日焼けでシミ・シワにならないためには◯◯が大事! 正しいアフターケア9つのポイント
こんにちは、WELLMETHODライターの廣江です。
紫外線はお肌の大敵、そのようなことを見聞きしたことは多いかと思います。
これまでに、紫外線によるダメージが肌にとってどのような影響があるか、お伝えしてきました。
日焼け止めをうっかり塗り忘れて日焼けをしてしまった…。
その後のアフターケアを怠ったがために、しばらく痛みが引かず、つらい思いをした…。
など、日焼けにまつわる失敗は、多くの人が一度や二度、あるのではないでしょうか。
そもそも、このように日焼けをしてしまった肌には、どのようにアフターケアをすれば良いのでしょうか。
今回は日焼けをした肌に行う正しいアフターケアの方法と、日常でできる紫外線対策などついて紹介します。
目次
1.日焼けで肌がダメージを受けるメカニズムとは
日焼けは肌に良くない、それはなんとなくわかっているものの、どうして日焼けをすると肌にダメージがあるのかわからないこともあるでしょう。
また、日焼けをしてもすぐに肌が黒くなる人と、赤みを帯びるだけでさほど黒くならない人もいます。
まずはこれらの違いや、紫外線によって肌が黒くなる理由について見ていきましょう。
1-1.あなたは日焼けをすると赤くなるタイプ/黒くなるタイプ?
日焼けは主に2種類あります。
・サンバーン:紫外線に当たると数時間後から現れる、赤くなる日焼けのこと。炎症を起こしており、やけどの状態。
・サンタン:赤い日焼けが消失した数日後に現れ、数週間から数ヶ月続く、肌が黒くなる日焼け。
紫外線は、波長によって、「UVA」「UVB」「UVC」の3種類に分けられ、そのうちUVBがサンバーンを引き起こします。
UVAは波長が長く、雲やガラスも通過するため、室内の窓際にいるだけでも紫外線を浴びてしまいます。
肌の奥深くの真皮層にまで到達し、肌を徐々に黒くし、コラーゲンにもダメージを与えるため、シワやたるみにも繋がりやすくなります。
UVBは、もっとも人体にとって有害な紫外線の種類で、UVAよりも波長が短く、短時間で日焼けや炎症を引き起こします。
屋外での日焼けのほとんどはUVBによるものです。UVBは、肌の表面にダメージを与え炎症を起こし、メラニンを過剰に作らせてしまうため、シミや色素沈着の原因となります。
UVCはオゾン層でブロックされるため、地上にまで到達しません。
日焼けをすると、肌が「赤くなるタイプ」とすぐに「黒くなるタイプ」の人がいますが、日本人は紫外線に対する反応の違いにより、3つのタイプに分類できます。
タイプ1:赤くなりやすいが黒くなりにくい人
タイプ2:赤くなったあとに黒くなる人
タイプ3:赤くならずに黒くなる人
これらは、生まれ持ったメラニン色素の生産力によって決まります。
「タイプ1:赤くなりやすいが黒くなりにくい人」は元々メラニン量が少なく、サンバーンを引き起こりやすいため、より注意が必要です。紫外線を防御する力が弱いため、皮膚にダメージを受けやすいタイプです。
逆に、メラニンの生産力が多い人の場合、紫外線に当たるとメラノサイトという細胞が活性化することで、黒い色素を作り出します。
この黒い色素こそメラニンであり、紫外線から肌を守る働きをします。
つまり紫外線を浴びるほど肌は細胞を守るために黒いメラニン色素がたくさん作られ、肌も黒くなります。
1-2.紫外線ダメージを受けた肌は老化が進む
紫外線を浴びた肌は黒くなるだけではありません。
紫外線にはもともと強力な細胞障害作用があり、強い細胞ダメージを引き起こす種類の活性酸素が発生することで以下のような作用が起こります。
1. しわ・たるみ
2. シミ、日光黒子
3. 良性腫瘍
4. 日光角化症といったがんの前段階
5. 皮膚がん
とくにシミやしわ、たるみといった症状は紫外線ダメージが大きく影響します。
紫外線を浴びると肌の表面から奥深くまで皮膚が傷害を受けてしまい、老化を中心とした皮膚の病気を引き起こしてしまいます。
▼紫外線百害あっても「メリットあり!」日焼け止めの思わぬトラブルとは?
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2.日焼けをしてしまったあとの正しいアフターケアとは
このように紫外線を浴びた肌は、シミやしわといった老化現象を引き起こしてしまいます。
また、長時間紫外線を浴びたり、紫外線が強い場所で肌をさらしてしまうと、肌は老化現象を引き起こすとともに、やけどをした状態になってしまいます。
とくに日焼けをした肌を72時間以上放っておくと、シミやそばかすの原因となる色素沈着が起こりやすいです。
日焼けをしたら次に紹介するアフターケアをしっかりと行いましょう。
2-1.まずは冷やす
紫外線が強い場所で顔をさらし、顔や体がヒリヒリする、といった状態は軽いやけどをしているのと同じです。
このようなケースは、まずは冷やしてほてりを鎮めましょう。顔や体を冷やす方法は、次の方法がおすすめです。
顔:冷たい氷水で濡らしたタオル、薄いタオルを巻いた保冷剤で患部を冷やす。
体:顔以外に、日焼けした範囲が広い場合には、冷たいシャワーを浴びるのが良い。
外出先ですぐにシャワーを浴びれない場合には、冷たいペットボトルを使用して冷やすのもおすすめ。
日焼けした肌は熱を持っています。ヒリヒリ感やほてりが取れるまでは十分に冷やすことが大切です。
2-2.しっかりと保湿をする
肌を冷やし、赤みやほてり、ヒリヒリ感が治まったら、顔全体をやさしく保湿します。
日焼け後の顔は角質から水分が奪われて乾燥してしまうことが多いので、化粧水などでやさしく水分を補給してあげましょう。
また、紫外線ダメージを受けた肌は摩擦によるダメージを受けやすいので、顔をパッティングしたり、コットンでゴシゴシこすったりするのはNGです。
両手で温めた化粧水を優しく顔になじませるか、化粧水をたっぷりと含んだローションマスクなどを顔に乗せるのもおすすめです。
きちんと保湿することで、日焼け後の痛みやかゆみを和らげることに繋がります。
また、肌に刺激を与えないように、肌に衣服が密着しない、ゆったりとした衣服を着ることも大切です。
水ぶくれができた場合、皮を剥くことはやめましょう。水ぶくれの中には、皮膚を再生する滲出液が含まれていますので、できるだけ破らず、皮を温存し、皮膚が内側から再生するのを待ちましょう。
全身がひどいやけど状態となり、強い赤みや痛み、水ぶくれが広範囲にできた場合は、全身やけどと同じ状態ですから、皮膚科の受診をお勧めします。
2-3.刺激を与えないようフェイスマスクやオールインワンゲルもおすすめ
日焼け後の肌には、フェイスマスクをそっと乗せるか、摩擦ダメージの少ないオールインワンゲルをたっぷり塗るのもおすすめです。
もともと肌は触り過ぎないことが美肌のサポートにもなります。
紫外線ダメージを受けているからといって、化粧水、乳液、美容液、クリームといった重ね付けをすることは、かえって肌に摩擦ダメージを与え、シミやシワにつながることも考えられます。
そのため、紫外線ダメージを受けた肌は、化粧水や乳液をスキップして、オールインワンゲルなどのシンプルケアでたっぷりと肌を包むのがおすすめです。
また肌に摩擦を与えないという意味では、パックをそっと顔に乗せて保湿してあげるのも良いでしょう。冷蔵庫で予め冷やしておくと、クールダウンもできて良いですね。
2-4.保湿にはセラミドが配合されている化粧品を
日焼け後の肌は、しっかりと冷やした後にオールインワンゲルなどでしっかりと保湿することが大切です。
保湿成分にはいろいろな種類がありますが、なかでもおすすめなのが「セラミド」です。
紫外線ダメージを受けた肌は乾燥状態となり、セラミドを主体とした細胞間脂質が失われていることが考えられます。
そのためセラミドが含まれている保湿ケアを行えば、肌に潤いを届け、肌の水分を蒸発しにくくさせる効果に期待できます。
またセラミドは水分と結合する親水性も持ち合わせており、肌に乗せることで紫外線によるダメージ肌にもしっかりと潤いを届けてくれるでしょう。
▼そのべたつきは隠れ乾燥の「インナードライ肌」!? 改善するためのお手入れ方法
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2-5.シミを作らないための対策
シミを作らないためには、肌のターンオーバーを促すことが重要です。
しっかり保湿することと、肌のターンオーバーを促すために、栄養としっかり睡眠をとりましょう。
特に、抗酸化作用のあるビタミンC(パプリカやブロッコリーなど)、ビタミンCの働きをサポートするビタミンE(ナッツやアボカドなど)も一緒に摂るようにしましょう。
ビタミンCはコラーゲンの合成にも必要です。また、ビタミンEは、細胞の膜に入り込み、抗酸化力を発揮します。
野菜の色や香りの成分、ファイトケミカルにも活性酸素を防ぐ働きがあります。
特に、みかんなど柑橘類に含まれるゼアキサンチンなどのカロテノイド類は、皮膚に沈着して紫外線の害を防ぐ働きがあります。
3.日焼けアフターケアの注意点
日焼け後のアフターケアはまず顔を冷やすこと、そして摩擦をかけないシンプルなケアが重要です。
この2つをしっかりとできれば良いのですが、なかには間違った対応をしてしまう人も多いです。ここからは、日焼けアフターケアの注意点について紹介します。
3-1.日焼けダメージの冷やす時間はどのくらい?
日焼けをした肌はすぐに冷やすことが大切です。
何分間冷やした方が良い、といった決まりはないのですが、肌の炎症が収まるまで落ち着いて冷やすようにしましょう。
ただ、氷や保冷剤で冷やす場合は、タオルなどを当てないと凍傷になるリスクもあるので注意が必要です。
また日焼けした肌は、72時間以上放っておくと色素沈着が起きてシミやそばかすが発生しやすくなります。
「日焼けをしたらすぐに患部を冷やす」ということを心がけ、肌の状態が落ち着くのを目安に冷やし続けましょう。
3-2.正しい洗顔で肌に刺激を与えないことも大切
これまで、日焼けした肌には刺激を与えないことが大切、ということを紹介しました。
それは洗顔にもいえることであり、ごしごしと力をいれて顔をこすってしまうのは良くありません。
洗顔の際はしっかりと洗顔料を泡立て、肌の上で泡を転がすようにして優しく洗うのが重要です。
泡立っていない洗顔料や、スクラブ入り洗顔料は肌に刺激を与えるので避けましょう。
また、摩擦刺激を与えないよう洗顔をするには、お湯の温度も大切です。
34度以下のぬるま湯を使い、やさしくていねいにすすぐようにしてください。
▼洗顔手順で肌質が変わる! 美肌を作る5ステップ[タイプ別・洗顔料種類付き]
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4.日焼けをする前に、まずは日焼けを防止することが重要
美しい肌を保つには、そもそも日焼けをしないことが何より重要です。
1-2でお伝えした通り、紫外線が肌に当たると活性酸素が発生し、肌の老化が進行してしまいます。
つまり日焼け対策ができていれば、シミやそばかす、たるみやしわといった肌トラブルを回避できるということです。
ここからは、日常でできる紫外線の対策を紹介します。
4-1.日傘や帽子、日よけグッズも持ち歩こう
紫外線は四方八方から降り注いでいるため、日焼けを予防するには、日焼け止めを塗るだけではなく、日傘や帽子を併用すると良いでしょう。
とくに日傘は外出中に使うことで陽射しや暑さから身を守り、直射日光を避けてくれるため、熱中症の予防にも繋がります。
日傘を選ぶ際はUVカット率や遮光率が高いものを選び、とくに紫外線の強い春から夏にかけては日常的に使うようにしましょう。
日傘の選び方について詳しくはこちらの記事をご参照ください。
▼色や素材はどんなものが良い? 紫外線対策に欠かせない日傘選びのポイント
https://wellmethod.jp/parasol/
4-2.紫外線は骨を作るのに重要な役割もある
ここまで紫外線B波(UVB)には皮膚にとって悪いということを紹介してきましたが、実は紫外線が体にとって良いこともあります。
それは骨の形成に欠かせないビタミンDを皮膚で生成する働きがあることでです。
室内でガラス越しに光を浴びても、UVBは阻まれてしまいます。人はまったく紫外線を浴びず、室内で過ごし続けると、ビタミンDの血中濃度が低くなり、骨粗しょう症や骨折などを引き起こします。
そのため日焼け止めを塗りつつ、適度な紫外線を浴びるために外に出て運動をするといったことが重要です。
例えば顔は日焼け止めを塗りつつ、顔以外は塗らない、または公園などでは手のひらを太陽に向けて紫外線を浴びれば、骨の形成と成長の促進を促すビタミンDが適度に合成されます。
日焼け止めや日傘を使って紫外線を防ぎつつ、骨を強くするために外で軽いウォーキングをするといった行動も大切です。
日焼け防止をしっかりしたい場合には、食品やサプリメントなどでビタミンDを補給することも必要です。
▼紫外線百害あっても「メリットあり!」日焼け止めの思わぬトラブルとは?
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5.日焼け後の肌はすぐに正しいアフターケアを実践しよう
日焼けをしてしまったときは、すぐに正しいアフターケアをして肌を保護してあげることが大切です。
とくに日焼け後72時間が経過すると、色素沈着がはじまってシミやしわといった肌トラブルが起きてしまいます。
日焼けの状態によるものの、肌がピリピリしたり黒くなったりしている場合は、軽いやけどが起きているととらえ、すぐに冷やしましょう。
そしてほてりが治まったあとは、セラミドなどが配合された化粧品を使い、しっかりと保湿することが大切です。
毎日気を付けていても、日焼けすることは誰にでも起こる可能性があります。
そんなときは今回紹介したアフターケアを実践し、紫外線ダメージから肌を守っていきましょう。
この記事の監修は 医師 桐村里紗先生

桐村 里紗
総合監修医
・内科医・認定産業医
・tenrai株式会社代表取締役医師
・東京大学大学院工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻 道徳感情数理工学講座 共同研究員
・日本内科学会・日本糖尿病学会・日本抗加齢医学会所属
愛媛大学医学部医学科卒。
皮膚科、糖尿病代謝内分泌科を経て、生活習慣病から在宅医療、分子整合栄養療法やバイオロジカル医療、常在細菌学などを用いた予防医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。
監修した企業での健康プロジェクトは、第1回健康科学ビジネスベストセレクションズ受賞(健康科学ビジネス推進機構)。
現在は、執筆、メディア、講演活動などでヘルスケア情報発信やプロダクト監修を行っている。
フジテレビ「ホンマでっか!?TV」には腸内環境評論家として出演。その他「とくダネ!」などメディア出演多数。
- 新刊『腸と森の「土」を育てるーー微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)』
- tenrai株式会社
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著作・監修一覧
- ・新刊『腸と森の「土」を育てるーー微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)
- ・『日本人はなぜ臭いと言われるのか~体臭と口臭の科学』(光文社新書)
- ・「美女のステージ」 (光文社・美人時間ブック)
- ・「30代からのシンプル・ダイエット」(マガジンハウス)
- ・「解抗免力」(講談社)
- ・「冷え性ガールのあたため毎日」(泰文堂)
ほか