気になる歯の黄ばみ…その原因と白い歯になるための日常ケア
こんにちは、WELLMETHODライターの和重 景です。
以前は気にならなかった歯の黄ばみ。
しかしある時、知人とお茶をする機会があり、綺麗な口元が印象に残っていました。
「何が違うんだろう…」
と考えていたところ気がついたのは、“歯の色”でした。
「自分の歯の色はどうなんだろう?」と気になり、鏡の前に立つと、歯の黄ばみが目立っていることに気がつきました。
以前は気にならなかったのに、いつの間にか黄ばんでいたことにショックを隠せませんでした。
それからというもの、歯の黄ばみを解消すべく、さまざまなケアを実践しました。
いまでも毎日継続することで、歯の黄ばみは気にならなくなりました。
そこで今回は、おすすめの改善方法と日常的にできるケアをご紹介します。
1.歯の黄ばみの原因
歯が黄ばむ原因はさまざまです。
真っ白な歯に憧れる方は多いと思いますが、黄ばみの原因を知る前に押さえておきたいことがあります。
歯の色は全員が同じ色ではなく、もともとの歯の色は象牙質の色で決まります。
歯は、表面から内側に、表面を覆って象牙質を守る役割がある「エナメル質」、主となる「象牙質」、エナメル質と象牙質の間にある「セメント質」、血管や神経などが通る「歯髄(しずい)」から構成されています。
エナメル質の色は半透明なので、その内側にある象牙質が透けて見えます。つまり歯の本来の色は象牙質の色に左右されるといえるのです。
基本的に象牙質は乳白色ですが、髪や肌の色と同じように個人差があります。さらに、加齢によって象牙質が分厚くなってくると黄色味が増したように見えます。
またエナメル質の厚さや透明度、凹凸などによっては歯の表面に光が反射し、白っぽく見えたり、象牙質の色の見え方が変わることもあります。
もともとの歯の色に対してさまざまな要因が重なることで、黄ばみが生じます。
1-1.食べ物や飲み物による着色汚れ
食べ物や飲み物で歯が黄ばむ原因は、ステインです。ステインとは、食物に含まれているポリフェノールなどの色素成分が唾液の中のたんぱく質と結合してできた汚れのことです。
カレーやキムチ、チョコレート、ベリー類などの色の濃い食べ物や、コーヒー・紅茶・緑茶・赤ワインなどを日常的に摂取することでステインが付着しやすくなります。
1-2.喫煙習慣
喫煙をする方は歯が黄ばみやすい環境にあるといえます。たばこのヤニはステインよりも粘着力が高く、さらに歯を黄ばまさせる働きがあります。
ステインやヤニは歯の表面に汚れが付着するだけではなく、歯の表面に溜まり時間が経つにつれてエナメル質の中にまで浸透してしまうため、歯が黄ばんでしまいます。
血流を悪化させるため、歯周病の原因にもなり、口腔内環境を悪化させる最大の要因になります。
1-3.虫歯
初期の虫歯は、歯の主成分であるカルシウムとリンが溶け出すことで起きる「ホワイトスポット」という現象がおきます。
ホワイトスポットとは、歯の白く濁ったシミのようなものです。ホワイトスポットからさらに虫歯が進行すると、茶色や黒色に変色します。
虫歯が進行すると歯の神経が死んでしまい。神経が死んだ歯は徐々に茶色に変色していきます。
1-4.加齢
歯は年齢を重ねると白色から黄色へと変色していきます。その理由は、表面を覆っているエナメル質が加齢に伴って摩耗し、薄くなることで内側の象牙質がより透けて見えやすくなることと、象牙質自体が分厚くなるためです。
その他、加齢が原因で起こる歯の症状についてはこちら。
▼歯茎が痩せる原因は? 加齢に伴って起こる「歯肉退縮」を防ぐケア
https://wellmethod.jp/gum-thinning/
1-5.抗生物質
テトラサイクリン系の抗生物質を胎児期、授乳期に母親が服用したり、6歳頃までに長期間服用すると、骨や歯などの身体の硬組織に影響を及ぼし、歯に着色を起こす副作用が報告されています。
2.自宅でできる歯の黄ばみの改善方法
歯の表面の黄ばみは、毎日のケアにより取り除くことが可能な場合もあります。
歯の黄ばみの原因はさまざまですが、自宅でできる効果的な方法をご紹介します。
2-1.正しいブラッシング
歯の黄ばみを効果的に落とすためには、毎日の歯磨きを丁寧に行うことが大切です。
黄ばみを落としたいという一心で強く磨くと、歯に大きなダメージを与えてしまします。
気になるところを磨いているつもりでも、的外れなところを磨いてしまう可能性もあるため、力を抜いて小刻みに歯ブラシを動かすように磨きましょう。
詳しい歯磨きの方法はこちらをご参照ください。
https://wellmethod.jp/bad_breath/
2-2.ホワイトニングができる歯磨き粉
歯の黄ばみを改善するには、ホワイトニングができる歯磨き粉がおすすめです。
最近では、着色汚れを落とすことに特化したものも販売されています。
市販されている多くの歯磨き粉には研磨剤が入っています。研磨剤が入っていれば、歯の表面の黄ばみがとれるように感じますが、歯の表面を傷つけてしまう可能性があるため、研磨剤が入っている歯磨き粉は週1回の頻度がおすすめです。
電動歯ブラシを利用されている方は、研磨剤入りの歯磨き粉を使用するのは控えましょう。電動歯ブラシと併用することで、汚れを落とす以上に歯を傷つけてしまうリスクが高くなるためです。
電動歯ブラシを使用している方は、研磨剤が配合されていないジェルタイプのものがおすすめです。
ジェルタイプのものは、汚れを浮かせて落とす効果が期待できます。
電動歯ブラシの中でも、音波や超音波タイプには、ステインを落としやすくする機能を持つものもあります。
3.歯科医院で黄ばみを落とす方法は?
歯科医院では本格的なケアを行うことができます。また自宅で行うケアよりも短時間で高い効果が期待できるので、すぐに歯を白くしたい方にはおすすめです。
歯科医院で歯の黄ばみを落とす4つの方法をご紹介します。
3-1.歯のクリーニング(着色除去用)
歯の着色汚れのクリーニングは、専用の機械を用いて、水と塩の細かな粒子のウォータースプレーを吹き付けて、歯の表面の着色汚れを落としていく方法です。「エアフロー」「ジェットクリーニング」などと呼ばれます。
歯本来の白さを自然に引き出すことができ、歯磨きで取り除くことができない歯石も一緒に取ることができます。
保険診療で行うことができるクリーニングは、歯周病に対応したものになります。審美的な理由によるクリーニングは主に自費診療になります。
3-2.PMTC
PMTCは、専用器具とフッ化化合物配合の研磨剤を使い歯の表面や歯茎の歯周ポケットなどにある歯垢を除去します。
歯磨きでは落とすことができない、細かい部分の汚れを落とすことができます。
歯のクリーニングよりグレードアップした施術となります。
3-3.ラミネートべニア治療
歯の表面にセラミックを貼り付けて、歯を白く見せる治療です。
歯の内部が黄ばんていたり変色している場合は、表面の汚れを取り除いても黄ばみは改善されません。
ラミネートべニア治療は、歯の表面を少し削りセラミックを貼り付けるので、自分の希望する歯の色に近づけることが可能です。
3-4.ホワイトニング
歯科医院で行うホワイトニングは大きくわけて2種類あります。
1.オフィスホワイトニング
歯の表面にホワイトニングジェルを塗り、特殊な光を当てて歯を白くする方法です。
個人差はありますが、初回から効果を感じ、3回程度で理想の白さを実感することができるため、すぐにホワイトニングを終わらせたい方におすすめです。
ただし、後戻りも早くなります。
2.ホームホワイトニング
歯科医院を受診した後、自宅で行うホワイトニングです。
歯科医院で歯の型をとり、専用のマウスピースを作ります。そのマウスピースにホワイトニングジェルを入れて歯に装着します。
時間はかかりますが、その分長持ちします。
4.歯の黄ばみを防ぐためのケアとは?
白い歯を維持したい・手に入れたいと思う方は、歯の黄ばみを予防することも大切です。
日常生活の中でいつも行う習慣を少し変えるだけで、歯の黄ばみを予防することが可能です。
4-1.ステインを付着させない
ステインを付着させないために、コーヒーやお茶を一切飲まない生活をずっと続けることは難しいと思います。
ステインを付着させないためのポイントをご紹介します。
・コーヒーなどの色の強いものを飲食した後は、なるべく早めに歯磨きを行う
・歯磨きができない場合は、水で口を軽くゆすぐ
・水がない場合はキシリトールガムを噛んで唾液を出す
4-2.定期的に歯科医院に検診に行く
自分の歯を毎日見ていると、歯の黄ばみは気付きにくいものです。口の中の健康を保つためにも定期的に歯科医院に検診に行くことをおすすめします。
定期検診を受けることで自覚症状の出にくい初期虫歯や歯周病を発見することができ、早くに治療を受けることができます。
定期健診は3ヵ月〜半年に1回を目安にすると良いでしょう。
4-3.ホワイトニングができる歯磨き粉の活用
歯の黄ばみの改善方法でもご紹介しましたが、ホワイトニングができる歯磨き粉は予防にも効果が期待できます。
研磨剤が大量に入った歯磨き粉は避けるようにしましょう。
歯磨き粉で研磨剤として使用される成分は、下記のようなものがあります。
歯磨き粉を購入する際の参考にしてみてください。
・リン酸水素カルシウム
・水酸化アルミニウム
・無水ケイ酸
・炭酸カルシウム他
5.白い歯で自信を持ちましょう! 笑顔が素敵な女性でいるために
どの年代であっても、笑顔が素敵な女性に憧れるのではないでしょうか。
どれだけ素敵な表情で笑ったとしても、歯が黄ばんでいると印象も変わってしまいます。
新型コロナウイルスの感染拡大防止でマスクをする機会が増え、目元ケアが注目を集めています。
しかしマスクをしているいまだからこそ、ゆっくり時間をかけてお口のケアをしてみるのも良いですよね。
みなさんは「8020運動」をご存じでしょうか?
80歳になっても自分の歯を20本保とうという運動です。歯の健康を維持するためにも歯の黄ばみケアはいまから行っていきたいですね。
私たちの人生はまだまだこれから!
素敵な80歳を目指して、自分らしく自信を持って笑顔が素敵な大人の女性でありたいですね。
筆者は、気になっていた歯の黄ばみが薄くなってきているのを鏡で見ると、心も晴れやかな気持ちになります。
そして笑顔に自信を持つことができました。
ぜひみなさまも、お口の健康や笑って過ごせる毎日のために、歯の黄ばみケアをぜひ試してみてくださいね。
この記事の監修は 医師 桐村里紗先生

桐村 里紗
総合監修医
・内科医・認定産業医
・tenrai株式会社代表取締役医師
・東京大学大学院工学系研究科 バイオエンジニアリング専攻 道徳感情数理工学講座 共同研究員
・日本内科学会・日本糖尿病学会・日本抗加齢医学会所属
愛媛大学医学部医学科卒。
皮膚科、糖尿病代謝内分泌科を経て、生活習慣病から在宅医療、分子整合栄養療法やバイオロジカル医療、常在細菌学などを用いた予防医療、女性外来まで幅広く診療経験を積む。
監修した企業での健康プロジェクトは、第1回健康科学ビジネスベストセレクションズ受賞(健康科学ビジネス推進機構)。
現在は、執筆、メディア、講演活動などでヘルスケア情報発信やプロダクト監修を行っている。
フジテレビ「ホンマでっか!?TV」には腸内環境評論家として出演。その他「とくダネ!」などメディア出演多数。
- 新刊『腸と森の「土」を育てるーー微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)』
- tenrai株式会社
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著作・監修一覧
- ・新刊『腸と森の「土」を育てるーー微生物が健康にする人と環境』(光文社新書)
- ・『日本人はなぜ臭いと言われるのか~体臭と口臭の科学』(光文社新書)
- ・「美女のステージ」 (光文社・美人時間ブック)
- ・「30代からのシンプル・ダイエット」(マガジンハウス)
- ・「解抗免力」(講談社)
- ・「冷え性ガールのあたため毎日」(泰文堂)
ほか
和重 景
主に、自身の出産・育児やパートナーシップといった、女性向けのジャンルにて活動中のフリーライター。
夫と大学生の息子と猫1匹の4人暮らし。
座右の銘は、「為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」。