こんにちは、WELLMETHODライターの和重 景です。

今年も寒い季節がやってきましたね。
朝晩の冷え込みも厳しくなり、みなさまは体調を崩していないでしょうか?

外では冷たい風にさらされますがお店などに入ると室温は高くなるため、この温度差に体がついていけないという経験をしたことはありませんか?

「突然、鼻水が出てきた」
「くしゃみが出る」
「鼻づまりになる」

このような症状が出たかと思えば、しばらくすると症状が治まる…。

このような状態に心当たりのある方は、もしかすると「寒暖差アレルギー」かもしれません。

アレルギーと聞くと花粉症のように特定の原因物質によって引き起こされるというイメージがあると思いますが、寒暖差アレルギーは違います。

今回はとくに寒暖差の激しい冬に多くの方が悩む寒暖差アレルギーの原因とその改善法についてご紹介します。

1.寒暖差アレルギーは血管運動性鼻炎の一種

寒暖差アレルギーの女性

寒暖差アレルギーは、冷たい空気と暖かい空気の急激な変化が引き金となって発症します。

その原因は、周囲の環境の変化です。とくに冷・暖の変化が引き金となり発症します。

例えば、夜布団に入って暖まってくると鼻づまりなどの症状が出たりします。
反対に朝、暖かい布団から出た直後にくしゃみや鼻水などの症状が出るなど、急激な寒暖差によって症状が出現します。

しかし体が周囲の温度に慣れてくると、次第にそれらの症状は治まってきます。

花粉症などのアレルギー性鼻炎のように、ある特定のアレルギー物質が原因となって発症するわけではありません。

実際に病院などでアレルギー検査を行なっても、原因物質となる抗体は見つからないのです。

このような理由から寒暖差アレルギーはアレルギー性鼻炎とは異なり、「血管運動性鼻炎」の中の一つとされています。

1-1.どんな症状が起こるのか?

寒暖差アレルギーを含む血管運動性鼻炎の代表的な症状は、くしゃみ・鼻水・鼻づまりです。これらは「アレルギー性鼻炎の三徴」といわれており、症状はアレルギー性鼻炎とよく似ています。

そのためアレルギー性鼻炎と思っていても、実は血管運動性鼻炎であったということも少なくありません。

2.血管運動性鼻炎とは?

寒暖差アレルギー

では、寒暖差アレルギーを含む「血管運動性鼻炎」とはどのようなものでしょうか?

血管運動性鼻炎は、非アレルギー性鼻過敏症の一つです。

血管運動性鼻炎の症状はアレルギー性鼻炎とよく似ていますがアレルギー性鼻炎ではないため、眼のかゆみなどの症状はありません。

しかし最近ではアレルギー性鼻炎と血管運動性鼻炎の両方を発症する方もいます。

2-1.血管運動性鼻炎の原因

血管運動性鼻炎は、寒暖差だけではなく周囲の環境や寝不足、ストレスなどが原因となり、鼻粘膜の自律神経が過敏に反応して鼻水や鼻づまり、くしゃみなどの症状が生じます。

言い換えると自律神経が乱れることで、血管運動性鼻炎が発症する場合があるということです。

自律神経は周りの環境の影響を強く受けるため、自律神経が乱れないような環境作りが大切です。

2-2.血管運動性鼻炎の治療

血管運動性鼻炎と診断された場合でも血管運動性鼻炎の確立した治療法はなく、対症療法として、アレルギー性鼻炎の治療薬を用いることが多いのが現状です。

代表的な治療法は以下のとおりです。

1.点鼻薬

点鼻薬には3種類あります。
抗ヒスタミン点鼻薬、ステロイド点鼻薬、血管収縮薬です。

抗ヒスタミン薬は、アレルギーの原因となるヒスタミンを抑制するものですが、寒暖差アレルギーはヒスタミンは無関係です。ただし、抗ヒスタミン薬の一部には、その他のメカニズムで自律神経に作用することで効果を発揮するものもあります。

点鼻ステロイド薬は、即効性はありませんが、血管運動性鼻炎に有効といわれています。
ただし、日本で新規に発売されている点鼻ステロイド薬は保険適応がありません。

また、血管収縮作用のある点鼻薬があります。こちらは即効性がありますが長期の使用で血管が拡張して点鼻薬による鼻炎になる可能性もあります。

2.内服薬

寒暖差アレルギーの薬

抗ヒスタミン薬は、初診時にアレルギー性鼻炎との鑑別ができない場合に処方されるため、使用頻度が高い薬剤です。寒暖差アレルギーには、抗ヒスタミン作用による薬理作用ではなく、抗コリン作用や神経ペプチド抑制作用などによって効果が得られると考えられています。

漢方薬については、アレルギー性鼻炎によく処方される小青竜湯は、寒暖差アレルギーにはあまり有効ではないとされています。玉屏風散(ぎょくへいふうさん)は、外的な環境への抵抗力を高めることで効果が期待できます。

3.手術

薬物療法の効果がなく症状が強い場合において、下鼻甲介切除(かびこうかいせつじょ)や後鼻神経切除といった手術を行うことがあります。

3.血管運動性鼻炎の改善法

血管運動性鼻炎の原因は、寒暖差による自律神経の反応が関係しているとお伝えしました。

改善するには、自律神経を整えることが大切です。

自律神経は周囲の環境に影響を受けやすいため、日常生活を見直し自律神経が整いやすい環境を作りましょう。

3-1.睡眠

自律神経を整えるためには睡眠のリズムを整え、しっかりと睡眠をとることが大切です。
なぜなら睡眠ホルモンであるメラトニンが自律神経を支配しているからです。

メラトニンを分泌させ夜ぐっすり眠るためには、朝しっかり起きることが重要となります。

朝起きて太陽の光を目が感知することで、活動の時間であることを脳が認識しメラトニンの分泌量は減少します。

寒暖差アレルギーのために自律神経を整える女性

この減少した時間から約15時間後にメラトニンが分泌され、自然に睡眠に入ることができるように脳の中でタイマーがセットされています。

朝起きる時間が不規則だと眠くなる時間もバラバラになり、メラトニンの分泌も不規則となります。

毎日の睡眠リズムが一定であれば、自然と自律神経も整いやすくなります。

▼【医師解説】秋冬の不眠の解決策とは?“光と温度環境”の設定がカギ

https://wellmethod.jp/insomnia-in-fall-winter/

3-2.室温管理

より良い睡眠をとるためには、室温の管理が大切です。

とくに部屋の温度が下がる秋~冬にかけては、適切な室温を保つことを心がけましょう。

冬に快適な睡眠を維持するために適切といわれている室温は15~20度です。
室温が高すぎると返って眠りを妨げることとなるので、低めの温度が最適です。

「部屋が寒い」と感じているときは、体は体温を保とうとして交感神経が優位になっています。

交換神経が優位なときは、体は緊張状態となっているため睡眠を妨げてしまいます。

1.風呂場と室温の差に注意する

冬になるとお風呂場と脱衣所の室温の差が大きくなります。

お風呂場は暖かく、また湯船に浸かりリラックスもでき体温も上がっています。

しかし脱衣所の室温が低いとその差に体がびっくりして、交感神経が優位になっていまします。

交感神経が優位な状態では、睡眠を妨げてしまうことはご紹介したとおりです。

また睡眠以外にも大きなリスクがあります。

室温の差が大きいと、急に血管が縮んでしまい脳梗塞や心筋梗塞などの発作を起こし、突然死を招くリスクが高くなるため、とくに注意が必要です。

3-3.体温管理

自律神経を整えるためには室温や湿度など部屋の環境を整えることも大切ですが、体温調節も重要なポイントとなります。
急に冷えたりしないよう、衣服で体温を保つようにしましょう。

1.足を温める

寒い冬は足元から冷えるため、足を温めるようにしましょう。

睡眠時であれば、湯たんぽや電気あんかを使うのもおすすめです。しかし一晩中、直接足を乗せておくと、低温火傷の原因となることもあります。

できれば直接足を乗せるのではなく、足元に湯たんぽなどを置くようにしましょう。

湯たんぽ

また足の冷えを防ぐために分厚い靴下を履いて眠る人もいるかもしれませんが、靴下を履いて眠るのはおすすめしません。

睡眠中は足の裏から大量の汗をかくことで体温調整をしています。

靴下を履いていると汗を逃がすことができず、熱がこもり夜中に目が覚めてしまう可能性があります。

寒さが気になる場合は、レッグウォーマーで足首を温めるようにしましょう。

2.肩や首元を温める

肩や首元が冷えると、筋肉が緊張してしまい睡眠を妨げてしまいます。

睡眠中は何度も寝返りをうっているので、知らない間に布団から肩や首が出ていることもあります。

睡眠時に着用できるネックウォーマーなども利用するのもおすすめです。

3-4.リラックスできる時間をつくる

アロマキャンドル

自律神経を整えるためには、リラックスする時間を持つことが大切です。

暖色系の間接照明を利用したり、キャンドルや焚火などの揺れる炎を眺めることでリラックス効果を得ることができます。

アロマキャンドルは、さらに香りによるリラックス効果も期待できます。

4.体は正直! 将来の自分のために無理せず、睡眠をしっかりとりましょう

寒暖差アレルギーのために自律神経を整える女性

今回は、血管運動性鼻炎(寒暖差アレルギー)の改善方法についてご紹介しました。

室内や外気温の差だけが原因で症状が出ると思っていた方も多いのではないでしょうか?

しかし、室温管理に気を付けるだけでなく、実は自律神経を整えることが大切です。

自律神経は睡眠をはじめ、日常生活で何気なく行なっていることを少し見直すことで整えることができます。

毎日忙しいとどうしても睡眠時間を削ってしまったり、ゆとりをもった丁寧な生活を送ることが難しくなることもあります。

そんな日が続くと、イライラしたり心に余裕がなくなったりと、いいことはありません。

自分の体を思いやり、自分に優しくなることです。

私たち40代~50代の女性にとって、無理は禁物です。
なかなか自分の時間を取り分けることは難しい世代かもしれませんが、少しでもリラックスできる時間をつくってあげてくださいね。

早速今日から、今よりも5分だけでも自分に優しくなれる時間を持ってみてくださいね。

この記事の監修は 医師 桐村里紗先生

【医師/総合監修医】桐村 里紗
医師

桐村 里紗

総合監修医

内科医・認定産業医
tenrai株式会社代表取締役医師
日本内科学会・日本糖尿病学会・日本抗加齢医学会所属

愛媛大学医学部医学科卒。
皮膚科、糖尿病代謝内分泌科を経て、生活習慣病から在宅医療、分子整合栄養療法やバイオロジカル医療、常在細菌学などを用いた予防医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。
監修した企業での健康プロジェクトは、第1回健康科学ビジネスベストセレクションズ受賞(健康科学ビジネス推進機構)。
現在は、執筆、メディア、講演活動などでヘルスケア情報発信やプロダクト監修を行っている。
フジテレビ「ホンマでっか!?TV」には腸内環境評論家として出演。その他「とくダネ!」などメディア出演多数。

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著作・監修一覧

  • ・新刊『腸と森の「土」を育てるーー微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)
  • ・『日本人はなぜ臭いと言われるのか~体臭と口臭の科学』(光文社新書)
  • ・「美女のステージ」 (光文社・美人時間ブック)
  • ・「30代からのシンプル・ダイエット」(マガジンハウス)
  • ・「解抗免力」(講談社)
  • ・「冷え性ガールのあたため毎日」(泰文堂)

ほか

和重 景

【ライター】

主に、自身の出産・育児やパートナーシップといった、女性向けのジャンルにて活動中のフリーライター。
夫と大学生の息子と猫1匹の4人暮らし。
座右の銘は、「為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」。

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