こんにちは、WELLMETHODライターの廣江です。

みなさんは子宮筋腫についてどれくらいご存じでしょうか。

「手術は必要なの?」
「妊娠はできなくなるの?」
「ホルモンバランスに影響はあるのかしら?」
「更年期障害のような症状が出るのかな?」

なんて思う方もいるでしょう。

筆者自身は、子宮筋腫といった名前は聞いたことがあるけれど、検査や治療法など具体的な内容についてまではよく知りませんでした。

子宮筋腫は、30歳以上の女性の4人に1人は発症するといわれているほど、頻度の高い婦人科系の病気の一つです。

もしかすると、妊婦検診や子宮がん検診で見つかったという方や、友人や親戚から子宮筋腫と診断されたという話を聞いたことがある方もいるかもしれません。

もしいま症状がない場合でも、今後の健康維持のために、女性の身近な病気の一つとして知っておくことは大切です。

今回は40歳、50歳代の女性にこそ読んでほしい、身近な病気である「子宮筋腫」について原因や治療法などについてご紹介したいと思います。

1.子宮筋腫とは?

子宮筋腫

子宮筋腫とは、子宮の筋肉にできる良性の腫瘍(こぶのような塊)です。

子宮は、筋肉でできている臓器ですが、筋肉の細胞が増えて塊を作ったものが、筋腫です。

子宮筋腫は40歳代の女性にもっとも多く、小さなものを含めると30歳以上の女性の約2~3割にみられるといわれるほど、婦人科系では頻度の高い病気の一つです。

子宮筋腫は良性の腫瘍なので、悪性の腫瘍ではありません。一方で、貧血や痛みなどの原因や不妊の原因となることがあります。子宮筋腫は悪性化しないと考えられていますが、悪性である子宮肉腫との鑑別が難しい場合もあります。

子宮筋腫が大きくなる原因として、女性ホルモンの一つであるエストロゲンが関係していると考えられています。

そのため、閉経しエストロゲンの分泌が減少すると、子宮筋腫はゆっくり小さくなるといわれています。

形や大きさはさまざまで、米粒大の小さなものから、骨盤内や腹腔を占拠するほどの大きなものまであります。個数も一つ発生するだけではなく、複数が組み合わさっていることもあります。

子宮筋腫はできた場所によって、子宮の内側(粘膜下筋腫)、子宮の外側(漿膜下(しょうまくか)筋腫)、子宮の筋肉の中(筋層内筋腫)に分けられます。

2.原因

子宮筋腫ができる明らかな原因はまだわかっていません。

ただし、子宮筋腫の成長には女性ホルモンの一つであるエストロゲン(卵胞ホルモン)が関係していると考えられています。

そのため、子宮筋腫は赤ちゃんから小学生までの子どもにはみられず、高校生や大学生のころから徐々に増えはじめ、ホルモン分泌が盛んな成熟期となる30代後半や40代頃の女性に急増するといわれています。

3.主な症状と種類

具合が悪い

子宮筋腫の主な症状としては、生理の血液量の増加や生理痛です。

生理の血液量が増えると、しばしば貧血を起こすことがあり、顔色が悪くなる、立ちくらみ、動機、倦怠感を伴うこともあります。

また、子宮筋腫が大きくなると子宮の周りの臓器を圧迫し、生理以外の出血や下腹部痛・腰痛、性交痛、排尿困難(尿がでにくい)、便秘などを起こすことがあります。

症状の強さは、筋腫ができた部位や大きさ、個数によって異なります。

3-1.粘膜下筋腫

粘膜下筋腫は筋腫の大きさにかかわらず生理痛や生理の出血量の増加がみられます。

また、不正出血や不妊・流産の原因にもなります。筋腫が小さくても症状が強くでやすい部分であり、生理量の増加し貧血を伴うこともしばしばみられます。

また、生理痛が徐々にひどくなる場合、子宮内膜症を合併していることもあります。

3-2.漿膜下(しょうまくか)筋腫

漿膜下筋腫は、生理に影響を与えないため、筋腫が大きくなるまで症状がでない傾向があります。

そのため、自覚症状が全くないケースがあります。とくに筋腫が大きくなるまで気づかないことも多く、あまりにも大きくなると、しこりを自分で触れることができ、圧迫感、腰痛、便秘、排尿障害を感じることがあります。また、茎部がねじれる(捻転)と激しい痛みを起こします。

3-3.筋肉層筋腫

筋層内筋腫は、小さいものでは症状が出ませんが、大きくなると不正出血や流産・早産の原因になることがあります。

4.どんな検査をするの?

病院

子宮筋腫の検査には、内診、超音波検査があります。

また、大きな筋腫や手術を考える場合など、必要に応じてMRI検査を行うこともあります。貧血の程度や子宮体がん、子宮肉腫との鑑別のため、血液検査や子宮がん検診をあわせて行うこともあります。

4-1.内診

内診では、腹壁からの子宮全体の形や大きさ、痛みなどを確認します。

4-2.超音波検査

超音波検査では、筋腫の正確な位置や個数・大きさを細かく確認します。

4-3.MRI検査

超音波検査では映らないような石灰化した筋腫や、奥にある筋腫、さまざまな種類の機種ができる「多発性筋腫」の診断のために用いることがあります。

大きな子宮筋腫は、子宮肉腫との区別難しいことがありますが、大きさ、年齢、大きくなるスピードなどで判断します。

5.どんな治療法があるの?

治療

子宮筋腫は良性の腫瘍のため、すべての子宮筋腫に対して治療が必要というわけではありません。

年齢、筋腫の大きさ、発生部位、症状の程度、妊娠出産の希望の有無などにより、経過観察・薬による治療・手術と治療法は異なります。

一般的に、貧血や腹痛、腰痛、排尿困難などの自覚症状がない場合は経過観察になることが多く、症状があっても軽い場合は薬による対症療法が中心です。

一方で、日常生活に影響がでるほどに症状が悪化した場合は、妊娠希望の有無や子宮を温存のするのかどうかを考えながら、薬物療法(ホルモン療法)、手術、子宮動脈塞栓術などの治療法を選択していきます。

いずれの治療法もメリットとデメリットがあり、治療法に関しては担当の先生から十分に説明を受けた上で、ご自身のライフスタイルを考えながら治療に臨むことがベストです。

5-1.経過観察

子宮筋腫が小さく、無症状もしくは症状が軽症の場合は治療の必要はなく、およそ半年~1年の間隔で様子を見ながら経過観察を続けます。

5-2.薬物療法

薬物療法

子宮筋腫を根本的に治す薬はいまのところありません。

しかし、薬によって子宮筋腫の大きさを小さくすることや、出血や疼痛を抑えることは可能です。薬物療法は、いま出ている症状を抑える対症療法と、女性ホルモンを調節して症状を抑えるGnRH療法の2つがあります。

1.対症療法(鉄剤・鎮痛剤)

子宮筋腫は、月経血の量が多くなる為、重度の貧血を合併しやすくなります。貧血に対しては、鉄剤を服用します。病院で処方が可能な鉄剤は、胃がムカムカするなど胃腸症状が出ることがあるため、その際は胃腸薬を一緒に飲むか、注射に切り替えます。

また、下腹部の痛みに対しては痛み止め(消炎鎮痛剤)を使用することがあります。

2.GnRHアナログ治療(偽閉経療法)

GnRHアナログ療法とは、薬を使用することで卵巣からの女性ホルモンであるエストロゲンの分泌を一時的に抑え、子宮筋腫を小さくする方法です。治療中は生理がなくなることから、偽閉経療法とも呼ばれます。

鼻の穴に直接スプレーをかける点鼻薬(毎日)や4週間に1回注射する注射薬などがあります。

GnRHアナログ療法は、症状が改善する一方で、女性ホルモンの分泌が少なくなる影響で、更年期に似た症状の出現や、骨量(カルシウム)が減少するリスクが高くなることがあります。そのため半年以上になる長期での治療はできません。

また、治療中の子宮筋腫は半分近く小さくなりますが、治療を中止すると元の大きさに戻ることが一般的です。

そのためGnRHアナログ療法は、手術前の一時的な使用や、閉経が間近なケースに用いられます。

3. 低用量ピル(低用量エストロゲン・プロゲスチン配合薬)

子宮筋腫の治療薬には低用量ピルが用いられることもあります。筋腫が大きくなるスピードを遅くすることに加え、月経量を減らし、生理痛や貧血などの症状を改善する効果が期待できます。

5-4.手術療法

診察

子宮筋腫の手術には、子宮ごと筋腫をとる手術(子宮全摘術)や筋腫のみとる手術(筋腫核手術)があります。

一般的に子宮筋腫の手術を考えられる方は、筋腫の大きさが手のこぶし以上、貧血などの症状が強い、筋腫の大きくなる速度が速い、悪性が疑われるときなど、薬を使用しても症状が改善できない場合に用いられます。

また筋腫が原因と思われる不妊症や流産・早産の経験がある場合も手術が選ばれています。

1.子宮全摘手術

今後妊娠を望まない場合や悪性の疑いがある場合には子宮ごと摘出します。

お腹を開いての手術の場合、傷が大きくなるため状態が落ち着き通常の生活に戻るまでは約3週間~1か月ほどかかります。

子宮全摘手術のメリットとして、子宮が完全に摘出されるため、子宮がん検診を受ける必要がなくなります。また、生理もなくなるため毎月のわずらわしさから解放されます。

デメリットとしては、手術後の腹腔内の癒着は必須であり、それに伴う腹部のひきつれ感や腸管の癒着による運動障害です。

両側の卵巣は残るので、卵巣からの女性ホルモン分泌は変わらずに続きます。

2.筋腫核手術

筋腫核手術は、子宮は残して筋腫だけをとる手術方法です。将来妊娠を望む場合や、子宮の残したいという希望の強い人に対して行います。

手術の方法として、お腹を開いて行う開腹手術や、お腹を開けない代わりに小さな穴をあけて手術する腹腔鏡下手術といった方法があります。これらは子宮筋腫のある部分、大きさ、数などを考慮し決定されます。

注意点として、手術の際に出血が多くなること、また、直接見るだけではわからないような小さな筋腫は取り残される可能性があり、数年後に子宮筋腫が再発する可能性もあります。

3.その他の治療法

子宮筋腫の手術には新しいタイプの治療法もあります。

子宮につながる栄養血管をゼラチンのような物質を使い、意図的に詰まらせて筋腫を小さくし、症状を改善する子宮動脈塞栓術(UAE)や、強力な超音波で筋腫を加熱し壊死させる集束超音波治療(FUS)などがあります。

保険適応でないものや医療機関によってはできない術式もありますので、気になる方は担当医に相談してください。

6.一つでも気になる症状がある場合は医療機関を受診しましょう

いかがでしたか。

40~50代の私たちは、常日ごろ忙しく、自分の健康に関しては特別な不調がない限りしっかり向き合う機会があまりないかもしれません。

しかし、子宮筋腫は生理のある女性にとって、もっとも多い病気の一つです。治療法はさまざまなものがあり、ご自身のライフスタイルに合わせて選択することが可能です。

また、これからの健康維持のためにも、女性がかかりやすい病気については知識として身につけておくことが大切です。

少しでも心当たりがある、検査をしてほしいと気になることがある場合は、婦人科の医療機関を受診し、医師に相談しましょう。

いつまでも健やかな毎日を送るために。これからもご自身の体としっかり向き合っていきましょう。

監修:内科医 桐村里紗

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