こんにちは、WELLMETHODライターの和重 景です。

新型コロナウイルスの影響もあり、自分の体と向き合う時間がとても増えました。

体温を測ったり、倦怠感や味覚の異常がないかなど、自分の体をチェックするのが毎日の習慣となっています。

40年以上の人生のなかで、ここまで自分の体に向き合ったことはありませんでした。
体調を整える為に基盤となるのは、「腸内環境を整えること」です。

腸内環境というと、「便秘改善のために必要なこと」と想像される方も多いかと思いますが、それ以外にも良い効果があります。

今回の記事では、いま筆者が注目している、「すぐき」という食品についてご紹介していきます。

すぐきは腸活におすすめの食品ですが、筆者のように「聞いたことがない」「食べたことがない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか?

今回は腸内環境を整える「すぐき」が持つチカラについて一緒に見ていきましょう。

1.腸活に良いとされる「すぐき」とはどのような食品?

すぐきとは、今から400年ほど前の室町時代から京都で栽培されている「京野菜」です。
京都では一般的に知られていますが、京都以外にお住まいの方にはあまり馴染みがないかもしれません。

しかし最近では健康志向の方や腸活を始めている方も多く、すぐきはとても注目されています。

1-1.すぐきってどんな野菜?

すぐき漬け

すぐきは漢字で「酢茎」と書きます。

別名ではスグキナ(すぐき菜)やスイクキ(水茎)、カモナ(加茂菜)と呼ばれることもあります。

見た目は、白くて大根を短くしたような形をしており、長さは20cm程度、葉は肉厚で濃い緑色です。
すぐきは、京都でも生のまま野菜としてスーパーなどで販売されることはほとんどありません。

一般的にすぐきは「すぐき漬け」という漬物にして食べられています。
すぐきは料理の食材として使用することが難しいため、漬物として食べられようになりました。

そのため、京都では生の野菜の状態でも漬物でも「すぐき」と呼ばれて親しまれています。

1-2.すぐきを京都以外で見ないのはなぜ?

京都では馴染みのあるすぐきですが、なぜ京都以外で栽培されないのか不思議ですよね。

すぐきは今から約400年前の桃山時代に、世界遺産としても有名な上賀茂神社の社家(しゃけ)が屋敷の中で栽培したのが始まりといわれています。

その後、江戸時代末頃から上賀茂神社の周辺の農家でも栽培されるようになりましたが、幕府の命令により他の村へすぐきやその種を持ち出すことが禁止されました。

明示維新以降から京都市内ですぐきの栽培は普及しはじましたが、現在でもすぐきの多くは、上賀茂神社周辺で栽培されています。

1-3.すぐき漬けは希少価値が高い

すぐきは、上賀茂から持ち出すことができなかったということからも推測されるように、昔から希少価値の高いものとして扱われていました。

その昔、冬に収穫して自然発酵するまで漬け込んでいたすぐきは、初夏に出来上がっていたため、江戸時代初期から上賀茂の特産漬物として上層階級の人々に「夏日の珍味」として愛されていたようです。

その後、上賀茂社家の間ですぐきを贈ることが慣例となったと社家に残る古文書に記されています。

2.すぐきには乳酸菌がたくさん含まれている

すぐきは生のままではなく、漬物として食べるのが主流です。
それでは、一般的な漬物とすぐきは何が違うのでしょうか?
すぐきの作り方やなぜ腸内環境を整えるのに効果があるのかを詳しく見ていきましょう。

2-1.京都三大漬物「すぐき」とは?

千枚漬け

すぐき漬けは、千枚漬け、しば漬けとならび「京都三大漬物」とよばれています。

京都の冬の味覚として、京都をはじめ全国に多くのファンがおり、最近はテレビや雑誌でも紹介されることが多くなりました。

すぐき漬けは、すぐきを塩のみで漬け込んで作られる酸味が特徴の漬物です。この漬け込む過程で乳酸発酵し、多くの乳酸菌が含まれます。

2-2.ラブレ菌が含まれている

すぐきには、数多くの乳酸菌が含まれています。すぐきを作る室や樽の中に長い間住みついている乳酸菌が混ざり合うことで、すぐき特有の味や風味になります。そのため、作っている家や店それぞれ味に違いがあります。

すぐきに含まれる乳酸菌の中でも特に注目したいのは「ラブレ菌」です。

菌名が名前の一部になっている商品などもあるため、名前を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

実はラブレ菌は、すぐきから発見されたものなんですよ。

2-2-1.ラブレ菌とは?

腹部

ラブレ菌は、植物性乳酸菌の一種です。

ラブレ菌は、自らが作り出すネバネバ成分(細胞外多糖)を身に纏い、人の消化液の消化を免れて、生きたまま腸まで届いて働くことができます。
体の中にあるガン細胞やウイルスに感染した細胞を駆逐する免疫の働きや、これらから体を防御する因子「インターフェロン」や抗体の産生能力を高め、安全で副作用のない免疫力のサポーターとしての可能性があることが研究で明らかになっています。

※Letters in Applied Microbiology:08 October 2014

さらに整腸作用により、下腹部のふくらみを抑える効果があるとテレビなどで紹介されたこともあります。

健康に良いとされるラブレ菌ですが、他の乳酸菌と同じく一度にたくさん摂取しても摂取した分と同等の効果を得ることはできませんので、毎日少しずつ長く摂り続けることをおすすめします。

もちろんすぐきを毎日大量に摂れば良いわけではありません。

人間の体に備わる本来の免疫機能を十分に働かせるためには、バランスのよい食生活を心がけ、少しずつすぐきを食べるようにしましょう。

3.プロバイオティクス、プレバイオティクス、シンバイオティクスの話

似たようなカタカナがたくさん並ぶと、少し難しそうな話に感じるかもしれません。
でも、どれも私たちの腸内環境を整えるためには欠かせないものであり、実はみなさんの身近にあるものです。

腸内環境を整える「腸活」に欠かせない食品と聞くと、みなさんは何を思い浮かべるでしょうか?

納豆、漬物、ヨーグルトなどの発酵食品や海藻類、きのこ類などの食物繊維などをイメージすると思います。

まさにそれらの食品がプロバイオティクスやプレバイオティクスにあたります。
では、腸内環境を整えるにあたり、これらにどのような役割があるのか、またなぜ必要なのかを詳しくご紹介します。

3-1.プロバイオティクス

醤油

有用菌そのものを摂ることができる食品のことをプロバイオティクスといい、主に腸内で生きたまま活躍してくれる有用菌は、ビフィズス菌や乳酸菌、酢酸菌などの有用菌や酵母や麹カビなどがそれにあたります。

プロバイオティクス食品は、日本古来からあるスーパーフードに代表され、漬物や納豆、味噌、醤油、ヨーグルトなどの発酵食品がプロバイオティクスにあたります。

また海外では、セレブの間で流行り、現在ではドラッグストアなどでも販売されているコンブチャは、酢酸菌と酵母で発酵させたもので、プロバイオティクス食品として人気があります。

▼医師がレポートする米国最新腸活トレンド「コンブチャ」とは?

https://wellmethod.jp/synbiotics/

【医師がレポート】米国最新「腸活」トレンド|ヨーグルトだけが腸活じゃない

3-1-1. プロバイオティクス食品を摂るメリット

有用菌で発酵させた発酵食品を摂るメリットは、有用菌そのものを摂取できるという点だけではありません。
発酵食品の発酵過程で、有用菌が分泌した有機酸を取り入れられる点もメリットといえます。

しかし、有用菌の多くは、胃酸によって殺菌されてしまい、生きたまま腸まで届くことができません。

ただ、死菌であっても、腸に入ることで仲間の腸内細菌のエサになるので有効といえますので(詳しくは3-2章にて解説していきます)、プロバイオティクス食品を日常的に摂ることを心がけましょう。

3-2.プレバイオティクス

腸内細菌

プレバイオティクスは、腸内の有用菌のエサとなり、培養することができる食品のことを言います。

腸活の代名詞とも言える食物繊維やオリゴ糖、難消化性デンプン(レジスタントスターチ)がプレバイオティクスです。

腸活と聞くと、有用菌を摂取することに注目されがちですが、健康な人が自分の腸内に定着する有用菌を育てるには、プロバイオティクスよりもプレバイオティクスを優先することをおすすめします。

なぜなら、自分の腸内に定着することができる常在細菌の種類は幼稚園児頃までに決まってしまう為、サプリメントや発酵食品で摂取しても、自分の常在細菌と違う種類であれば定着しないからです。

それでも、プロバイオティクスの食品を摂取すると、数日間は腸の中を通過する過程で、有用菌である常在細菌と連携する形で効果を発揮するので、発酵食品などを食べることは十分メリットといえます。

抗生物質を摂ったり、ストレスがかかったりして腸内環境が乱れた際には、プロバイオティクスを強化することが腸内環境を早く戻す助けになります。

しかし、一番に優先すべきは、まずは自分の常在細菌の中の有用菌を元気にすること。

食物繊維やオリゴ糖は有用菌のエサとなり、有機酸という腸内を弱酸性に保つ酸を分泌します。弱酸性であることが腸内の健康を保つ秘訣なので、積極的に摂取していきましょう。

そうすることで、腸内の有用菌を「善玉」に働くバランスに変えていくことができます。

有機酸についての詳しい解説はこちらをご参照ください。

▼医師が解説する「弱酸性」を保つことが健康の秘訣

https://wellmethod.jp/intestinal_environment/

【医師が解説】肌だけじゃない! 腸内環境も発酵食品も「弱酸性」が健康の秘訣

ちなみに、プレバイオティクスである食物繊維は非水溶性食物繊維と水溶性食物繊維の2種類に分けることができます。

3-2-1.非水溶性(難溶性)食物繊維

ごぼう

非水溶性食物繊維は、便秘がちな人には必須の栄養素です。
腸内細菌を育てる寝床の役割をします。

非水溶性食物繊維が多く含まれる食品は以下のものです。

・豆類
・野菜類(ごぼうなど)
・穀類(未精製のものに多く含まれる)
・微細藻類(クロレラ・スピルリナなど)

3-2-2.水溶性食物繊維

りんご

水溶性食物繊維は、体内で消化・吸収されず大腸まで届き、有用菌の大好きなエサとなります。
この水溶性食物繊維を食べた有用菌が分泌するのが、先ほどお話した短鎖脂肪酸です。

水溶性食物繊維が多く含まれる食品は、毎日の食事に取り入れやすいものが多いです。

・果物(特にりんごやプルーン、柑橘類)
・海藻類
・野菜類(キャベツや大根など)
・穀類
・豆類
・芋類

3-3.腸内環境を改善するシンバイオティクス

サラダボウル

プロバイオティクスとプレバイオティクスを一緒に摂取することをシンバイオティクスといいます。健康的な腸内環境を整えるためには、プロバイオティクスとプレバイオティクスの両方を意識し、日々の食生活を見直す必要があります。

4.腸活の重要性

年齢を重ねると、体のあちこちに不調を感じるようになります。

腸活は便秘解消だけではなく、体全体の調子を整えるためにもとても重要です。
多くのメディアで腸活が取り上げられるのも納得ですね。

腸活を行う上で気を付けたいことは、「腸内環境が整う」と謳われた食品だけを摂り続けるのではなく、バランスよく「シンバイオティクス」を日常生活に取り入れることが大切です。

いつまでも健康で美しく在る為に、ぜひ自分の体の声に耳を傾けて、毎日の食卓に取り入れていただけたらと思います。

監修:内科医 桐村里紗

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