皆さま、こんにちは。
医師で予防医療のスペシャリスト・桐村里紗です。

冷え性の女性にとっては、酷暑の夏であっても、クーラーや冷たい飲み物、食べ物、体を冷やす食材によって、「冷え」とは無縁ではいられないのではないでしょうか。

私自身も末端冷え性なので、暑がりの主人とクーラーの設定温度や、夜のオンオフで戦いを繰り広げるのが毎年恒例の夏のイベントです。

過去に出版した冷え性対策の本「冷え性ガールのあたため毎日」は、可愛いイラストや具体的な対策が載っていて分かりやすいと好評です。

冷え性ガールのあたため毎日
https://books.rakuten.co.jp/rb/11419765/

今日は、夏の冷え性対策についてお伝えしたいと思います。

1.自分の冷え性を知る

多くの女性が悩む、体の冷え。
万病の元とも言われる、体の冷えは、必ず改善したい体質です。

1-1.「冷え性」とは何か?

冷え性の女性

「冷え」とは、血液の循環が悪く、新陳代謝が低下している状態です。

手足の血流が悪く、手足が冷える人や、内臓の血流が悪く、お腹が冷える人。代謝が悪く、体温が35度台の人など色々なタイプがありますね。

一般的に、甲状腺機能低下症などの基礎疾患がなく、体質的な冷えを「冷え性」と呼びます。

東洋医学の分野では、冷えは、病気のサインと考えられ、立派な治療対象なので「冷え症」と呼んでいます。

1-2.あなたの冷え性はどのタイプ?

冷え性には、タイプがあります。
あなたは、どのタイプでしょうか?チェックが多くついたならば、そのタイプの冷え性を疑いましょう。

1.内臓型冷え性

内臓
1.内臓型冷え性とは?

内臓型冷え性とは、内臓が冷え、内臓機能が低下するリスクがある状態です。

内臓が冷えることで、ホルモン分泌の低下や免疫機能低下、胃腸機能の低下が起こり、月経不順や月経困難症、不妊など婦人科疾患、基礎代謝の低下、消化不良、慢性疲労などに繋がります。

2.内臓型冷え性チェック

内臓型冷え性を疑う、また、内蔵型冷え性を誘発しやすいライフスタイルを確認してみましょう。

1. 体温が低く、35度台である
2. 月経不順など婦人科系のトラブルがある
3. 便秘や下痢などお腹の調子がいつも悪い
4. 太りやすく痩せにくい
5. すぐに風邪をひく
6. 冷たい飲み物をよく飲む
7. 砂糖たっぷりの甘いものが欠かせない
8. 炭水化物中心の食生活だ
9. スープや味噌汁よりサラダやスムージーで野菜やフルーツを多く摂る
10. お腹に手を置くとひんやりする

2.末端型冷え性

末端冷え性
1.末端型冷え性とは?

末端型冷え性とは、手足の末端の血流が悪く、お腹周りよりも手足の先が冷える状態です。
筋肉量が少なく、運動量が少ない女性の多くが悩んでいます。

内臓型ほど深刻でないとは言え、昂じると、お腹や腰まで冷えてしまうこともありますので、対策が必要です。

2.末端型冷え性チェック

1. 手足が冷たい
2. 夕方になると足がむくむ
3. 舌を出すと、ギザギザ歯形がついている
4. セルライトが多い
5. 夏はクーラーが効いていても生足が基本
6. ヒールやブーツをよく履く
7. ガードルや補正下着など体を締め付ける下着を着けている
8. 入浴せず、シャワーで済ませがち
9. 座りっぱなしのデスクワークが中心だ
10. 運動をほとんどしない

多く当てはまるほどにリスクがあると考えましょう。
いずれのタイプも合併している場合もあります。

更年期症状の一貫で起こりやすいのは、末端型冷え性によって下肢は冷えるのに、顔だけのぼせる症状です。
こちらは、この場合は、更年期症状へのアプローチと同時に、下肢の血流を改善する工夫で緩和が期待できます。

2.冷え性は日常から予防する

冷え性は、ないことが健康です。
冷え性があるということは、ライフスタイルに何らかの冷えの原因がありますから、日常から対策をしていきましょう。

2-1.食事からの冷え性対策

冷え性にとって、食事はとても大切です。

冷たい食べ物や飲み物は、物理的に内臓を冷やすだけでなく、体を冷やす食材、温める食材を考慮することもポイントです。

1.冷たい食べ物飲み物は夏でも当然NG

麦茶

当然ながら、夏であっても、冷たい食べ物や飲み物は、物理的に胃腸を冷やします。
細胞の機能は、37℃程度が適正で、それ以下になると酵素の働きが落ち、細胞の機能が低下します。

胃腸を冷やしてしまうと、消化力・排泄力が低下し、基礎代謝が低下し、便秘や下痢、慢性疲労、太りやすいなどの不調の原因になります。

夏バテの原因にもなるため、冷たい食べ物飲み物は是非とも避けたいところです。

冷蔵庫からすぐに取り出した飲み物や氷入りの飲み物は避け、常温か温かい飲み物、スープや味噌汁、煮込み料理などの食べ物を摂りましょう。

2.体を冷やす食材「陰性食品」と温める食材「陽性食品」

食べ物には、体を冷やす「陰性食品」と温める「陽性食品」があります。
これを見分けて、温めるものを中心に日常の食事に取り入れ、冷やすものをなるべく避けましょう。

1.体を冷やす食材「陰性食品」

きゅうりとトマト

利尿を促して体温を下げるカリウムを多く含むものや、糖質の多いもの、カフェインの多いものなどが特徴です。

暑い地方で採れるものや好まれるものは、体を冷やす傾向があります。
体を冷やす「陰性食品」は、以下のようなものがあります。

・夏野菜:きゅうり、茄子、トマト、葉物野菜など
・南国のフルーツ:バナナ、パパイヤ、マンゴー、パイナップルなど
・フルーツ全般:りんご以外のフルーツは、陰性食品に分類されます
        りんごは、中庸にあたります
・砂糖、黒糖
・コーヒー、緑茶などカフェイン入り飲料
・アルコール飲料
・唐辛子など香辛料
・大豆製品(発酵していないもの)
・牛乳

かなり、いろいろな食材がラインナップされますが、これらを禁止というわけではありません。
陰性食品である生の野菜や果物は、腸内環境を整える酵素を多く含むため、日常的に食べたいものです。

調理法の工夫で、陰性食品と陽性食品を組み合わせることで、「中庸(ちゅうよう)」と呼ばれるバランスのとれた状態にすることもできます。

また、発酵させることで、陽性に転換することもでき、例えば、豆腐や牛乳は陰性食品ですが、味噌や納豆、チーズなどの発酵食品にすると陽性食品に転換します。

2.体を温める食材「陽性食品」

玉ねぎ

寒い地方で採れるものや好まれるもの、冬場に採れるものは、体を温める傾向があります。
体を温める「陽性食品」は、以下のようなものがあります。

・根菜類:ごぼう、レンコン、人参、山芋など
・玉ねぎ、カボチャ
・肉や卵、魚介類
・味噌、醤油
・塩
・発酵食品:漬物や梅干しなど

冷え性の人は、これらの食材を中心に、食べると良いですね。
東洋医学的には、塩は、体を引き締めて温め、砂糖は、体を緩めて冷やすと考えられています。

塩分過剰には注意が必要ですが、冷え性体質の人には、適度な塩気も必要です。
発酵食品を積極的に取り入れると良いですね。

3.朝食はスムージーより味噌汁と納豆ご飯

スムージーは、腸活には良いものの、生野菜やフルーツでカリウムを多く含むため、冷えやすい飲み物です。
冷え性の方は、味噌汁にしましょう。

主食のお米は、精製するとやや陰性ですが、胚芽米や雑穀米は中庸になります。
朝は、雑穀ご飯に、わかめと豆腐の味噌汁、納豆。
これで、陰性と陽性が組み合わさった冷えない食事になります。

2-2.冷えないライフスタイルを工夫して

冷え性なのに、クーラーの効いた室内で無防備に過ごすことは、冷え性悪化に繋がります。
ファッションや靴の選び方、入浴方法も工夫しましょう。

1.冷えないファッションはここを温める

レッグウォーマー

冷えないために、ポイントをしっかり押さえて温めること、また締め付けないことが大切です。

・下半身を温める
・膝から足首までを冷やさない
・お腹を冷やさない
・ガードルや補正下着で締め付けない

生足にワンピースという夏のファッションは、内臓型、末端型、いずれの冷え性にも良くありません。

脳は、どちらかというと温まると機能が低下するため、頭寒足熱が大切で、お腹から下の下半身を冷やさないことが大切です。

お腹は腹巻きなどで守りつつ、大きな血管がある膝裏から足首をレッグウォーマーなどで守りましょう。

また、血流が低下する、ガードルや補正下着、タイトなパンツなども避けて、血流が圧迫されない緩めの下着やファッションがお勧めです。

2.ハイヒールやブーツは末端冷え性の元

ハイヒールやブーツは、女性が好むシューズですが、末端冷え性の元に。

歩く際に、足首がしっかり動くことで、下肢から心臓に血液を押し上げるふくらはぎの筋肉、第二の心臓と呼ばれる「ヒラメ筋」がポンプのように動きます。

足首が動かないハイヒールやブーツは、ポンプ作用が低下するので、血流が低下し、むくみの原因にもなります。

足首の動きを妨げないヒールは、3cm程度まで。
理想的にはスニーカーのようなしっかり地面を踏み締めて歩ける靴で、歩くようにすると、末端の冷えが解消します。

3.運動をして筋肉をつけよう

そもそも、女性に末端型冷え性が多いのは、筋肉量が少なく、十分に足を使って運動していないことが大きな要因とされています。

お洒落のためにハイヒールを履くとしても、スニーカーを履いて、しっかりとヒラメ筋を動かす大股ウォーキングやジョギング、また趣味のスポーツ習慣を持つことはとても大切です。

4.シャワーよりもやっぱり入浴

バスタイム

冷え性体質であっても、夏場は簡単にシャワーだけで済ませがちになります。
でも、冷え性を解消しようと思えば、やっぱり血流をしっかり上げるために入浴習慣を持ちたいものです。

リラックスを促す自律神経・副交感神経が活発になると、手足の血管が拡張してポカポカになります。

熱いシャワーや熱いお湯にさっと浸かる方法だと、逆に交感神経を刺激して、手足の血管が収縮してしまい、冷えを増長します。

最適なのは、ゆったり体の芯まで温められるぬるめの半身浴。
夏場は、体温より少し高い程度の38〜40度程度のお湯に、30分程度は浸かりましょう。
お湯がぬるいと感じたら、追い焚きをして、適宜温めながら。

温浴効果を上げる、エプソムソルトや岩塩、炭酸ガスを発生させる入浴剤を入れるのも良いですね。
エプソムソルトは、古くからヨーロッパを中心に愛用されている天然の入浴剤で、最近日本でも女性を中心に人気が高まっています。「ソルト」と言いながら、塩ではなく無味無臭のマグネシウムの結晶「硫化マグネシウム」が主成分です。
岩塩と同じく、入浴効果が高く、血管を緩めて血流を促すマグネシウムも経皮的に補給できます。

5.ストレスは冷えの大敵

ストレスは、血管を収縮させ手足を冷やし、胃腸の動きを低下させることで、末端型、内臓型いずれの冷え性にも悪影響です。

慢性的にストレスを抱えていると、冷え性が治りません。

デスクワークに追われて一日中座りっぱなしの仕事でストレスを抱えているなど、働く女性「あるある」ですが、最も冷え性に良くありません。

そのためにも、ゆったりとした入浴や適度な有酸素運動、それから睡眠をしっかり摂ることが大切です。

6.好きなアロマオイルでマッサージも

アロマオイル

頑張った自分をいたわる意味でも、自分の好きなアロマ精油のマッサージオイルなどで、下肢を優しくマッサージするのも良いですね。

下肢をマッサージする場合、末端から上へなでるようにしましょう。
ぐりぐり押す必要はありません。軽く皮膚が凹む程度の優しい圧で、手のひら全体を使って下から上へ。

また、きつい靴を履いて凝り固まった足の5本指をほぐすように、手で足の指を掴んでぐるぐる回すと毛細血管の血流も改善します。

冷え性は、女性に大切な子宮卵巣機能も低下させ、月経困難症や月経不順、また場合によっては不妊にも繋がります。
更年期症状の一貫である「冷えのぼせ」も、冷え性を放置することで悪化する可能性もあります。

女性にとって、冷え性対策は、健康を保つために必須です。

日常から、実践してみてくださいね。

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詳しくは→ https://wellmethod.jp/present/

医師

桐村 里紗

【総合監修医】
tenrai株式会社代表取締役医師
愛媛大学医学部医学科卒。
臨床現場において、生活習慣病から在宅医療、分子栄養療法やバイオロジカル医療を用いた予防医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。「ヘルスケアは、カルチャーへ」というコンセプトを掲げ、ヘルスケアの「意味」を再定義し、様々なメディアでの発信やプロダクト監修を行っている。
ニオイ評論家としてフジテレビ「ホンマでっか!?TV」「とくダネ!」などメディア出演多数。著書に『日本人はなぜ臭いと言われるのか~口臭と体臭の化学』(光文社新書)ほか多数。

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