日焼け止めと化粧下地はどっちも必要? 肌への負担を軽減させる「日焼け止め化粧下地」のすすめ
こんにちは、WELLMETHODライターの廣江です。
紫外線は肌の大敵。
日差しの強い夏だけでなく、紫外線は1年を通して降り注いでいるため、季節を問わずUVケアを行うことをおすすめします。
日焼けはシミやしわの原因となるので、1年を通してしっかりUVケアをしたいものですね。
しかし日焼け止めをつけるとき、日焼け止めと化粧下地はどちらを先につければ良いのか迷ったことはありませんか?
日焼け止めと化粧下地を両方使うことでこんなお悩みを抱えていませんか?
「日焼け止めも化粧下地も両方使っているのに、何だか肌の調子がいまいち」
「両方つけていると経済的にも時間的にも負担が大きい」
筆者は以前、肌に良いことをしたい!と思うがあまり、スキンケアから日焼け止め、ファンデーションと、メイク完了までにいくつものステップを踏み、時間をかけていました。
しかし、丁寧に肌に向き合っているつもりが逆効果で、段々とストレスに感じることもありました。
いまでは、「日焼け止め化粧下地」を使うことで、肌への摩擦も軽減し、さらには時間もコストも削減することができ、ストレスを解消することができました。
今回は、肌への負担を軽減できる日焼け止め化粧下地がおすすめの理由をご紹介します。
目次
1.日焼け止めと化粧下地の違いとは?
毎朝のスキンケアやメイクを行うときに、日焼け止めと化粧下地の両方を使っている方も多いと思います。
化粧下地の種類はさまざまですが、日焼け止め効果も兼ね備えたものも多くみられるようになっています。
一方、日焼け止めにも化粧下地として使えるものも多くあります。
ここでは、日焼け止めと化粧下地のそれぞれの役割の違いについてご紹介します。
1-1.日焼け止めの役割
日焼け止めの役割は、紫外線によるダメージから肌を守ることです。
紫外線を浴びると肌は炎症を起こし、シミやしわ・たるみなどの原因となります。
紫外線にはUVA・UVB・UVCの3つの波長がありますが、UVCはオゾン層でブロックされるため、人体にとって有害といわれるのはUVAとUVBの2つです。
この2つの波長の紫外線から肌を守る効果の目安となる値がSPFとPAの値となります。
1.SPF:Sun Protection Factor
SPFはUVBを防ぐ効果の目安です。
紫外線を浴びているときに、日焼け止めを塗らない場合と比較し、肌が赤くなるまでの時間が何倍かを示した数値です。
「1~50」の数値で表示され、数字が大きくなるほどUV効果が高くなります。
2.PA:Protection Grade of UVA
PAはUVAを防ぐ効果の目安です。
「+」マークで表示され「+」の数が増えるにつれ、防御効果が高くなります。
効果の最高レベルでは+マークが4つとなります。
日焼け止めには用途に応じてUV効果を選ぶことができます。
1-2.化粧下地の役割
化粧下地には、肌をトーンアップしたように見せたりファンデーションが肌に密着しやすくするための糊のような役割があります。
ファンデーションをきれいに肌にのせるための下準備といえるでしょう。
1-3.日焼け止めと化粧下地の両方の役割を果たす日焼け止め下地
最近では化粧下地に日焼け止め効果があるものも数多くみられるようになりました。
日焼け止めと化粧下地の機能が一体化しているため、メイクの手間を減らすことができると人気を集めています。
2.日焼け止めと化粧下地の順番はどっちが先?
日焼け止めと化粧下地の両方を使用する場合、どちらを先に使えば良いのか悩まれる方もいらっしゃると思います。
日焼け止めにはさまざまな種類があるため、種類によって使うタイミングは異なります。
2-1.基本的には日焼け止めが先
基本的には化粧下地よりも先に日焼け止めを使うのが一般的です。
日焼け止めを使うタイミングはスキンケアの最後と考えておくと良いでしょう。
化粧下地には肌の凹凸を埋め、ファンデーションのノリを良くするという役割があるため、スキンケアというよりはメイクと認識することで、日焼け止めと化粧下地の順番で悩むことは少なくなるかもしれませんね。
2-2.メイク後に使用する日焼け止め
日焼け止めは化粧下地の前に使うことをおすすめしましたが、日焼け止めの中にはメイクのあとに使用するものもあります。
・スプレータイプ
・パウダータイプ
これらの日焼け止めはメイクの上からも使うことができるため、メイク後に日焼け止めを塗り忘れたときや日焼け止めの塗り直しが必要なときに適しています。
2-3.両方使うときに注意したいこと
日焼け止めと化粧下地の両方を使うときに注意したいことは順番の他に、もう一つあります。
それは日焼け止めのあとにすぐに化粧下地を使用しても良いのか、それとも少し時間をおいた方が良いのかというタイミングです。
化粧崩れを防ぐためには、日焼け止めを塗ったあと肌に馴染むまで、少し時間をおくことをおすすめします。
日焼け止めと化粧下地が同じようなテクスチャーのものを使用するときは化粧下地がムラになる可能性があるため、化粧崩れしないようにそれぞれをしっかり肌に馴染ませることが大切です。
3.日焼け止めと化粧下地の両方を使うとUV効果は上がるの?
化粧下地に日焼け止め効果があるものを使っている場合、化粧下地の前に日焼け止めも使用することで、日焼け止め効果が高まると思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
例えば、SPF30の日焼け止めを使用したあとにSPF30の化粧下地を使用しても、SPFの値は60になるわけではありません。
塗り重ねたとしてもSPFの値は30のままです。つまり日焼け止め効果に変わりはありません。
4.肌への負担を減らすためには「日焼け止め化粧下地」がおすすめ
化粧崩れをしないことはもちろん大切ですが、それ以上に意識したいことは肌への負担です。
実は日焼け止めと化粧下地の両方を使い続けることが、肌に大きな負担となる可能性があるのです。
健やかな肌へと導くはずのケアが肌に負担をかけているなんて、残念ですよね。
肌への負担を減らすためには日焼け止め化粧下地がおすすめです。肌への負担の軽減以外にもおすすめするにはさまざまな理由があります。
4-1.肌への摩擦が少ない
スキンケアをはじめメイクを行うときは肌に少なからず摩擦が生じます。
クレンジング・洗顔・化粧水・乳液・美容液・日焼け止めなどスキンケアだけでもかなりの回数、顔に触れることになります。
それに加え化粧下地やファンデーションなどのメイクでも、さらに摩擦が生じてしまいます。
摩擦によるダメージによって、起こる肌トラブルは以下のとおりです。
・メラニンが過剰性に産出、沈着し、シミやくすみができやすくなる
・肌のバリア機能が低下し、乾燥しやすくなる
・コラーゲンなどの弾性繊維の劣化によって、しわやたるみが起きやすくなる
・皮膚のターンオーバーが崩れ、肌荒れやニキビができやすくなる
4-2.時短になる
家事や仕事に行く準備などで毎朝忙しい方にとって、日焼け止め化粧下地は時短アイテムとしておすすめです。
肌にいくつものアイテムを重ねる場合は、一つ一つの工程ごとに少し間隔をおくことが必要です。
日焼け止め化粧下地を使用する場合は、日焼け止めが肌に馴染んでから化粧下地をつける必要がないため、数分の時短になります。
毎日行うことだからこそ、時短になるのはうれしいですね。
4-3.節約になる
日焼け止めも化粧下地も使用するとなれば、当然それぞれを購入するためにお金がかかります。
日焼け止めと化粧下地の機能が一つになっている日焼け止め化粧下地を使用すれば、日焼け止めを購入する費用を節約することができます。
たった1本の購入で済むため、うれしい節約になりますね。
4-4.化粧崩れを起こしにくい
日焼け止めを塗った直後に化粧下地を塗ると厚塗りになったり、ムラになったりして化粧崩れを起こしやすくなります。
化粧崩れは見た目だけではなく、紫外線によるダメージも受けてしまうことになります。
また日焼け止めと化粧下地の相性が良くない場合も、化粧崩れの原因となります。
4-5.塗り忘れ防止になる
夏であれば日焼け対策として日焼け止めを使用するのを忘れないという方も多いと思いますが、冬など日差しがあまり強くない時期になるとうっかり日焼け止めを使用するのを忘れてしまうことがあります。
日焼け止めと化粧下地が一体化していることで、日焼け止めの塗り忘れを防止することができます。
4-6.化粧直しが簡単
メイク直しで化粧下地から塗り直す必要があるときに、日焼け止めを塗ってさらに化粧下地を塗るのは大変ですよね。
自宅でさえ少し面倒であるにもかかわらず、外出先で一連のケアを行うとなると時間がかかってしまいます。
しかし日焼け止め化粧下地であれば、1つのアイテムで日焼け止め効果とベースを整えることができるため、メイク直しが簡単になります。
5.日焼け止めを選ぶときのポイント
これまで、日焼け止めと化粧下地の違い、そして、日焼け止め化粧下地のメリットについてお伝えしました。
ここでは、どのような日焼け止めを選んだら良いのか、そのポイントについてお伝えします。
5-1.SPFとPAは高ければ良いわけではない
「紫外線をできる限り浴びたくない!」と、誰しもが思っているでしょう。
そのため、日焼け止めを選ぶ際に、できるかぎりSPFとPAが高い商品を手にしたい…と考える女性は多いのではないでしょうか。
SPFとPAは、高ければ高いほど、紫外線吸収剤の影響で肌への負担が大きくなります。
日焼け止めは、塗りムラがあったり汗をかくなどすると、数値が高くてもうまく効果が発揮されません。
そのため、日焼けから肌を守る上では、数値に関わらず、ムラなく塗ることや、汗をかいたらこまめに塗り直すことが大切なポイントです。
レジャー時ではなく日常使いであれば、SPF30・PA++程度で十分日焼けから肌を守ることができるので、高い数値のものを選ばないというのも、肌への負担を軽減させる秘訣です。
5-2.乾燥肌や敏感肌の場合にはノンケミカルなものを
乾燥肌や敏感肌の方は、肌質に合わせた日焼け止めを選ぶようにしましょう。
おすすめは「紫外線吸収剤フリー」と書かれている商品です。
紫外線吸収剤は、紫外線を浴びると、熱エネルギーなどといった別のエネルギーに変換させ、紫外線からのダメージを防ぎます。
伸びが良い・白浮きしない・汗に強いのはメリットとして挙げられますが、肌への負担が大きいのがデメリットです。
一方、紫外線吸収剤フリーとは、紫外線散乱剤配合と呼ばれることもあり、肌の表面で紫外線を反射させます。
やや伸びが悪く白浮きしやすい、紫外線吸収剤と比べると紫外線カット機能が劣るといったデメリットはありますが、肌負担が少なく乾燥しにくいという大きなメリットがあります。
また敏感肌の方の場合は、紫外線吸収剤フリーに加え、「アルコールフリー」の低刺激のものがおすすめです。
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5-3.伸びが良いものを選ぶ
日焼け止めのクリームを塗るとき、伸びが悪いと肌への摩擦が増えるため、肌に負担がかかってしまいます。
毎日のことですので、できる限り、負担は減らしたいものですよね。
肌のことを考えると、紫外線吸収剤フリー、アルコールフリーのノンケミカルな製品を使用したいですが、紫外線吸収剤フリーの製品の場合、含まれている製品と比べて伸びが悪い、というデメリットがあります。
しかし、これを解消するのが、株式会社ダイセル(本社:大阪市北区)が開発した、セルロースアセテート(商品名 BELLOCEA®︎)を採用している日焼け止め下地クリームです。
セルロースアセテートは、自然の木材由来の繊維であるセルロースに酢酸(お酢の成分)が結合した成分(酢酸セルロース:商品名 BELLOCEA®︎)で、天然由来成分でありながら従来の化粧品原料と遜色ない使用感と機能性を実現した新しい原料として大変注目が集まっています。
従来の化粧品原料は、実は、プラスチック素材で、洗顔することによって排水溝から下水処理をすり抜けて海に流れるマイクロプラスチックとなるという課題がありました。
このほど「WELLMETHOD®(ウェルメソッド)」では、海への有害成分をクリアした、環境にも肌にもやさしい成分の日焼け止めが誕生しました。
この日焼け止めは、紫外線吸収剤フリーだけでなく、セルロースアセテートにより伸びの良さはマイクロプラスチック製品と同等以上、うるおいバリアに役立つ「セラミド」を配合、さらには、先に説明した化粧品下地クリームとしても使用可能なため、肌摩擦を防げるだけでなく、環境にもやさしい高機能な製品となっています。
普段何気なく食べている食品や、何気なく飲んでいる水、そして空気、緑、海…。
私たち人間が、こうして健やかな毎日を送れているのは、地球や環境の恩恵があるからです。
「人生100年時代」といわれていますが、いつまでも健やかに過ごしていくためには、私たち人間だけでなく、さまざまな生き物、地球全体のことを考えた選択が大切なのではないでしょうか。
筆者も、まずは一つ一つ、身近な生活からはじめられる小さな一歩に取り組んでいます。
6.シンプルケアが健やかな肌への近道に
女性はいくつになっても、自分らしくきれいにありたいと思うのではないでしょうか?
筆者は年齢を重ねるにつれ、作られた美しさよりも内面から出る美しさや自然体であることに魅力を感じると同時に憧れを抱くようになりました。
それは肌も同じではないでしょうか。
きれいな肌のために、いくつものアイテムを準備したり、雑誌やSNSで話題になっているからとすぐに飛びついて購入したりしても、実際は肌に合わなかったり、過剰なお手入れによって摩擦による肌トラブルが起きたりしていては元も子もないですよね。
最近、筆者が日頃の生活の中で意識している言葉があります。
「シンプル イズ ベスト」
これまでの「こうするのが当たり前」という考え方から、余計なものは省いて自分に合った好きなものを使うことが、より豊かな人生が送るために大切なのではないかと思います。
またシンプルケアは肌だけではなく地球にもやさしいといわれています。化粧品に含まれているマイクロプラスチックやパッケージに使われるプラスチックなどの削減にもつながります。
みなさまも自分らしさを大切にしながら、健やかな肌へ導くため、そして地球にもやさしいシンプルケアをはじめてみませんか?
この記事の監修は 医師 桐村里紗先生

桐村 里紗
総合監修医
・内科医・認定産業医
・tenrai株式会社代表取締役医師
・東京大学大学院工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻 道徳感情数理工学講座 共同研究員
・日本内科学会・日本糖尿病学会・日本抗加齢医学会所属
愛媛大学医学部医学科卒。
皮膚科、糖尿病代謝内分泌科を経て、生活習慣病から在宅医療、分子整合栄養療法やバイオロジカル医療、常在細菌学などを用いた予防医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。
監修した企業での健康プロジェクトは、第1回健康科学ビジネスベストセレクションズ受賞(健康科学ビジネス推進機構)。
現在は、執筆、メディア、講演活動などでヘルスケア情報発信やプロダクト監修を行っている。
フジテレビ「ホンマでっか!?TV」には腸内環境評論家として出演。その他「とくダネ!」などメディア出演多数。
- 新刊『腸と森の「土」を育てるーー微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)』
- tenrai株式会社
- 桐村 里紗の記事一覧
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著作・監修一覧
- ・新刊『腸と森の「土」を育てるーー微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)
- ・『日本人はなぜ臭いと言われるのか~体臭と口臭の科学』(光文社新書)
- ・「美女のステージ」 (光文社・美人時間ブック)
- ・「30代からのシンプル・ダイエット」(マガジンハウス)
- ・「解抗免力」(講談社)
- ・「冷え性ガールのあたため毎日」(泰文堂)
ほか