【医師解説】食べ順だけで脱ぽっちゃり!「先野菜ダイエット」で1カ月数キロ減らす9つのコツ
こんにちは。
医師で予防医療スペシャリストの桐村里紗です。
私が患者さんにお勧めして、人によってはあまりにも簡単に痩せるのでビックリしているのが「先野菜ダイエット」です。
普段の食事を全く変えずに、ほとんどの患者さんが1カ月目から体重が減少し、多い人では、1カ月に3~4kg痩せた、中には2カ月で8kgも痩せたという患者さんもいました。
「え?本当にそれしかやってなかったのですか?」とこちらが聞きたくなるくらいですが、皆さん、それ以外やっていないとのこと。
私が診察していたのは、50代以上で生活習慣病のあるちょっとぽっちゃり型、メタボ型の方々です。
年代的には痩せにくい方々が、「先野菜ダイエット」だけで痩せたというからには、是非、ダイエットはしたいけど、ガマンは嫌!という方は、試しに実践してみてください。
目次
1.「先野菜ダイエット」で脱ぽっちゃり
ゆったりした心で楽しむ食事は、ガツガツ早食いはしないものですね。
心に余裕がない時ほど、食べたか食べていないかを忘れるほどに、食べ物を一瞬で飲み込んでしまいます。
早食い、大食いになりがちになりますが、心は満たされずにもっと欲しい。
ゆったりとした心で、食事をゆったり楽しみながら、先に野菜をもりもり食べる。
コース料理をヒントに、先野菜ダイエットを実践してみましょう。
2.先野菜ダイエットとは?
先野菜ダイエットは、コース料理がお手本になります。
2-1.コース料理をお手本に
例えば、レストランでフレンチのフルコースや和懐石を食べることを想像してみましょう。
実は、このコース料理の食べ方が、先野菜ダイエットのヒントになります。
コース料理は、目にも鮮やかな野菜たっぷりの前菜から始まり、スープをゆっくりと頂き、その後、メイン料理として魚や肉などのタンパク質などをパンと一緒に頂きます。
和懐石も同様で、野菜や魚、肉などの料理がゆっくりと出てきた最後に、ご飯がようやく出てきます。
このゆったりとした時間と食べる順番がお手本になります。
2-2.まず先にたっぷり野菜を食べること
「先野菜ダイエット」とは、
1)食事の最初に、食物繊維が豊富な野菜や海藻、豆類などのプラントベースの食事をもりもり食べておくことです。
先に食べた野菜や海藻、豆類、キノコ類などの食物繊維が、後から来る食事の余分な油や糖質を包み込んで、吸収を抑え、排泄しやすくなります。
2)野菜をたっぷり食べた後に、メインのおかずとして肉や魚などのタンパク質を食べます。
3)最後にご飯などの炭水化物を摂る
この順番が大切です。
初めに、たっぷりの野菜類を食べることを守れば、メインのおかずと一緒にご飯を食べても構いません。
2-3.先野菜のメニュー
先野菜のメニューは、たっぷりの野菜類・海藻類・豆類・キノコ類など、食物繊維を多く含むものを組み合わせて食べましょう。
腸内細菌のエサになるプレバイオティクス食品でもあるので、腸内環境の改善にも最適です。
野菜を含むメニューに、卵などの動物性タンパク質が少し含まれていてもOKです。
・きんぴらごぼう
・豆と海藻たっぷりのサラダ
・キノコの塩麹炒め
・野菜たっぷりの具沢山スープや味噌汁
特に、野菜は根菜を選ぶと、食物繊維がしっかりとれます。
玉ねぎも便利ですし、スープに甘味が加わりますので、私はよく使います。
豆は、大豆や黒豆、レンズ豆やヒヨコ豆などのミックスビーンズサラダにするととても美味しいですし、手軽です。
レンズ豆は浸水時間も水煮時間も短時間なので、スープにも便利です。
レタスやベビーリーフなどのサラダで食べる葉っぱ類は、ボリュームの割にほとんど食物繊維を含みません。
食べても良いですが、これ以外にも野菜料理をプラスした方が良いですね。
キャベツの千切りなどを加えてカサを増すと、食べ応えのあるサラダになり、噛む回数が増えるため、脳も満腹を感じやすくなります。
2-4.ゆっくりとよく噛んで食べること
野菜料理をあっという間に食べてしまうのでは、意味がありません。
よく噛んでゆっくりと食べることです。
野菜に限らず、噛む回数の目安は、1口で30回以上です。
しっかり噛むことで、消化も良くなりますし、満腹感を得やすくなります。
食事開始から20分くらいしてから、ようやく脳は満腹感を感じ始めますから、20分未満でチャチャっと食べ終わるのでは無く、とにかくゆっくりとゆったりと時間をかけて食べることが大切です。
先野菜する場合、ゴボウなどの硬い根菜類がお勧めです。
きんぴらごぼうは、しっかり噛まないと飲み込めないほどに硬いので、我が家の定番メニューです。
大根などを大きめに切ったゴロゴロ野菜を入れたスープも食べ応えがあってお勧めです。
2-5.糖質の多い野菜は後
野菜といっても、糖質の多い芋類は、炭水化物扱いです。
よくある勘違いですが、「ポテトサラダ」は「サラダ」ではなく、主食です。
カボチャも甘味が強いので、ここでは最後の方にしましょう。
少々使うのは構いません。
ホコホコした甘味があるものは、後にしておきましょう。
2-6.炭水化物として摂るならば白より黒
炭水化物として摂るならば、白よりも黒をお勧めします。
玄米は、消化が悪く解毒作用が強いため、胚芽米程度をお勧めします。
胚芽米や雑穀米。
また、麺類であれば、うどんよりも蕎麦。もちろん、十割が理想的です。
パンは美味しいですが、現代の小麦が含むグルテンは、もちもち美味しさの反面依存性がありますので、ライ麦や大麦、古代小麦などを使った黒いパンを選びたいところです。
ちなみに、白いパンをありがたがるのは日本人だけ。
もともとパン文化の外国では、黒いパンを基本としています。
2-7.フルーツやスイーツは?
砂糖や果糖、ブドウ糖などを含むフルーツやスイーツを食べる習慣がある人は、空腹時の間食では無く、食後すぐのデザートにする方が、血糖値が上がりづらく、吸収も抑えることができます。
そうはいっても、糖質の多い食べ物は控えめに。
特に、血糖値をあげると睡眠中の成長ホルモンの分泌を低下させ、低血糖になると覚醒作用があるため、睡眠の妨げになります。
夜よりも、活動量の多い昼食後のデザートにするのが最もマシだと言えます。
2-8.同じ量を食べてもダイエット効果あり
仮に、全体の食べる量が以前と比べて変わらなくても、先野菜の食物繊維の効果で糖や脂肪の吸収を防ぎ、血糖値の上昇や中性脂肪の上昇を抑える働きもあります。
なので、食事量を減らしたくない人のダイエットにはぴったりです。
2-9.自然に食べる量が減る場合も
先野菜をしてゆっくりよく噛んで時間をかけて食べることで、炭水化物にたどり着く前に満腹になり、自然にご飯の量が減る場合もあります。
この場合、無理に食べずに、お腹の声に従って、満腹であれば、そこでやめておきましょう。
常に満腹でなければ気が済まない!という方も、健康長寿に最も良い「腹八分目」が自然に叶う日が来るかもしれません。
でも、タンパク質が減ってしまうと、体が上手に回らず不調の原因になりますから、おかずはしっかりと食べましょう。
3.計算が苦手なズボラ向き
この先野菜ダイエットは、細かな栄養計算などが苦手で、面倒臭い!というズボラな方にぴったりです。
WELLMETHODの栗本編集長は、緻密な栄養計算をメモするのが得意で、レコーディングによって10キロダイエットに成功した実績があります。
私はその逆。緻密な管理が苦手で、メモが取れないタイプです。
私がみていた生活習慣病の患者さんの多くは、私と同じタイプであるとお見受けし、この方法をお勧めしたところ、成功率が上がりました。
緻密な管理が苦手な方は、ぜひ、食べる順番だけ変えればいい「先野菜ダイエット」を実践してみてください。
この記事の執筆は 医師 桐村里紗先生

桐村 里紗
総合監修医
・内科医・認定産業医
・tenrai株式会社代表取締役医師
・東京大学大学院工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻 道徳感情数理工学講座 共同研究員
・日本内科学会・日本糖尿病学会・日本抗加齢医学会所属
愛媛大学医学部医学科卒。
皮膚科、糖尿病代謝内分泌科を経て、生活習慣病から在宅医療、分子整合栄養療法やバイオロジカル医療、常在細菌学などを用いた予防医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。
監修した企業での健康プロジェクトは、第1回健康科学ビジネスベストセレクションズ受賞(健康科学ビジネス推進機構)。
現在は、執筆、メディア、講演活動などでヘルスケア情報発信やプロダクト監修を行っている。
フジテレビ「ホンマでっか!?TV」には腸内環境評論家として出演。その他「とくダネ!」などメディア出演多数。
- 新刊『腸と森の「土」を育てるーー微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)』
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著作・監修一覧
- ・新刊『腸と森の「土」を育てるーー微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)
- ・『日本人はなぜ臭いと言われるのか~体臭と口臭の科学』(光文社新書)
- ・「美女のステージ」 (光文社・美人時間ブック)
- ・「30代からのシンプル・ダイエット」(マガジンハウス)
- ・「解抗免力」(講談社)
- ・「冷え性ガールのあたため毎日」(泰文堂)
ほか