ほうれい線を消したい…たるんだお顔を引き上げる表情筋エクササイズ
こんにちは、WELLMETHODライターの廣江です。
最近テレビや雑誌を見ていて、気がついたことがあります。
以前は20代の女優さんやモデルさんを見て、「かわいいな」「自分も昔は若かったのにな」と思っていました。
しかし、最近は40代・50代の女優さんを見て「かっこいいな」「こんな風になりたいな」と思うことが増えたのです。
確かに40歳を過ぎると、ほうれい線など気になることはたくさんあります。
できれば、ほうれい線を消したいというのが正直な気持ちです。
しかし、テレビや雑誌で活躍している40代の女優さんでも、ほうれい線があったり、目尻にシワがあったりしても、内面から出る美しさに心が惹きつけられることが多くなりました。
それはきっと、「今の私」に向き合い、「今の私」を愛しているからなのだと思います。
加齢現象によるお肌の変化を受け入れた上で、「こうなりたいな」「さらに美しい自分に成長したい」と“いまの私を更新”し続けることが大切なのではないかと感じています。
そこで今回は、気になるほうれい線の対処法と、上手に年齢を重ねていくための秘訣についてご紹介していきます。
目次
1.ほうれい線ができる原因とは?
年齢を重ねるとできるほうれい線。ほうれい線があるだけで、なんだか老けた印象になってしまいますよね。
できれば消したいと思う女性の方も多いと思います。
では、なぜほうれい線はできてしまうのか、その原因をみていきましょう。
1-1.真皮のコラーゲンの劣化や減少
皮膚は、表皮、真皮、皮下組織の3層に分類することができます。年齢を重ねると真皮を支えているコラーゲンやエラスチンが減少してしまいます。
コラーゲンは繊維状のタンパク質であり、その繊維をつなぐジョイント部分にエラスチンが存在します。
弾性と伸縮性に優れた肌は、この2つが網目状に張り巡らされている状態であるのです。
一方、コラーゲンやエラスチンが減少することで真皮を支える力が弱まり、肌表面にたるみが生じてしまいます。
真皮の衰えは加齢だけが原因ではありません。加齢以外にも、紫外線や乾燥もコラーゲンやエラスチンを減らす要因となります。
1-2.表情筋の委縮
ほうれい線と密接な関係にあるのが表情筋です。そのなかでも、特に口の周辺にある口輪筋(こうりんきん)が萎縮し衰えてしまうとたるみが発生し、ほうれい線ができてしまいます。
表情筋が萎縮したり衰えたりする原因のひとつとして、いつも同じ表情をしていることがあげられます。
1-3.脂肪組織の構造の劣化
40代を過ぎると段々体重が増えてしまう方もいらっしゃると思います。しかし、体重が増えたからといって、無理なダイエットをするとリバウンドをしてしまうことも。
太ったり、痩せたりを繰り返すほどシワやたるみが多くなるといわれています。
ダイエットをすると、体だけではなく顔の脂肪組織も減少する一方で、伸びた皮膚が弾力を失い、戻らなくなるとたるみの原因になります。このような影響を受けるため、ほうれい線ができやすくなってしまうのです。体重の大きな変化を避け、シワやたるみのリスクを低減していきましょう。
2.原因別にみるほうれい線を消す方法
ほうれい線ができる主な原因を3つに分けてご紹介しました。今回はそのなかの2つ、「真皮のコラーゲンの劣化や減少」と「表情筋の萎縮」が原因でできてしまうほうれい線を軽減する方法についてご紹介します。
2-1.コラーゲンの合成を促す栄養素を摂取する
コラーゲンを謳う商品をよく目にしますが、外用や内服による効果は科学的に実証されていません。とはいえ、コラーゲンと老化は密接に関係しています。
コラーゲンはタンパク質でできているので、口から摂取しても胃で分解されてしまい、コラーゲンとしての機能は失われてしまいます。
そこで意識すべきことは、コラーゲンを直接摂取するのではなく、「体内でコラーゲンの合成をサポートする栄養素を摂取する」ということです。
それには、コラーゲンの原材料となる良質なタンパク質と、コラーゲンの合成をサポートする酵素には、補酵素と補因子として、ビタミンCと鉄が不可欠です。
これらを意識的に摂取することで体の内側からの美を目指しましょう。
2-2.表情筋をほぐすエクササイズ
エクササイズによって、表情筋を刺激し萎縮して硬くなった筋肉をほぐしてあげることで、徐々にほうれい線が解消されていきます。
エクササイズは、毎日続けることがとても大切です。
毎日続けるためには、色々なことに挑戦するよりも短時間で簡単にできるエクササイズが効果的です。
2-2-1.目と舌まわしエクササイズ
目と舌まわしエクササイズは、皮膚表面からほうれい線にアプローチするのではなく、口の中から舌を使って口輪筋を刺激することで血流を良くします。
また同時に目も回すことで、口輪筋とつながっている目の周りにある眼輪筋(がんりんきん)も鍛えられ、口元や目元のシワを同時に改善することができます。
①姿勢を正して座り、顔を正面に向けます。舌先を上唇と歯茎の間にしっかり入れ、眼球と一緒に舌をゆっくり歯茎に沿うようにして1周させます。時計回り、反対回りをそれぞれ3回、繰り返します。
②舌を1周させる際に口角の斜め上にあたる場所を舌先で、口の中から3秒押します。
口角の斜め上にあたる場所は、唇を時計と見立て場合に2時と10時の方向にあたります。この2つの場所は筋肉のつなぎ目で血流が悪くなりがちなため、ピンポイントで刺激を与えることで血流の改善を促すことができます。
③両方の手で耳の下のあたりから首の前側をさすります。舌を動かし続けると、首の筋肉にまで負荷がかかり、疲れを感じてしまうため、力を入れず優しく数回、首をさすりクールダウンしましょう。
2-2-2.リガメントほぐし
リガメントとは靭帯のことです。靭帯には、筋肉や脂肪、皮膚を引き上げて骨に固定する役割があります。加齢によりリガメントが弾力を失い硬くなってくると、皮膚などを引き上げる力が弱くなり、肌がたるんでしまいます。
リガメントほぐしは、頬骨のリガメントを親指で押し上げるだけの簡単エクササイズです。1日合計2分行うだけで良いので続けやすいですよ。
①小鼻の横(頬骨の下のあたり)からスタートし、親指で斜め上方向に押します。
②頬骨に沿って、外側に少しずつ親指を移動させながら押し上げていき、頬骨のへこみの上端あたりまで押していきます。
押すときのポイントは、頬骨の下に親指をもぐりこませるように斜め上に押し上げ、1箇所につき3秒を目安に、痛い気持ちいいくらいの力で押していきましょう。
③1日合計2分間、繰り返し行います。
3.ほうれい線が深くならないために気を付けたいことは2つ
ほうれい線を消すための方法についてご紹介しましたが、それ以外にもほうれい線を消すために気を付けたいことが2つあります。
3-1.横向きで寝る
横向きで寝る方は、要注意です。片側の頬に枕をあてて寝ると、頭の重みでほうれい線が深くなってしまいます。
ほうれい線が気になる方は、仰向けの姿勢で寝るように心がけましょう。
3-2.片側で噛むクセがある
食事の際、いつも同じ側で物を噛むクセがある方は、顔がゆがんでしまう可能性があります。これは食事だけに限らず、頬杖をつくなど片側に負荷をかけるクセがある場合も同様です。
食事をする際はなるべく両側で噛むように意識してみると良いでしょう。
4.ほうれい線は、笑顔が魅力的な証
鏡を見るたびに気になるほうれい線は、女性にとってありがたいものではありませんよね。
しかし、「年齢を重ねてもキレイでいたい」というその気持ちは、とても大切でステキなことです。
ほうれい線は年齢を重ねるごとに気になる箇所ですが、10代や20代の若い女性でも笑っているとほうれい線と同じ場所にシワがよりますよね。
40代、50代でほうれい線が目立つということは、これまでの生活の中でよく笑っていたといえるのではないかと思います。笑顔が魅力的な女性の証ではないでしょうか。
年齢を重ねても美しい女性は、見た目の美しさだけではなく、内面の美しさが外見にも表れているのだと思います。
冒頭でもお話した年齢を重ねた女優さんが、若い女優さんよりも魅力的に見えるのは、きっとこれまで歩んできた人生やその方の価値観や充実した生活などが、「美しさ」として表現されているからではないでしょうか。
40代、50代は女性としてさらに深みを増す年代。
「今の私」にしか表現できない魅力があるはずです。
ほうれい線を消すことは諦めませんが、うまく付き合っていくこともステキだと思います。
https://wellmethod.jp/drlisa_vol04/
5.「今の私」を楽しみながら、「将来の私」を大切に
筆者はつい最近まで、年齢を重ねることに抵抗がありました。
いつまでも若くいたいなと思っていました。
しかし、いくら若いままでいたいと思っても、時は戻ってくれません。
ほうれい線ができても、老けたと言われても、「今の私」が一番若いのです。
「将来の私」のために、今できることを楽しむことが大切ではないでしょうか。
その上で、ほうれい線を薄くしたり、気になることを改善していくその過程を楽しんでいきたいと思います。
人生100年時代! 私たちはまだ折り返し地点にやっとたどり着いたばかりです。
これからもステキな毎日を送るために、「今の私」を思う存分、笑顔で楽しんでみませんか?
この記事の監修は 医師 桐村里紗先生

桐村 里紗
総合監修医
・内科医・認定産業医
・tenrai株式会社代表取締役医師
・東京大学大学院工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻 道徳感情数理工学講座 共同研究員
・日本内科学会・日本糖尿病学会・日本抗加齢医学会所属
愛媛大学医学部医学科卒。
皮膚科、糖尿病代謝内分泌科を経て、生活習慣病から在宅医療、分子整合栄養療法やバイオロジカル医療、常在細菌学などを用いた予防医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。
監修した企業での健康プロジェクトは、第1回健康科学ビジネスベストセレクションズ受賞(健康科学ビジネス推進機構)。
現在は、執筆、メディア、講演活動などでヘルスケア情報発信やプロダクト監修を行っている。
フジテレビ「ホンマでっか!?TV」には腸内環境評論家として出演。その他「とくダネ!」などメディア出演多数。
- 新刊『腸と森の「土」を育てるーー微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)』
- tenrai株式会社
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著作・監修一覧
- ・新刊『腸と森の「土」を育てるーー微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)
- ・『日本人はなぜ臭いと言われるのか~体臭と口臭の科学』(光文社新書)
- ・「美女のステージ」 (光文社・美人時間ブック)
- ・「30代からのシンプル・ダイエット」(マガジンハウス)
- ・「解抗免力」(講談社)
- ・「冷え性ガールのあたため毎日」(泰文堂)
ほか