。

5.クミン

クミン

代表的なのは、クミンです。インド料理にはよく使われています。
独特の香りがあり、辛みはありません。
クミンは食欲増進作用や消化促進作用があります。
単独でスパイスを買っておくと、サラダやスープなど何にでも活用できます。

6.コリアンダー

コリアンダー

パクチー(香草)のことで独特の香りをもち、葉やシードを使います。
消化を助け、食欲増進作用があります。
鎮痛作用、発汗作用もあります。

7.フェンネル

フェンネル

セリ科で、草全体から独特の甘い香りを放ちます。
食後の口臭消しとして、インド料理屋に置いてあることも。
健胃作用、鎮痛作用、血液循環促進作用など。

8.クローブ

クローブ

漢方薬にも使われ、丁子(チョウジ)とも言われる。
オイゲノールというファイトケミカルに高い抗酸化症がある。
消化機能を促進し、健胃作用、整腸作用がある。
肉と相性がよく、肉の臭み消しにも使われる。

9.カルダモン

カルダモン

香りが高く、デザートやお茶などの香り付にも使われる。
防腐作用や滋養強壮作用、消臭作用がある。

10.ナツメグ

ナツメグ

香りはマイルドで、消臭作用がある。
腸のガスを防ぎ、健胃作用、整腸作用、食欲促進作用がある。
不眠にも効果があるとされる。

11.シナモン

甘い香りを持つスパイスで、万能薬とされる。
発汗作用、解熱鎮痛作用、健胃作用、抗菌作用の他に、血糖値を下げる働きがあるとされる。高い抗酸化作用があり、老化予防にも効果的。

12.陳皮

陳皮

柑橘類の皮で、漢方薬としても使用される。
健胃作用がある。
胃の弱い人の食欲の回復にも使われる。

13.ローリエ(月桂樹)

ローリエ

煮込み料理によく使われる葉っぱ。
健胃作用、整腸作用、鎮痛作用がある。

その他にも数十種類のスパイスが使われるのが本場のカレーですが、代表的なものを挙げてみました。

総じて、抗酸化作用があり、胃腸の機能を改善することが知られています。

1-2.カレー粉は色々試す

カレーパウダー

カレー粉(カレーパウダー)は、一般的なスーパーマーケットにも最低でも1種類はあります。
輸入食品店に足を運ぶと、珍しいメーカーのカレー粉に出会うことができます。

各メーカーで使うスパイスの量や種類、ブレンドが違うため、好きなカレー粉に出会うまで、色々試してみると良いでしょう。
辛さも、マイルドからホットまで選べるメーカーから、1種類だけのメーカーがあります。

大抵、激辛好きには唐辛子が足りずに物足りないはずですから、唐辛子は別に買い足しておきましょう。

ちなみに、「ガラムマサラ」というミックススパイスもあります。
こちらは、インドが発祥の本格的なミックススパイスです。複数の高い香りや辛味を持つスパイスがブレンドされており、ターメリックは入っていません。

一方で、カレー粉は、インド発祥ではなく、インドからスパイスを持ち帰ったイギリス人がイギリスで開発したミックススパイスです。こちらにはターメリックが入っています。

ガラムマサラをカレーの香りづけに使うと、本格的な風味を楽しむことができます。
コリアンダー・クミン・クローブ・ブラックペッパー・シナモンなどをベースに、香りが高いナツメグ・ローレル・フェンネルなどが加えられています。

カレーを作る際に、最後の香り付にいれるため、1瓶もっておくと良いですよ。

2.本格スパイスキーマカレーの簡単レシピ

スパイスカレーのレシピ

こちらは、豚挽肉のキーマカレー

レンズ豆のスパイスカレー

こちらは、ほぼ同じレシピですが、挽肉をレンズ豆にした、ダルカレーです。

周りには、インドのお漬物であるアチャールを添えています。
少し油と一緒にクミンシードを炒めて、そこに酢と少々の塩とデーツシロップ(蜂蜜などでも可)を加えたら出来上がりです。

2-1.材料:6杯分程度

スパイスカレーの材料

ひき肉:200g〜400g
(豆カレーの場合 レンズ豆100gを15分程度浸水し、膨らんだら使用する)
玉ねぎ:大1個 
トマト:大1個
セロリ:1本
ピーマン:2つ程度 (パプリカ:1つでもOK)
にんじん:大1本
きのこ:みじん切りするなら、えのき茸1束がお勧め
ニラ:お好きなら 半束程度
生姜:1かけら
ニンニク:3かけら
カレー粉:大さじ3
レッドペッパー(唐辛子の粉):お好みで
クミンシード:小さじ1 あれば
コリアンダーシード:小さじ1 あれば
ガラムマサラ:大さじ1 
塩麹:塩加減によるが大さじ1〜2 
(なければ、自然海塩1つまみ+味噌大さじ1)

2-2.レシピ

1.野菜類はみじん切りにする
2.煮込み用の鍋(無水鍋やホーロー鍋など密閉性の良い厚手の鍋が良い)に玉ねぎを入れ、飴色になるまで炒め、取り出す
3.鍋に米油を熱し、みじん切りにしたニンニクと生姜を炒める。あれば、クミンシード、コリアンダーシードも入れる。
4.肉を加えて炒める
5.にんじん、ピーマン、セロリを順番に入れて炒める
6.火がある程度通ったら、玉ねぎを戻し、カレー粉を加えて炒める
7.きのことトマトを入れ、蓋をする
8.野菜の水分で10分ほど煮る
9.塩麹を加えて味を整える
 なければ、自然海塩1つまみ+味噌大さじ1でも深みが出る
10.ニラがある場合は、ここで加える
11.さらにガラムマサラがあれば、加える
12.ニラに火が通るまで一煮立ちさせる
出来上がり

肉の代わりにレンズ豆を使用する場合は、水に浸水し膨らんだものを使用する。
皮付きは15分弱。皮なしは、5分から10分程度と茹で時間が少ないため注意。
8.のあと、下茹でしたレンズ豆を加えて、味を整える。

2-3.ポイント

スパイス

煮込む時間も短時間で、手間はありません。

スパイスさえあれば、冷蔵庫にある野菜で簡単にアレンジできます。
玉ねぎは甘みと深みのために必須ですが、あとはご自分の好きな野菜や果物などを使って自由に調理してみてください。
マイルドさが欲しい場合は、ココナッツミルクを加えても。

酸味が出たよくつかった糠漬けを添えても、カレーと相性抜群です。

この記事の執筆は 医師 桐村里紗先生

【医師/総合監修医】桐村 里紗
医師

桐村 里紗

総合監修医

内科医・認定産業医
tenrai株式会社代表取締役医師
日本内科学会・日本糖尿病学会・日本抗加齢医学会所属

愛媛大学医学部医学科卒。
皮膚科、糖尿病代謝内分泌科を経て、生活習慣病から在宅医療、分子整合栄養療法やバイオロジカル医療、常在細菌学などを用いた予防医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。
監修した企業での健康プロジェクトは、第1回健康科学ビジネスベストセレクションズ受賞(健康科学ビジネス推進機構)。
現在は、執筆、メディア、講演活動などでヘルスケア情報発信やプロダクト監修を行っている。
フジテレビ「ホンマでっか!?TV」には腸内環境評論家として出演。その他「とくダネ!」などメディア出演多数。

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著作・監修一覧

  • ・新刊『腸と森の「土」を育てるーー微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)
  • ・『日本人はなぜ臭いと言われるのか~体臭と口臭の科学』(光文社新書)
  • ・「美女のステージ」 (光文社・美人時間ブック)
  • ・「30代からのシンプル・ダイエット」(マガジンハウス)
  • ・「解抗免力」(講談社)
  • ・「冷え性ガールのあたため毎日」(泰文堂)

ほか