こんにちは、WELLMETHODライターの廣江です。

皆さまは、舌が普段どのような動きをしているか意識したことはありますか?

口の中のどの位置に舌があるか、どんな形をしているかなど、意識しながら食事や話をする方はほとんどいないでしょう。

健康な時は、特別舌が自由に動くことにありがたみを感じることはないかもしれません。

しかし、舌が素早く動かなくなると、いろいろできなくなることがあるのです。
そして実は、美容面でも大いに関係があるのです。

かくいう筆者も、“舌ストレッチ”は小顔効果やシワ予防が期待されると知ってからは、日々鏡の前で実践中。

実際、舌を動かすことによって顔の筋肉も鍛えられるため、リフトアップも期待できます。

まさに、“舌の筋トレ”なのです。

そこで今回の記事では、美容に良いといわれている舌のストレッチの効果やその方法について解説します。

1.意外と知らない舌の秘密

舌のストレッチ

舌は、口の中にある大きな筋です。

ただし、一つの大きな筋肉ではなく、さまざまな役割を持った複数の筋でできています。

内舌筋、外舌筋という2つの部分からできていて、内舌筋は舌の形を変える筋、外舌筋は舌を前後左右に動かす筋です。外舌筋は舌根の部分で骨とつながっていますが、先端はどこにもつながっていません。

口の中にすっぽり収まっている舌は、外から見える部分が小さいので、どれくらいの大きさなのかを意識したことがある方はあまり多くはないでしょう。

普段何気なく動かしているので、それほど重いものを動かしている感覚はないはずです。

しかし、実は舌のサイズは意外と大きく、分厚いステーキ1枚分に相当する約200gもあります。大きさがわかると、舌をうまく動かせないことがさまざまなトラブルにつながるということも理解できるでしょう。

2.舌の機能とは?

サラダを食べる女性

舌は口の中でさまざまな働きをしています。

舌の役割と聞いて多くの方が思い浮かべるものだけではありません。しかも、どの役割も人間が生きていく上で大事な働きばかりです。この段落では、舌が持っている大事な役割について解説します。

2-1.味を感じ取る機能

味を感じることは、舌の機能として多くの方が思い浮かべるであろう基本的な機能です。

舌には糸状乳頭、有郭乳頭、茸状乳頭、葉状乳頭という4種類の乳頭があります。

糸状乳頭を除いたそれらの乳頭にある味蕾という部分は、甘味、塩味、酸味、苦み、うま味を感じ取る大事なセンサーです。

味覚は、腐ったものや毒のあるものが体内に入らないようにするために欠かせない感覚なので、化学物質などの刺激により、センサーが鈍らないようにする必要があります。

2-2.物を食べるための機能

舌には物を食べるのに欠かせない、咀嚼、嚥下という機能があります。

口に運んだ食べ物を受け取るのが、食事における最初の舌の役割です。

舌で食べ物を口蓋に押し付け、硬さや温度などを判断します。

硬さや温度に応じて舌の使い方を変え、柔らかい場合はそのまま押しつぶし、硬い場合は奥歯の方へ送り込んで咀嚼します。

食べ物の種類に合わせて噛みやすいところに運ぶのは舌の役割です。十分に咀嚼した食べ物は、舌が喉の方に押し出し、嚥下できるようにします。

2-3.話すための機能

話をする時にも、舌の働きが重要です

言葉を発する時、私たちは普段特に意識していませんが、実は唇や舌、歯茎など、口の中のさまざまな部位をたくみに操りながら発しています。

特に舌は、色々な音の発音を作る際にたくさん使用する部位なので、舌の機能を良い状態に保つことが重要です。

3.舌の機能低下で起こるトラブルとは?

舌に悩む女性

加齢によって舌をうまく動かせなくなると、さまざまなトラブルが起こり得ます。

普段から舌を鍛えていないと、若いうちから衰えの影響が出るかもしれません。この段落では、舌の機能低下によって、どのようなトラブルが起こるのかを解説します。

3-3.食べこぼしが増える

食べ物を受け取り保持する機能が衰えると、食べ物を口に運んでも舌の上にうまく乗せるができず、口の中に一旦収めても、噛みやすい場所に運ぶ前にこぼれ出てしまいます。

必要に応じて舌を上下左右に動かしたり、舌の形を変えたりすることができなくなっている状態です。

3-4.食べ物をうまく噛めない

食べ物を噛むのは歯の役割ですが、食べ物の硬さに応じて適した場所に運ぶのは舌の役割です。

また、物によっては、歯と舌の間、舌と頬筋の間で粉砕するので、舌がうまく動かないと、上手に食べ物を咀嚼することができません。

3-5.食べ物をうまく飲み込めない

咀嚼の済んだ食べ物を喉の方に運ぶためには、舌の形を変えなくてはなりません。

うまく形を変えられないと、喉の方に食べ物が押し出されないので、食べ物が口の中に長く残ったり、外に流れ出たりしてしまいます。
高齢者になり、舌の筋力が衰えてしまうと、うまく嚥下ができずに誤嚥性肺炎が起こりやすくなります。

3-6.いびきをかく

舌はもともとかなり大きなものですが、根元に脂肪がつくと肥大し、喉をふさぎやすくなります。

また筋力が落ちることで舌のポジションが保持できなくなると、特に仰向けに寝る場合に重い舌が喉の方に落ち込み、気道をふさいでしまいます。いびきが大きくなるのは、狭くなった気道を呼吸に合わせて空気が通過するからです。

3-7.口呼吸になる

舌の筋力が低下すると、舌のポジションが通常よりも低くなります。

口を閉じている時、舌は口腔内の上側に密着しているのが本来の形です。

筋力が弱まると上あごの壁には付かなくなり、口を閉める筋力が緩むため、無意識のうちに口呼吸になってしまいます。

3-8.滑舌が悪くなる

舌が上下左右にうまく動かなかったり、形を変えられなかったりすると、発音できない音が出てきます。

舌を動かすことができても、素早く動かせないので、発音しにくい単語が出てくるでしょう。

4.舌のストレッチによる影響

横顔が美しい女性

舌のストレッチとは、舌筋を鍛えるトレーニングのことです。
舌はほとんどの部分が筋肉なので、トレーニングを積み重ねて鍛えることができます。

この段落では、舌のストレッチをすることで、どのようなことが期待できるのか解説していきます。

4-1.二重あごの解消・小顔効果

舌を動かすと、あごや喉元の筋肉が引っ張られます。

あごや首の筋肉を引き締めるためには、舌を突き出したり、前後左右に動かしたりすることが有効です。

顔の角度を変えたり口を大きく開いたりすることで引っ張られる部位が変わるので、顔全体の表情筋を鍛えることにもなり、小顔効果も期待できます。

4-2.滑舌の改善

舌が回らず発音しづらい音がある場合、舌のストレッチを繰り返すことで発音しやすくなります。実際、アナウンサーやシンガーなど、声を仕事にする方は、舌のトレーニングを欠かさず実践しています。

舌を前後左右に動かしたり、形を変えたりして可動域を徐々に増やしていけば、舌のポジションを素早く変えられるようになり、滑舌が良くなります。

4-3.咀嚼・嚥下機能の回復

咀嚼、嚥下の機能が低下している場合、舌をストレッチして動きをよくすることで機能に良い影響をもたらします。

舌に乗せた食べ物を噛みやすい位置にもっていき、噛み砕いた食べ物をきちんと飲み込むためには、舌が正しいポジションに素早く動くようにする必要があります。

舌を前後左右に素早く動かせるようになれば、一連の動作をスムーズに行えるようになります。

4-4.いびきの軽減

舌の付け根の筋力が落ちると、仰向けに寝た時に舌が奥に入り込み、気道を狭くしてしまいます。

狭い気道を呼気が通り抜けるといびきになるので、舌の筋力を鍛えて正しいポジションに納まるようになれば、いびきは軽減できます。

4-5.口呼吸の改善

普段の舌のポジションが低い位置になると、鼻呼吸がしづらくなり、無意識のうちに口呼吸をすることになります。

舌をストレッチして、高い位置でキープできるようになれば無理なく鼻呼吸できるので、口呼吸しなくても済むようになります。

5.隙間時間にできる! 簡単・舌ストレッチ

まず、頭の後ろで両手を組んだら、あごを上に引き上げます。
この時、首前方の筋が伸びるのを感じられるくらいしっかり引き上げることが大切です。
そうすることで奥に落ち込んでいる舌の根元も引き上げられます。

次は、あごを上にあげた状態で、今度は舌を前方や上方に向かって伸ばしましょう。
上に伸ばす時は、舌の先を鼻先につけるくらいの気持ちで伸ばすのがコツです。

舌を伸ばした状態で1分~1分半キープします。胸を張って、腕を体の後ろで組むようにするとより効果的です。

舌のストレッチ

それから、口の中で舌を前後左右に動かすストレッチもやりましょう。
口を閉じた状態で舌を浮かせ、舌を丸めないように気を付けながら、奥に引いたり、左右に動かしたりします。

舌のトレーニング

舌を丸めずに伸ばしたまま引っ込めるのは慣れるまで大変ですが、あごや首の引き締め効果は抜群です。

6.舌ストレッチでいつまでも若々しく

舌のストレッチは、舌が本来持っている機能を保つために必要な運動であるのと同時に、顔の表情筋や首筋の筋肉を鍛えることにもつながります。

表情筋や首筋の筋肉を引き締めれば、舌の機能はもちろん、見た目年齢も若い状態を維持できるでしょう。

舌のストレッチは老若男女を問わずできるトレーニングです。
舌が動きにくくなってからはじめるのではなく、動かしやすいうちに始めておくと良いでしょう。

ただし、トレーニングを行う際には、決して無理は禁物。

「はやく小顔になりたい!」
からといって、決して無理はしないようにしてくださいね。

まだ慣れないうちに1日に何回もトレーニングをすると筋を痛めかねませんので、毎日少しずつ継続していくことが大事です。

体の筋トレも、突然はじめると激しい筋肉痛になるのと同じで、舌も同様です。

“美と健康”は、毎日少しずつ着実に。

ぜひ、毎日できることから、チャレンジしてみてください。

廣江 好子

【ライター】

美容・健康ライター。
ダイエッター歴○十年から脱却した、美を愛するアラフォー健康オタク。
趣味は料理と筋トレ。

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