こんにちは。WELLMETHODライターの廣江です。

今、この記事をスマホで読んでいる読者の皆さま。

「最近、首や肩凝りがひどい」「目が疲れる」「頭が重い」なんて感じることはありませんか?

肩や首こりがひどいと、普段の調子が出づらく何となく気持ちも下がり気味になりますよね。

もし、症状がスマホやパソコンを使用した後にひどくなるようであれば、それは「スマホ首」が原因かもしれません。

スマホが普及した今、現代病の一つとして言われている「スマホ首」ですが、一体原因はどこにあるのでしょうか。

今回はその「スマホ首」について、原因から自己テストの方法、スマホ首を解消するためのカンタン体操などについてご紹介します。

1.スマホ首とは?

スマホを使う女性

スマホ首とは「スマートフォンの使いすぎで、首の骨が一直線に伸びた状態」の俗称で、「ストレートネック」とも呼ばれています。

人の頭は、7つの首の骨で構成された「頸椎(けいつい)」が支えています。もともと頸椎はゆるやかな湾曲(わんきょく)を描いていますが、頭を前に出すような崩れた体勢を長時間行うことで、頸椎はゆるやかな湾曲から一直線に伸びたスマホ首の状態(ストレートネック)になることがあります。

一直線に伸びたストレートネックは、頸椎の頭を支えるためのクッション機能が失われ、頭の重みをダイレクトに受けなくてはならない上に、頭の重心が前にずれた影響で、頭からの負荷が正常な状態の約4倍以上かかるといわれています。

頭の重みは、体重の10%ほどと言われていて、50kgの女性であれば、約5kgとなります。
5kg分のお米の入った袋を頭に乗せて一日歩き続けると考えてみると、頭を不自然な状態で支えることがどれほど頚椎に負担をかけているかが想像できます。

1-1.ストレートネックになる原因

1-1-1.長時間の無理な姿勢

一番の要因は「スマートフォンやPCなどを使用する際に、長い時間にわたり無理な姿勢をとり続けたこと」です。

特にオフィスなどでデスクワークをしている方は長い時間同じ体勢をとることが増えますが、その結果身体に大きな負担を与え、スマホ首(ストレートネック)につながりやすくなるといわれています。

スマホ首の女性

1-1-2.高すぎる枕

高さがある枕を利用していることもストレートネックの悪化を助長する要因の一つです。高さのある枕は、頸椎の圧迫を助長し、首や肩に大きな負荷がかかります。

そのため、首周りの筋肉が緊張し、首や肩の凝りが生じやすくなります。 

また、ストレートネックは男性よりも筋力が弱い女性や子どもに比較的起こりやすいといわれています。

1-2.ストレートネックが引き起こす身体への影響

1-2-1.肩こり・首こり

スマホ首は首の周りの筋肉が常にひっぱられることで緊張状態が生まれ、肩こりや首こりが生じやすくなります。

スマホ首の症状が悪化している場合は軽く咳をするだけでも首に痛みが生じることがあります。

肩こりに悩む女性

1-2-2.頭痛、吐き気、めまい、精神面への影響

首の頸椎近くには、脳と全身をつなぐ様々な神経が走っています。

これら神経系に影響が及ぶと、手足のしびれなどの問題だけでなく、吐き気や頭痛、さらには、めまいや眠りが浅いなど自律神経失調症のような症状が現れることがあります。

さらにうつむきがちな姿勢は、気持ちも沈みがちになる、イライラする、など精神的な面においても影響を及ぼすことがあります。

1-2-3.シワやたるみの原因

人の身体は薄い1枚の筋膜で全身を包み込んでいます。

そのため首の周りの筋力が緊張状態となり血流が滞ると、頭皮やおでこも筋膜を通し硬くなり、無理に顔の筋肉を動かすことでシワやたるみの原因になることがあります。

1-2-4.腰痛の原因

さらに、一つにつながる筋膜が首で引っ張られると、腰の筋膜にも引き連れが起こることになり、腰痛にも繋がります。
また、頚椎から胸椎、腰椎までの脊椎は一連としてバランスを取っていますので、首でひずみが起こるとバランスを取るために腰にも負担がかかります。

2.あなたはスマホ首? 簡単自己テスト法

本来、スマホ首かどうかはレントゲンを撮ってみないと断定できません。しかし、スマホ首の傾向があるかどうかご自身で確認することはできます。今回は簡単な自己テスト方法についてご紹介しますので、ぜひ試してみてください。

手順1)壁に背を向けてまっすぐ立ちます
手順2)「かかと」→「おしり」→「肩甲骨」の順に壁につけます

スマホ首になっている状態正常な首
▲ストレートネックのチェック法。左側がスマホ首になっている状態で、右側が正常な状態

 

この時、ご自身の後頭部と壁の間にすきまがどれだけあるのか、以下1~3から近いものを選んでください

1.頭と壁が隙間なくぴったりくっついている…問題ありません。スマホ首の可能性は低いです

2.頭と壁の間にわずかに隙間があいている程度。少し力をいれると壁につく…今後スマホ首になる可能性があります

3.頭が壁につかないが、力をいれると何とか壁につくorつかない…スマホ首の可能性があります。つかない方は症状が悪化している可能性も。

3.スマホ首を解消するためのカンタン体操

スマホ首を解消するためには、専門の施設にいって矯正してもらうのも一つですが、日ごろなかなか時間がとれない方もいらっしゃるかと思います。

そんな方のために、ここではスマホ首の改善に効果的なカンタン体操をいくつかご紹介します。

3-1.あご押し体操

1.姿勢を正し、目線を正面に向けあごを引きます

2.身体の位置は動かさず、頭とあごを軽く前に出しましょう。

あご押し体操

3.あご先に手を軽く当てて、そのままあごを後方へ押し戻します。
1〜3を3回繰り返します。

あご押し体操

 

このときあごをしっかり押し戻すことがポイントです。
しかし、普段首のストレッチをしない方が突然伸ばしたり緩めたりを繰り返すのは、返って筋を痛めてしまうなどの危険性がありますので、気持ちが良いと感じる箇所にとどめながら伸び縮みの動作をしましょう。

あご押し体操は、頸椎関節を緩ませ本来の首のゆるやかなカーブに戻すストレッチです。一回に何度も繰り返し行うよりも、一日の空いた時間にこまめに行うとより効果的です。

3-2.首の可動域を広げよう体操

スマホ首になると首周辺の筋力が凝り固まるため、血流が滞ってしまいがちです。そのため首の可動域を広げて首周辺の筋力をほぐしてあげることも大切です。

3-2-1.首の前屈・後屈

1.背筋を伸ばし、両手を組んで頭の後ろにおきます。
そのまま、あご先を鎖骨の中央部に近づけるようにゆるやかに頭を下げていきます。
気持ちよいと感じるところまで頭を下げた後、そのまま5秒間静止します。その後元に戻します。
この時、腰が後ろに反らないよう意識してみましょう。この動作を3回繰り返します。

前屈運動

 

2.次に、あごの下で両手を組み、あごをゆるやかに押し上げて首を後ろ方向に倒していきましょう。
この時、苦しくなる又はしびれを感じるなど異常を感じる時はすぐにストップしてください。
同じように気持ちがよいと思うところまで首を倒した後、5秒間静止します。その後元に戻します。
この時も腰が反りすぎないように意識します。これを3回繰り返します。

後屈運動

3-2-2.首の側屈

1.背筋を伸ばし、あごを引きます。

2.肩の力を抜き、頭を真横にしてゆっくり倒していきます。
この時、呼吸をとめないように行いましょう。
気持ちいいと感じられるところで止まり5秒間静止します。その後元に戻します。
反対側も同様に行います。この動作を左と右3回ずつ行いましょう。
首を倒すときは耳に肩をつけるようにゆっくりと行いましょう。
肩は持ち上がらないように意識してください。

側屈運動

3-2-3.首の回旋

1.背筋を伸ばし、あごを引きます。

2.両肩が浮かないように意識しながら首を後ろ側にゆっくりと倒します。この時、あご先は軽く上側に向けます。

3.首を後ろ側に倒した状態から、ゆっくり右側(左側)に倒していきます。
この時あご先は倒す側とは反対方向の左側(右側)上に向けます。
気持ちいいと感じるところで5秒間静止した後ゆっくり元に戻します。反対側も同様に行います。

回旋運動

4.スマホ首にならないための再発予防ポイント

スマホ首の症状が改善されたとしても、根本的な問題が解決しなければ再発を繰り返す可能性があります。そのため、ここでは今後スマホ首にならないためのポイントについてご紹介します。

4-1.スマホ使用時の姿勢を見直しましょう

スマホや携帯電話を使用する際は、画面が下にあるとどうしても頭が前に出やすくなってしまうため、スマホと目線が同じ高さになるよう意識しましょう。

両手でスマホ本体をもつ場合は、両脇をしめて両肘を中心に寄せることで疲れにくくなります。

姿勢良くスマホを見ている女性

また、片手で使用する場合は、スマホを持つ腕に反対側の手やタオルを挟んで支えると疲れにくくなります。

また、長時間同じ姿勢でスマホを触らないように時間をコントロールすることも大切です。すきま時間には、先ほど紹介した体操をこまめに行うなどして身体をほぐしてあげましょう。

4-2.枕の高さを見直しましょう

スマホ首にならないための予防策として、枕の高さを見直しましょう。

まずは、できるだけ高い枕の使用をやめてみましょう。枕の高さは仰向けに寝た時に頸椎のS字カーブが維持できる高さを選ぶことがポイントです。

ただし、低すぎる枕(首のサポート性がないもの)は逆に首に負担がかかってしまうため、注意が必要です。

枕の理想的な高さは、枕と首の間がしっかり密着している状態です。
鼻先から口先までの角度が5度、肩口から頭にかけての角度が10〜15度が理想的です。
枕専門店などで、自分にあった枕を調整してもらうと理想的です。

理想的な寝姿勢理想的な寝姿勢

また、今まで高い枕を使用していて、急に低くすることに抵抗を感じる人は、はじめのうちは低い枕の上にタオルを重ねて高さを調整しましょう。

徐々に高さを低くしていき、最終的には理想の高さに慣らしていきます。

理想的な寝姿勢
理想的な寝姿勢
理想的な寝姿勢
理想的な寝姿勢

5.スマートフォンと上手に付き合いましょう

現代社会において、スマートフォンはもはや他人との連絡手段だけではなく、様々な情報を手に入れるための日常に必要不可決なツールです。

日常生活からスマホを切り離すことは難しい分、これからはどのようにして上手に付き合っていくか、ということが大切になってきます。

「スマートフォンを使いすぎて肩が凝っているなぁ…」「PCの使い過ぎで目が疲れた」など、普段から長時間デスクワークをする方や今回の症状に心当たりがある方がいましたら、今回ご紹介したカンタン体操や予防法を生活に取り入れてみてください。

スマホ首が解消されると、身体の不調が改善される上に首周りの血流がよくなることでシワやたるみ解消の嬉しい効果も期待できます。

これからも生き生きとした、しなやかな身体を手に入れて、充実した毎日を過ごしていきましょう。

監修:内科医 桐村里紗