足を上げて寝るだけでむくみは解消できるのか? 自宅でできる簡単ケア
こんにちは、WELLMETHODライターの廣江です。
デスクワークや立ち仕事が続くと気になるのが足のむくみ。
1日がんばって働いていると、夕方にはどうしても足がむくんでしまいます。むくんだ足を放置していると、疲れが溜まりだるいといった症状を生み出すこともあります。
そこで今回は、自宅で簡単にできるむくみ防止策として、足を上げて寝る方法をご紹介します。
むくみを解消するには、正しい足枕を選ぶ必要がありますので、そのポイントもチェックしましょう。
目次
1.足はなぜむくむのか?
立ちっぱなし・座りっぱなしなど、同じ姿勢を長時間とっているとむくみやすくなるといわれています。それには、血液の流れが大きく関係しています。
血液中の酸素や栄養素は、血管を通って全身の細胞へ巡らされます。
心臓から送り出された新鮮な血液は動脈を通り、各組織へ周ると同時に、細胞から排出された不要な老廃物や二酸化炭素を回収し、ふたたび心臓に戻ってきます。
足は心臓からもっとも遠く離れた場所にあります。足から血液を戻すために重要な役割を担っているのがふくらはぎです。
重力に逆らって心臓へと血液を送るため、ふくらはぎには適度な筋力が必要となります。
ふくらはぎの筋肉は、歩行などで足首を使うことで、伸びたり縮んだりして血液を重力に逆らって下から上へ戻すポンプの役割を果たします。長時間同じ姿勢をとることや運動不足が続くと、ふくらはぎの筋肉を使わない為にポンプ機能が低下してしまうため、足がむくむのです。
以下に該当する方はむくんでいる可能性が高いです。早めの対処を行いましょう。
・重量感、だるいなどの自覚症状がある
・長時間、同じ姿勢で過ごすことが多い
・ほとんど運動をしない
・夕方になると靴がキツくなる
・靴下の跡がつく
ただし、むくみが1ヵ月以上も続くような場合や指で押すとその部分がへっこみ戻らないようなむくみの場合、心臓や肝臓、腎臓など大きな病気のサインである場合があるので、医師の診断を受けましょう。
病的なむくみの場合は、水分が溜まり体重増加を伴うことも一般的ですので、この点も見極めのポイントです。
2.足を上げて寝るとどんな効果があるのか?
足を上げて寝ることで得られる効果は、むくみ解消や腰痛の緩和などです。それぞれの効果について、詳しくみていきましょう。
2-1.むくみ解消
足を上げて寝ることによってリンパや血液の流れが良くなり、むくみ解消の効果が期待できます。
人は二足歩行をしているため、重力によって足や下半身に血液やリンパ液が滞りがちです。
1日の疲れが溜まった足の状態で横になると、体の重みが負担となり、眠っている間にも疲労が溜まっていきます。足を上げて寝ることにより血液の流れが良くなり、むくみ解消につながるのです。
2-2.新陳代謝アップ
新陳代謝とは、古い細胞を分解し新しい細胞を合成する働きのことです。
その結果、排泄される老廃物は、リンパ液を通して排泄されます。
足を上げて寝ることで、老廃物を流すリンパ管の働きが改善することで、むくみが改善され、新陳代謝がアップします。
体内水分の代謝がスムーズになることで、溜まっていた老廃物も排出されるようになると、美肌効果なども期待できます。
足を上げて寝ることで、腰回りの体圧が分散され、腰回りの筋肉の緊張がほぐれ、腰痛をやわらげる効果があります。
腰痛は、体に合わない寝具や負担のかかる姿勢などが原因で起こります。あおむけやうつ伏で寝ることが多い方は、腰が圧迫され、腰痛を起こしやすいといわれています。
正しく足を上げて寝ると姿勢が整い、腰への負担も軽減されるため、腰痛緩和が期待できるのです。
その他、腰痛改善には以下のような方法も良いとされています。
・クッションによる補正
横向きに寝るのが好きな方は、足の間に薄めのクッション(抱き枕)を挟むと腰と足の高さが水平になり、腰への負担が軽減されます。
・タオルによる補正
お尻が突き出ているでっちり体型の方は、タオルによる補正がおすすめです。タオルを細長く3つ折りにし、腰と敷布団の隙間が埋まるように置きます。隙間に合わせてタオルの厚さを調整すると腰への負担が軽減された寝姿勢を保てるようになります。
3.足を上げて寝る正しい方法
むくみや腰痛の緩和に足を上げて寝るのが良いとお伝えしました。では、具体的にどのような方法が正しいのでしょうか。
3-1.正しい足枕を選ぶ
足を上げて寝る際に使う枕の形状は、幅が広いクッションタイプがおすすめです。
ひざから足首にかけて乗せることができる大きめのものを選びましょう。市販の丸太型のものをお使いの方もいらっしゃると思いますが、それだと足を部分的にしか支えることができず、枕が当たっている部分や腰に負担がかかります。
幅が広いものであれば、多少の寝相や寝返りでも足が枕から落ちるのを防ぐことができます。
また、枕の固さにも気をつける必要があります。
柔らかすぎると寝ている間に足が沈み込んでしまい、効果が期待できません。一方、固すぎても疲れが溜まる原因となります。理想的な高さで足にフィットしてくれる素材・固さのものを選びましょう。
3-2.足を上げる高さは10~15cm
足を上げる高さの目安は10~15cm程度です。
高すぎる位置に足を置いて寝ると、頭に血がのぼってしまいます。また、極端に高くすると足の付け根の静動脈が圧迫されることもあるので注意してください。腰への負担もありますので、あくまでも自然で体に無理のない姿勢を意識しましょう。
3-3.ひざから下に足枕を置く
適切な枕が決まったら、あとは足の下に置いて横になるだけです。
上述したとおり、枕を置く位置はひざから下にかけてです。体を横にした際に、浮いているひざ下の隙間を埋めるような形で枕を置きます。
実際に横になってみて違和感があるようでしたら、高さを調整しましょう。
4.足を上げて寝る方法が間違っていると体に不調が起こる
間違った方法で足を上げて寝ていると、さまざまな不調が起こる可能性があります。以下のような症状が表れている場合は気をつけてください。
4-1.寝つきが悪い
寝つきが悪いという場合は、枕の高さや大きさ、位置が間違っている可能性があります。
正しい方法で足を上げていれば、自然な寝姿勢となり、体への負担が軽減されるはずです。
もし足を高く上げすぎていたり、特定の箇所に負担がかかっていたりという場合は、寝つきが悪くなります。
4-2.ひざが痛い
ひざが痛いという場合も、足首だけが浮いた状態で負担がかかっている可能性があります。正しい枕の位置は、ひざから下にかけてです。大き目の枕でひざから下全体を支えてあげましょう。
4-3.腰が痛い
足を高く上げすぎていると、腰に圧がかかる上、腰が丸まり筋肉が緊張した状態になります。この姿勢を長時間続けていると、腰が痛くなってしまいます。自然な寝姿勢を保てているか、改めて確認しましょう。
4-4.ふくらはぎのむくみが取れない
足のむくみを解消するために足を上げて寝ているのに、なかなか効果が感じられない、以前よりむくんだ気がするという場合は、やはり枕の高さが間違っている可能性があります。
足を高く上げすぎてしまうと、足の付け根が圧迫され、リンパや血液の流れが妨げられます。その結果、むくみが発生してしまうのです。
枕の高さの目安は10~15cm程度です。心臓より高くならないように気をつけましょう。
5.自宅・職場でできる毎日のむくみケア
足を高く上げて寝る以外にも、自宅でできるむくみケアを取り入れ、スッキリしたふくらはぎを目指しましょう。今回は自宅や職場で簡単にできるケアをご紹介します。
5-1.自宅でのケア
自宅ではマッサージによるケアがおすすめです。
ステップ1.鼠径部をマッサージ
両足の付け根である鼠径部を、手のひら全体で優しく押してマッサージしましょう。
ここには、「鼠径リンパ節」という大きなリンパ節があり、ここが滞ることで、足のリンパ全体の流れが悪くなります。
ステップ2.ひざから上をマッサージ
イスに浅く腰掛け、軽くひざを曲げた状態で足を前に伸ばします。ひざから太ももにむかって、両手全体で包み込むようにしてやさしくさすり上げます。
これを、裏側、内側、外側とわけて行います。
膝裏にもリンパ節がありますので、優しく押しましょう。
ステップ3.足首からひざのマッサージ
足首からひざの裏にむかって、両手でふくらはぎを包み込むようにしてやさしくさすり上げます。
ステップ1〜3を両足で10分ほど行います。お風呂あがりに行えば効果的です。
リンパ節をグリグリと強く押すことは、逆効果となりNGです。
5-1-1.ふくらはぎを温める
ではなぜ、お風呂上がりにマッサージを行うことが大事なのでしょうか?
それは、ふくらはぎを温めた後の方が筋肉が柔らかくなるため、より血流やリンパの流れが良くなり、むくみ解消の期待が高まるためです。
ほかにも、“ふくらはぎの温め”を意識することが重要な理由があります。
ふくらはぎは、“第二の心臓”と呼ばれており、滞りやすい血液やリンパ液などの体液を心臓に戻すポンプの役割を持っています。
筋肉が正常に働いている時は、血液を心臓に戻す力がうまく作用していますが、冷えや筋肉の衰え、運動不足などで正常でない時はこのポンプの働きが弱まり、血液が心臓に戻りにくくなり、血行が悪くなることでむくみにつながります。
そのため、マッサージや運動などで下半身の大きな筋肉を動かすこと、それから血流を良くするためにふくらはぎを温めることは重要です。
5-2.職場でのケア
座り仕事が多い方は、ひざ掛けやカーディガンで体を冷やさないように工夫しましょう。
使い捨てカイロなどを利用し、冷えに良いツボである「三陰交(さんいんこう)」(内くるぶしの指4本分上で骨の際に位置する)に貼り、ふくらはぎを温めましょう。
大きな血管が通る膝裏も血液を温めるのに効果的です。
また、ストレッチや階段移動で適度に体を動かすようにします。その他、常温の飲料やカフェインなしのハーブティを飲むなど、体を冷やさないように意識すると良いです。
立ち仕事が多い方は、なるべく足にフィットした歩きやすい靴を履きましょう。
ヒールを履くと、歩行時に足首が十分に動かない為、ふくらはぎの筋肉を動かすことができません。高いヒールを履いておしゃれをしたい時は別にして、普段は3cm程度までのローヒールのものを選びましょう。
また、立ち仕事の途中にかかとを上げ下げすることでふくらはぎの筋肉を適切に動かすのもおすすめです。
6.足を上げて寝ることで朝からスッキリ
女性にとって大敵のむくみは、足を上げて寝ることで軽減されます。
適切な枕の高さ、大きさを選ぶことができれば、足がスッキリするだけでなく良質な睡眠にもつながります。
その日の疲れはその日のうちに解消するのがベストです。むくみが軽減されれば、スッキリした朝を迎えることができるでしょう。