こんにちは。WELLMETHODライターの和重 景です。

「身体がほてる、イライラするなど情緒不安定になる」
「急に月経が不順になったもしくは無月経になった」

まだ40代前半、または20代・30代であるのに、このような症状を経験をされた方はいませんか。 

月経不順やイライラ・情緒不安定が続くと、女性として気になることが更年期障害ですよね。「まさか」と思う反面、「とうとう自分に更年期が来てしまったのかしら」なんて、悩む女性も少なくないかと思います。

更年期障害というと、一般的に閉経の前後5年間といったイメージがありますが、実は20~40代前半の女性にみられる「若年性更年期障害」という更年期障害に似た症状があります。

近年、この若年性更年期障害の症状を訴える女性が増加傾向にあるそうです。

若年性更年期障害とは、一般的にいわれる更年期障害と何が違うのでしょうか。また、原因や、ならないための予防・対策などはあるのでしょうか。

今回はこの若年性更年期障害について、原因や日常生活で気を付けるポイントなどについてご紹介したいと思います。

▼医師が伝える若年性更年期障害の原因と対策

若年性更年期障害|意外な原因と医師が勧める12の対策

1.若年性更年期障害とは

20代~40代前半あたりの女性が、通常は更年期に訪れる身体の不調を感じることをいいます。一般的に女性の閉経は平均50歳前後といわれており、その前後10年間に現れる女性ホルモンの乱れと自律神経の乱れに伴う症状を更年期障害と呼びます。

アネモネ

1-1.症状

若年性更年期障害の身体に現れる症状としては、のぼせ・発汗・動悸・倦怠感・めまい・微熱・疲労感・頭痛・食欲不振・肩こり・頭痛・不眠・冷え性などがあります。

また、精神的な症状としては、不安・イライラ・うつ・やる気の低下・集中力低下・記憶力低下など。現れる症状や度合いは人によりさまざまあります。

▼若年性更年期障害セルフチェックの方法

若年性更年期セルフチェックと30代からはじめる女性の健康のつくり方

1-2.原因

一般的な更年期障害の場合、加齢による生理現象としての卵巣機能の低下が原因となりますが、若年性更年期障害は過度なダイエット・ストレス・過労や睡眠不足・生活習慣の乱れ・不規則な食生活などが原因となり、身体のさまざまな部分で不調があらわれます。

▼若年性更年期障害の詳細についてはこちら

20~30歳代に起こる若年性更年期症状の原因を解説

1-3.メカニズム

ダイエット

若年性更年期障害が引き起こされるメカニズムには、私たちの自律神経や女性ホルモンの分泌をコントロールする視床下部や女性ホルモン「エストロゲン」を分泌する卵巣が大きく関係してきます。

通常、閉経の際におこる更年期障害では、加齢による卵巣機能の低下によりエストロゲンの分泌が減少し、その結果自律神経が乱れ、更年期障害の症状があらわれます。

この卵巣機能低下は、女性が子供を産む年齢が過ぎ、卵子が減少するという生物的なプログラムにより、自動的に起こるものです。その為、月経がなくなる閉経期を迎えるのですが、これは避けることができません。

一方で、若年性更年期障害の場合、卵子がなくなる為に卵巣機能が低下するのではありません。

原因である過度なダイエット、ストレス、不規則な生活習慣などにより、月経不順が起こり、視床下部を介して卵巣刺激ホルモンの低下や卵巣からの女性ホルモン「エストロゲン」の分泌低下が起こった結果、自律神経が乱れ、更年期障害に似た症状が身体にあらわれます。

2.若年性更年期障害を予防・改善するポイント

若年性更年期障害の可能性がある場合、まずは原因となる生活習慣の改善を行うことが大切です。また、ストレスを解消する・適度な運動などを行い、心身の状態を整えるようにしましょう。ケースにより薬物治療を行うこともあります。

2-1.生活リズムを整える

生活リズムの乱れは、体内時計を乱すことでホルモン分泌のリズムを乱し、自然と身体に負担がかかりやすくなります。

そのため、まずはご自分の生活リズムを整えてみましょう。

毎朝決まった時刻に起き、決まった時刻に寝る。朝起きたらカーテンを開けて朝日を浴びる、寝る前はテレビやスマートフォンを見ないようにして睡眠の質を上げるなど、身体の日内リズムを整えることもおすすめです。

朝日を浴びる女性

2-2.バランスのとれた食事を意識する

過度なダイエットにより無理に食事を抜いたり、お菓子やスナックを食事の代わりに食べたりするなど、偏った食生活は自律神経の不調にもつながります。

そのため、1日3食のバランスのとれた食事がとれるように改善しましょう。特に、女性ホルモンの働きを助けるイソフラボンを多く含む大豆製品を積極的に摂るように心がけましょう。

▼医師が解説する女性ホルモンをサポートする食材

ホルモンバランスの乱れ、原因と対策とは?医師が解説する今日からできる備え

2-3.ストレスを解消する

普段の生活で、ストレスを完全に避けることは難しいため、日頃からたまるストレスを上手く解消するように心がけましょう。

好きな音楽を聴いたり、映画をみたりすることでもストレス解消につながります。また、半身浴などもリラックス効果があるといわれています。好きなアロマやハーブを生活に取り入れるのも良いでしょう。

音楽鑑賞をする女性

2-4.適度な運動習慣をつける

普段、デスクワークや自宅にこもりがちな人は、意識的に運動する習慣をつけてみましょう。運動することで血流が改善する他、気分転換もできてストレス解消につながります。ウォーキングや散歩、ヨガなども効果的です。

2-5.薬物治療

若年性更年期障害では、ホルモンバランスを安定させるために、ホルモン補充や低容量ピルなどを活用することがあります。

また、その人の原因や症状に合わせて漢方薬などを使用することもあります。婦人科などの医療機関で医師に相談してみましょう。

▼ホルモン補充療法の詳しい解説はこちら

体調が悪いのは女性ホルモンが原因? 海外期待の“ホルモン補充療法”という可能性

3. 他にもある? 更年期障害に似た症状が現れる病気

更年期障害に似た症状が現れる病気は若年性更年期障害の他にもいくつかあるのでご紹介します。

3-1.早期閉経

若年性更年期障害と同じような症状が現れる一つとして、早期閉経があります。早期閉経とは、40歳未満で閉経してしまう場合のことで、基礎疾患に伴うものや環境汚染物質などの様々な原因が考えられていますが、75〜90%は原因不明とされています。近年は初潮年齢の低年齢化により早期に閉経するケースも増加傾向です。

花摘みをする女の子

早期閉経は、治療しないまま放っておくと女性ホルモンのエストロゲン減少の影響で骨がもろくなる骨粗鬆症や、血管の柔軟性が失われ動脈硬化の原因になりやすくなります。そのため、食生活やライフスタイルの工夫を行い、場合によっては婦人科に相談することをおすすめします。

完全に卵子が消失してしまう場合と、卵子が卵巣に残っているものの排卵しない場合があり、妊娠希望の場合、後者であれば治療の余地があると考えられています。

3-1-1.早期閉経の治療法

早期閉経の代表的な治療法としては、減少した女性ホルモン(エストロゲン)を補充する治療法が取り入れられます。ホルモンを補充することで症状を緩和するほか、骨粗鬆症を予防する効果があります。

また、東洋医学の観点から漢方治療などと組み合わせて治療するケースも多くあります。

3-2.月経前症候群(PMS)

月経前症候群(PMS)は月経周期による女性ホルモンの変動によりあらわれるといわれています。主に月経前にイライラやだるさなどが続き、月経開始とともに症状が消失します。

3-3.甲状腺の病気

バセドウ病や橋本病などの甲状腺の病気でも更年期障害と似た症状がでることがあります。
血液検査により、甲状腺ホルモンや自己抗体などを測定することで診断が可能です。

3-4.続発性無月経

月経が開始した後に、3か月以上、もしくは定期的に月経が来ていた3サイクル以上止まっていることを言います。この場合ストレスなどの原因を取り除くことが必要となります。

そのほかの疾患としては、卵巣膿腫や卵巣がんなどで卵巣を摘出した場合でも閉経状態になり、更年期障害の症状がみられることがあります。この場合も骨粗鬆症のリスクが高くなるためホルモンを補充する治療法が選択される場合があります。

薬物治療

4.まずは婦人科を受診してみましょう

もし、無月経や月経不順が続くようであればまず婦人科の受診をおすすめします。大切なのは、その更年期障害の症状の原因が、ホルモンバランスの乱れによるものなのか、早期閉経なのか、他の疾患が隠れているのかを見極めることです。

卵巣機能が落ちておらず、ホルモンバランスの乱れが原因の場合でも、放っておくと将来早期閉経・骨がもろくなる・不妊症の原因になりやすくなるため、早めの治療・対策が必要です。

また、原因によって治療法やその対策が異なってくるため、症状がある場合は自分で診断せずに、婦人科にかかって医師に相談してみましょう。

5. 心と身体にいたわりの時間を

いかがでしたか。

まさか自分がもう更年期? と心配する方もいるかもしれません。

若年性更年期障害の女性が多くなってきたといわれる今、私たちのような現代を生きる女性は、若い頃からストレス下にさらされ、多忙の日々を送っているのかもしれません。

実は、筆者自身も10代や20代の頃と同じ感覚でオーバーワーク気味に仕事をしたり、睡眠時間を削って家事をしたりすることがしばしばあります。

そうすると、翌日疲労感が残ってしまい、頭痛やほてりなど身体の不調があちこちにあらわれるなど、反省することが多々あります。

リラックスして眠る女性

自分はまだ大丈夫と思っている方も、毎日忙しく頑張っている人も注意が必要です。

慌ただしく過ごしていると、知らず知らずのうちに身体に負担をかけてしまっていることがあります。心身に無理をかけることは、病気につながる可能性があります。

ホルモンバランスが乱れやすい私たちの年齢だからこそ、意識して心と身体をいたわる時間を作っていきたいものですね。

監修:内科医 桐村里紗