乾皮症ってどんな症状? 顔を乾燥から守るために知っておきたい基礎知識
こんにちは、WELLMETHODライターの廣江です。
気温がぐっと下がり、空気が乾燥する季節になりました。
秋から冬にかけて毎年わたしたちを悩ませるのが顔の乾燥ではないでしょうか?
筆者が20代~30代前半に行っていた秋冬の定番スキンケアといえば、化粧水を何度も重ねづけして美容液をつけ、たっぷりクリームを塗った後、さらに部分用のクリームを使用することでした。
もしかするとこの記事をご覧になっている方にも、同じようなスキンケアをしている方はいませんか?
高価なアイテムをいくつも使用し、スキンケアに時間をかけていましたが、顔の乾燥を改善することができず、気がつけば口元や鼻の皮膚がボロボロとむけてしまい、メイクで隠そうとすればするほど乾燥がひどくなっていきました。
皮膚科を受診した結果、乾皮症と診断を受けたというつらい経験があります。
筆者は現在40代。乾皮症を経験した30代前半からスキンケアを見直したことで、顔の乾燥に悩むことはなくなり、いまでは若いときよりも肌の調子が良いと感じています。
ぜひ毎年顔の乾燥に悩んでいる方に、筆者が実践したスキンケアを試してもらえたらなと思います。
今回は、乾燥が気になる季節に多くみられる乾皮症の症状と乾燥に負けないスキンケアの方法、乾燥する季節に心がけたい生活のコツについてご紹介します。
目次
1.乾皮症とは?
乾皮症(かんぴしょう)とは、肌の皮脂や水分が不足して皮膚が乾燥した状態のことをいいます。
一般的によく知られている乾燥肌のことと考えて良いでしょう。皮脂欠乏症(ひしけつぼうしょう)とよばれることもあります。
1-1.乾皮症と乾燥肌の違い
乾燥肌も乾皮症も皮膚が乾燥することによって起こります。
乾燥肌は洗顔後や入浴後に肌につっぱり感があったりカサカサしたりと不快な症状が現れます。
乾燥が進行することで皮膚の柔軟性がなくなり、ひび割れ、皮がむける、カサカサする、かゆみを感じるなど見た目にもわかるようなさまざま症状が現れるのが乾皮症で、皮膚疾患の一つです。
2.乾皮症の原因とは?
皮膚の表面には、水分を保持する機能と外部から体に有害なものが入ってくるのを防ぐバリア機能をもつ角質層があります。
乾皮症のもっとも大きな原因は角質層のバリア機能の低下です。
バリア機能が低下すると皮膚の中の水分をとどめておくことができなくなるため、皮膚が乾燥してしまいます。
バリア機能が低下する原因はさまざまですが、原因は一つだけではなく、複数の要因が関係していると考えられています。
2-1.寒さや空気の乾燥などの環境によるもの
乾燥肌を引き起こす原因は、寒さや空気の乾燥・紫外線です。
空気が乾燥すると肌の水分が蒸発し、肌が乾燥しやすくなります。
とくに冬は、気温が下がるため大気中の水分保持量が下がりますので、環境が乾燥しており、また部屋ではエアコンやヒーターなどの暖房器具を使用するため、室内外問わず乾燥した環境で過ごすことが多くなります。
また紫外線は一年を通して降り注いでいるため、冬でも午前10時~午後2時頃までは紫外線が強く、また雪が積もっている場合は雪の反射によって日焼けをしてしまう可能性があります。
日焼けすることによって肌は軽いやけどをした状態となり、角質層に炎症が起こるため乾燥しやすくなるのです。
参考)紫外線環境保健マニュアル2020
https://www.env.go.jp/chemi/matsigaisen2020/matsigaisen2020.pdf
2-2.加齢・老人性乾皮症
加齢も乾皮症の原因と考えられており、個人差はありますが、高齢になると多くの方に皮脂の欠乏が見られるようになります。
高齢者に見られる乾皮症のことを「老人性乾皮症(ろうじんせいかんぴしょう)」といいます。加齢に伴って皮膚の一番外側にある角層の保湿機能が低下することで、水分や皮脂が減少して皮膚が固くなり、ボロボロと皮がむけたり、ひび割れたりします。
皮膚の水分量を保つセラミドが年齢とともに減少することにより、乾燥を引き起こす原因になります。加齢による乾燥症状は、顔だけでなく、下腿や背中など体幹部にも多く見られます。
年齢を重ねるとバリア機能に必要な皮脂などの分泌量が減少し、外部の刺激から肌を守ることができなくなります。
その結果、肌内部の水分が蒸発し、肌が乾燥してしまうのです。
2-3.不規則な生活習慣
不規則な生活を送ることも肌のターンオーバーの乱れを引き起こします。
睡眠不足や栄養バランスの悪い食事が続くことによって、肌の正常なバリア機能が維持できなくなる可能性があります。
睡眠中に分泌される成長ホルモンには、皮脂細胞を構成するタンパク質を合成する働きがあり、肌の修復に欠かせません。
しかし睡眠不足が続くと成長ホルモンの分泌が妨げられるため、乾燥肌を悪化させる可能性があるのです。
また栄養バランスの偏った食事は、肌に必要な栄養素が不足し、肌のターンオーバーの乱れにつながります。
パンや菓子類、インスタント食品、ファストフードなどが多く、ビタミンやミネラル類を含む野菜や海藻類、タンパク質などが不足してしまうと、カロリーは摂取しているのに栄養バランスが悪い「現代型栄養失調」となりやすく、肌トラブルにもつながります。
2-4.間違ったスキンケア
間違ったスキンケアは肌の乾燥を引き起こす大きな原因の一つです。
肌を乾燥から守るためにたくさんのスキンケアアイテムを使うことで、肌に直接触れる機会が多くなります。
そうすると肌は過剰な摩擦による刺激を受け、ダメージを受けてしまいます。
また洗顔中にゴシゴシと肌を洗うことやタオルで強く水分を拭き取ることも肌摩擦の原因となります。
2-5.アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は皮膚疾患の一つで、皮膚の上層に発疹やかゆみを伴う慢性的な炎症のことです。
先天的に、保湿に重要なセラミドという角質の細胞間脂質が減少したり、角層で天然保湿因子として作用する物質が不足したりするために、乾皮症になりやすい肌質であることが一因となっています。
長期間にわたって症状が繰り返し出てきますが、治療によって症状が良くなった方は炎症がなくなり、乾燥のみが症状として現れることがあります。
▼アトピー性皮膚炎|化粧品の選び方・スキンケアのポイントと日常で気をつけること
https://wellmethod.jp/atopic-dermatitis-cosmetics/
3.乾皮症の症状とは?
乾皮症の初期症状は、皮膚がカサカサになり剥がれ落ちたり、ひび割れ、軽度のかゆみを伴うといった症状が現れます。
とくに乾燥や乾皮症が起こりやすい部位は、目や頬、口の周りなどです。
また顔だけではなく体にも起こることが多く、もっとも症状がよく現れるのが膝下です。その他にも肩や肘、腰回り、足の裏などで乾皮症の症状がみられます。
症状が進むと強いかゆみや赤み・ひどいひび割れがみられるようになり、さらに進行すると湿疹が引き起こされ、夜中に目が覚めてしまうほどの強いかゆみを伴い「乾燥性皮膚炎(かんそうせいひふえん)・皮脂欠乏性湿疹(ひしけつぼうせいしっしん)」へと移行していきます。
肌のバリア機能が低下すると肌が無防備な状態となるため、乾燥した皮膚をかきむしると水ぶくれになったり感染症につながったりすることもあるので注意が必要です。
4.乾燥から肌を守るためのスキンケアと心がけたい4つのポイント
乾皮症を予防するためには乾燥から肌を守ることが大切です。
そのためには正しいスキンケアと毎日の生活を送るうえで心がけたい4つのポイントを意識して生活を送りましょう。
4-1.正しいスキンケア
肌を乾燥から守るために大切なことは保湿と肌摩擦を最小限にとどめることです。
洗顔はぬるま湯で予洗いしてからたっぷりの濃密な泡で洗うようにしましょう。水分を拭き取るときは、やさしく押さえるだけにします。
次にスキンケアです。
スキンケアアイテムはさまざまな種類があり、アイテムを多く使えばより保湿ができるようなイメージがあるかもしれません。
しかし多くのアイテムを使えば使うほど、肌を触り過ぎて肌に負担をかけてしまいます。
肌に負担が少なくしっかり保湿できるアイテムとしておすすめするのが、肌に潤いを届けてくれる「セラミド」が配合されたオールインワンゲルです。
また顔の乾燥が気になるときは、セラミドが配合されているフェイスマスクもおすすめです。
肌の乾燥が気になると、オイルやクリーム、美容液といったさまざまなスキンケア用品を使用したくなるかと思います。
しかしそれでは、肌へ摩擦を与えてしまうことになりますし、1本でスキンケアが完了できるオールインワンゲルは、結果的に、お財布にもやさしいですよね。
そんな、肌にもお財布にもやさしいオールインワンゲル、いまでは筆者のお気に入りのアイテムとして愛用しています。
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4-2.入浴
熱いお風呂は皮膚の皮脂を奪うため、肌の乾燥やかゆみの悪化を引き起こす可能性があります。
湯船の温度は38~40℃程度のぬるめのお湯にしましょう。
体を洗う石鹸やボディソープは低刺激性や低アレルギー性のもの、色素や香料などの添加物がなるべく少ないものを使用し、しっかり泡立てすすぎ残しがないようにすることが大切です。
また入浴後は、肌への刺激を極力抑えるために刺激の少ない木綿などの肌着を選ぶようにしましょう。
参考)
https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/atopic_GL2018.pdf
4-3.適度な加湿
エアコンやヒーターなど、暖房器具を使用した部屋は思った以上に乾燥していることがあります。
乾燥した部屋で過ごすと肌の乾燥を引き起こしてしまうため、暖房を使用しているときは湿度が40~60%になるように加湿することが大切です。
部屋を加湿するのに効果的なのが加湿器です。
加湿器がない場合は、室内で洗濯物を干したり、お湯や水が入ったコップを置いたり、定期的に部屋に霧吹きで水を吹きかけると良いでしょう。
▼今年の冬は万全な部屋の乾燥対策を! 乾燥肌やコロナ予防にも必要な知識
https://wellmethod.jp/room-drying/
4-4.質の良い睡眠
肌を乾燥から守るためには質の良い睡眠をとることが大切です。
適正な睡眠時間は人によりますが、概ね7時間程度です。
質の良い睡眠をとるためには夕食を寝る前の3時間以上前までに済ませ、寝る直前までスマートフォンやパソコンを使用するのは控えましょう。
睡眠の質を高めるのに効果的な寝る前の過ごし方は、読書やアロマなどリラックスする時間を持つことです。
4-5.栄養バランスのとれた食事
肌だけではなく健康を維持するためにも栄養バランスのとれた食事をとることを意識することが大切です。
とくに乾燥から肌を守るためには肌に必要なタンパク質や良質な必須脂肪酸・ビタミン・ミネラル・食物繊維などの栄養素をとるようにしましょう。
5.乾皮症の治療法
乾皮症の症状が治まらなかったり悪化するようなことがあれば、早めに皮膚科を受診しましょう。
乾皮症の治療は基本的に保湿剤で皮膚に潤いを与えることです。
炎症などが生じている場合は、ステロイドの外用薬が処方されることがあります。
5-1.名前は似ているけれど注意が必要な「色素性乾皮症」
乾皮症という名前が病名の一部に使用されていますが「色素性乾皮症(しきそせいかんぴしょう)」は、難病指定の対象となっている疾病です。
症状は日光が当たる皮膚に多くのシミができ、皮膚が乾燥し皮膚がんになりやすいという特徴があります。
色素性乾皮症は遺伝する疾病であり、現代に医療技術においても完全な治療法は確立されていません。
6.外気にさらされる顔はスキンケアが大切
乾皮症は顔だけではなく体にも起こります。
しかし顔は衣服で覆われていないことやマスク生活によって、肌摩擦を受けやすい状況にあります。
乾皮症から肌を守るためには正しいスキンケアが欠かせません。
筆者は乾皮症になってからスキンケアを見直し、みなさまにおすすめしたいのがシンプルケアです。
いまでは乾皮症を改善し、セラミドが配合されているオールイワンゲルとフェイスマスクで乾燥知らずの毎日を送っています。
とくに毎日忙しい大人の女性におすすめしたいのが「WELLMETHOD®」の「フェイスマスク」と「オールインワンゲル」です。
どちらもセラミド・エクオール・ナールスゲンといった3つの美容成分が贅沢に配合されており、毎日のセルフケアが贅沢なひとときへと変わります。
スキンケアの時短ができるオールインワンゲルとフェイスマスクで肌にうるおいを与えてくれるシンプルケアで健やかな肌を目指しましょう。
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WELLMETHOD®フェイスマスクについて詳しくはこちら
この記事の監修は 医師 桐村里紗先生

桐村 里紗
総合監修医
・内科医・認定産業医
・tenrai株式会社代表取締役医師
・東京大学大学院工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻 道徳感情数理工学講座 共同研究員
・日本内科学会・日本糖尿病学会・日本抗加齢医学会所属
愛媛大学医学部医学科卒。
皮膚科、糖尿病代謝内分泌科を経て、生活習慣病から在宅医療、分子整合栄養療法やバイオロジカル医療、常在細菌学などを用いた予防医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。
監修した企業での健康プロジェクトは、第1回健康科学ビジネスベストセレクションズ受賞(健康科学ビジネス推進機構)。
現在は、執筆、メディア、講演活動などでヘルスケア情報発信やプロダクト監修を行っている。
フジテレビ「ホンマでっか!?TV」には腸内環境評論家として出演。その他「とくダネ!」などメディア出演多数。
- 新刊『腸と森の「土」を育てるーー微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)』
- tenrai株式会社
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著作・監修一覧
- ・新刊『腸と森の「土」を育てるーー微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)
- ・『日本人はなぜ臭いと言われるのか~体臭と口臭の科学』(光文社新書)
- ・「美女のステージ」 (光文社・美人時間ブック)
- ・「30代からのシンプル・ダイエット」(マガジンハウス)
- ・「解抗免力」(講談社)
- ・「冷え性ガールのあたため毎日」(泰文堂)
ほか