こんにちは。
医師で予防医療スペシャリストの桐村里紗です。

まもなく、5月の第2日曜(2022年は5月8日)は、母の日ですね。
普段から、お母さんに「ありがとう」と伝えていますか?
かくいう私も、友達のような母娘ですが、存在が近過ぎて気恥ずかしくてなかなか、「ありがとう」が言えず、反省しています。

「ありがとう」は、互いの幸福感と自己肯定感を高める大切な魔法の言葉です。
「ありがとう」を口にできる人は、幸せな人です。

1.「ありがとう」の魔法

母の日にありがとう

さて、今日は、誰かに「ありがとう」と感謝しましたか?
何回、「ありがとう」を言いましたか?

もちろん、人生においては、「全く感謝するようなことはなかった!」
という日もあると思います。
でも、人は、誰の助けも借りずに生きていくことはできません。

例えば、もし、今日、おにぎりを口にしたとしたら、そのお米を育んだ太陽や水、お米を育てた人、お米を販売した人、お米をおにぎりにした人、など色々な人やものが協力しあって、今、そのおにぎりが目の前にあり、口に運び、自分の血肉になるとみることもできます。

だから、今日、もし何かを食べたならば、出会ったことはないかもしれないけれど、その食べものに関わる人やものには、「ありがとう」を言えるかもしれません。

1-1.居てくれて「ありがとう」

「ありがとう」と感謝を伝えるとき、自分も伝えた相手も、同時に幸せになりますね。
「ありがとう」というのは、相手が自分に対して、何か良い作用をもたらしてくれた際に伝える言葉です。

相手が何かをしてくれたことに対して、「ありがとう」ということはもちろん。
究極的には、何もしてくれなくても、居てくれるだけで「ありがとう」もあります。

家族や愛する人が、ただ、存在してくれるだけで私は幸せ。
そう言えたら、相手にとっては究極の存在肯定になります。

1-2.「ありがとう」は安全域と味方を増やす

母の日にありがとう

同時に、「ありがとう」は、自分にとって、自分の味方を増やし、安全域を広げる言葉です。
通常は、自分に危害を加える相手に「ありがとう」ということはありません。

「ありがとう」と言えるということは、その対象が、自分にとってメリットをもたらしてくれて、安全であり、安心できることを意味しています。
これは、私たちの心身がバランスを保ち、健康でいるために、とても大切なことです。

私たちは、自分たちを取り巻く環境に最適化するために、自律神経を働かせています。

夜、暗くなれば、眠りのスイッチを入れて活動を低下させたり。
気温が高くなれば、汗をかいて、体温を下げたり。
自律神経が働くことで、生命を保っています。

2.自律神経の奏でるオーケストラ

オーケストラ

自律神経には、指揮者の役がいます。
その指揮者は、外の世界とコミュニケーションをとる役割をしています。
言葉を発したり、表情を作ったりする筋肉を動かします。
心臓や肺もコントロールしています。

人は原始的な動物的感覚を持ち合わせていますから、かなり奥深いところで、この世界を「危険」か「安全」かで判断しています。
自律神経の指揮者が、今いる環境を「安全」と認定したら、心身で、美しいオーケストラが奏でられます。
主に、2つの楽器を演奏します。

1つは、交感神経です。これは、冒険や遊びのモードです。
好奇心のままに未知なる世界に飛び出したり、環境を変える力があります。

もう1つは、副交感神経の一種(背側迷走神経複合体)です。
今いる心地よい環境の中で静かに過ごしたり、寄り添ったりする愛のモードです。

「安全」な環境で安心感を持った上で、状況によって遊びと愛を行き来する。
これが、自律神経が整い、バランスが保たれた状態です。

3.ストレスは危機的状況

ストレスを感じている女性

一方で、私たち現代人は、ストレスだらけの世界で生きています。
ストレスとは、野生の世界では天敵が目の前にいる状況を、意味しています。
ですから、私たちは本能で“危険”と判断しています。

この2年間というもの、ウイルスのパンデミックでさまざまな我慢を余儀なくされましたし、ちょっと屋外に行くだけでも「ウイルスに感染するリスクがあるかも」と“危険”と認定した環境に身を置くことになります。

自分自身が“危険”と認定していなくても、周りの人がストレスを感じていると、そのストレスはミラーニューロンなどを通して私たちに伝播します。
世界が“危険”だ! という集合意識は、社会の中に生きる誰しもに影響します。

4.ストレスかトラウマか2つの防衛モード

指揮者

自律神経の指揮者役が、今いる環境を“危険”と認定すると、愛と冒険だったはずの2つのモードが、トラウマかストレスかのどちらかの防衛モードに切り替わってしまいます。

まず、交感神経の防衛モードであるストレスモードは、“危険”をなんとか回避しよう、もしくは戦おうとして環境を変える力がある状態です。
筋肉は緊張して、脈も呼吸も早くなり、全身に力が入ります。
睡眠が浅くなり、疲労感がとれません。

それが高じて、もはや環境を変えることはできないと悟ると、「死んだふり」をしようとします。これが、トラウマモードと呼ばれる、副交感神経の一種(背側迷走神経複合体)の防衛です。

心身が膠着してしまいますから、やる気や集中力も元気もなくなり、鬱々とします。
体もお腹も力が抜けて、全身が重だるくなり、いろいろなことが億劫になります。
ひどくなると、引きこもりがちになり、日常生活もままならなくなります。

実は、長期的に危機的環境に晒され、もはや環境から逃れられないとなると、このトラウマモードになりやすくなりますから、コロナ危機が長引いている今、多くの人がこのモードになっているのではないかと考えられます。

5.「ありがとう」で「安心感」を取り戻す

母の日にありがとう

さて、ここで「ありがとう」がとても大切になります。
「ありがとう」と感謝ができるということは、その対象は「安全」で「安心」だと認識できます。

心の底から「ありがとう」と感謝するとき、相手に対して、私たちのハートが開きます。
このハートが開くという状態は、自律神経の指揮者役が、「安全」「安心」と認識したときに起こるのです。

“危険”だからと閉じていたハートが開くとき、自律神経は美しいオーケストラを再び奏で始めるのです。
「ありがとう」を言われた側も、感謝をしてくれた相手に対してハートが開き、自律神経が整います。

だから、今こそ、日常的に「ありがとう」を心の底から言えるようになりたいと思うのです。

6.お母さんに「ありがとう」

母の日にありがとう

「ありがとう」は、相手にも自分にも幸せの魔法をかけます。
母の日には、ぜひ、普段は言えない「ありがとう」をお母さんに伝えましょう。

「産んでくれてありがとう」
「ご飯を作ってくれてありがとう」
「育ててくれてありがとう」
「元気でいてくれてありがとう」
「綺麗でいてくれてありがとう」
「お父さんと仲良くしてくれてありがとう」

そして、「居てくれてありがとう」

色々な「ありがとう」がありますね。
お母さんには、いつまでも元気で居て欲しいからこそ、「ありがとう」を伝えましょう。
そして、母の日だけとは言わず、普段から「ありがとう」を日常にしましょう。

7.母の日のギフトに

ぜひ、「ありがとう」の気持ちと共に、お母さんが内側からも外側からも健康的に美しくなるWELLMETHODのサプリメントや化粧品を添えてみてください。

オールインワンゲルは、乾燥や小ジワが気になる母親世代にも嬉しい「セラミド」「エクオール」「ナールスゲン®」入りです。
私の母や義母は、70代ですが、色々な化粧品を使う代わりに、オールインワンゲル1本で事足りるようになりました。

たっぷりリッチなフェイスマスクも添えると、プレシャス感が増します。

内側からお肌に栄養を届ける「WELLMETHOD®ニュートリコスメ」や乾燥から肌を守る「ピュアセラミド+」、そして閉経後の女性のデメリットをサポートする「WELLMETHODソイエクオール」なども加えると、完璧です。

今度の母の日には、ぜひ「ありがとう」とWELLMETHODシリーズを届けてみてくださいね。

 

この記事の執筆は 医師 桐村里紗先生

【医師/総合監修医】桐村 里紗
医師

桐村 里紗

総合監修医

・内科医・認定産業医
・tenrai株式会社代表取締役医師
・東京大学大学院工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻 道徳感情数理工学講座 共同研究員
・日本内科学会・日本糖尿病学会・日本抗加齢医学会所属

愛媛大学医学部医学科卒。
皮膚科、糖尿病代謝内分泌科を経て、生活習慣病から在宅医療、分子整合栄養療法やバイオロジカル医療、常在細菌学などを用いた予防医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。
監修した企業での健康プロジェクトは、第1回健康科学ビジネスベストセレクションズ受賞(健康科学ビジネス推進機構)。
現在は、執筆、メディア、講演活動などでヘルスケア情報発信やプロダクト監修を行っている。
フジテレビ「ホンマでっか!?TV」には腸内環境評論家として出演。その他「とくダネ!」などメディア出演多数。

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著作・監修一覧

  • ・新刊『腸と森の「土」を育てるーー微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)
  • ・『日本人はなぜ臭いと言われるのか~体臭と口臭の科学』(光文社新書)
  • ・「美女のステージ」 (光文社・美人時間ブック)
  • ・「30代からのシンプル・ダイエット」(マガジンハウス)
  • ・「解抗免力」(講談社)
  • ・「冷え性ガールのあたため毎日」(泰文堂)

ほか